「社内規定」を盾に一切動かない管理部門との交渉

Question
あなたは営業部長です。数ヶ月追いかけてきた超大型案件の受注が目の前に迫っていますが、顧客から「支払いサイト(期日)を今回だけ1ヶ月延ばしてほしい」という特例条件が提示されました。これを経理部の課長に相談したところ、課長は「社内規定で決まっています。特例を認めればガバナンスが崩れます」と冷んやりとした態度で完全に拒絶しています。この案件を逃せば今期の全社目標達成は絶望的です。

経理課長の態度を軟化させ、交渉のテーブルに着かせるための第一声として、最も適切なのはどれか?

  • A. 「課長、これは今期の全社目標達成にかかっている案件なんです。営業がこれだけ苦労して取ってきた案件を、規定だけを理由に潰すつもりですか?」
  • B. 「おっしゃる通り、規定を守ることは重要です。ただ、この案件は社長も期待している特別プロジェクトなので、今回だけ目をつぶってもらえませんか?」
  • C. 「課長がわが社のガバナンスとリスクを守ってくださっていること、深く理解しています。その上で、全社の利益目標とリスク管理を両立させるために、どのような条件が揃えば特例を通せるか、一緒に知恵を絞っていただけませんか。」
  • D. 「規定があるのは分かりますが、競合他社は柔軟に対応していますよ。このままでは現場の営業のモチベーションが保てません。」
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【選択肢 A】 不正解(悪手)

「営業の苦労」「潰す気か」と感情的に詰め寄り、自分たちの部署(営業)の論理だけを押し付けています。管理部門は「会社のルールを守る」のが仕事であり、このような態度では「リスク管理意識が低い」と見なされ、さらに頑なになります。

【選択肢 B】 不正解

「社長の期待」という権威を盾にしてルールを曲げさせようとするアプローチ(社内政治的圧迫)です。「今回だけ目をつぶって」という不適切な依頼は、コンプライアンス上も経理担当者のプライドの面でも絶対に受け入れられません。

【選択肢 C】 正解(良手)

まず「ガバナンスを守る」という経理課長の役割(大義名分)を承認し、敵対関係を解きます。その上で、問題を「営業 vs 経理」ではなく、「全社利益とリスク管理の両立」という一段高い共通目的に昇華させ、「どうすれば可能か」と専門家の知恵を借りる最高の一手です。

【選択肢 D】 不正解

他社の事例や現場のモチベーションを持ち出しても、経理担当者にとっては「だから何ですか?ルールはルールです」と一蹴されるだけです。相手の職務上のミッション(リスク回避)に対する配慮が欠けています。

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