クレーム対応実践:理不尽な要求と自社過失

Question
あなたはシステム開発会社の管理職です。先日納品した基幹システムに軽微なバグがあり、顧客である中堅製造業のA社(社長は50代後半、短気で感情的、過去にも同様のトラブルで強硬な態度をとった経験あり)の業務に一部支障が出ました。弊社も非を認めつつも、A社側にもシステム運用上の誤りがあったことも判明しています。しかし、A社社長は弊社の全面的な責任を主張し、現状では過大な損害賠償を要求しています。初回の謝罪訪問後、社長から直接電話があり、「お前たちの謝罪は形だけだ!具体的な賠償案も示さず、どういうつもりだ!」と激しい口調で怒鳴りつけています。

この状況で、まず相手の感情を鎮め、具体的な交渉のテーブルに着くために最も適切な第一声はどれか?

  • A. 「A社長、お気持ちは分かりますが、弊社だけでなく御社にも誤った運用があった点はご認識いただいていますでしょうか?」
  • B. 「A社長、この度は大変申し訳ございませんでした。すぐに対応策を検討し、改めてご連絡いたします。」
  • C. 「A社長、この度は多大なるご迷惑とご心労をおかけし、誠に申し訳ございません。社長様のお怒りはごもっともと存じます。まずは、今回の件で御社にどのようなご不便、ご損害が生じているのか、改めて詳しくお聞かせいただけますでしょうか?」
  • D. 「A社長、担当者から改めて詳細をご説明させますので、少々お待ちいただけますでしょうか?」

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【選択肢 A】 不正解(悪手)

相手にも運用上の過失があるというのは事実ですが、激高している最中に相手の責任を指摘し、正論で論破しようとする行為は火に油を注ぎます。感情的な対立が決定的なものとなり、過大な損害賠償などの強硬手段(法的トラブル)を誘発する最悪の対応です。

【選択肢 B】 不正解

謝罪の言葉は述べていますが、怒り狂っている相手を「改めて連絡する」と早々にシャットアウトしようとしており、誠意が伝わりません。相手の感情(怒りや不便さ)に対する共感が欠落しているため、不信感をさらに増幅させます。

【選択肢 C】 正解(良手)

まず「お怒りはごもっとも」と相手の感情を全面的に受容・肯定することで、心理的距離を縮めています。その上で「どのようなご損害が生じているか」を傾聴する姿勢を見せることで、相手のガス抜きをしつつ、感情論(怒り)から事実関係の整理(ファクトベースの対話)へと自然に誘導する極めて高度なアプローチです。

【選択肢 D】 不正解(悪手)

経営トップである社長から直接クレームの電話が入っている状況において、担当者(部下)に丸投げしようとする態度は、管理職としての当事者意識と責任感が完全に欠如しています。「責任者を出せ」と事態をさらに悪化させるだけです。

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