【突然退職Lv2】部下の突然の退職申し出にどう対応する?

【突然退職Lv2】部下の突然の退職申し出にどう対応する? インバスケット演習

あなたは、中堅のマーケティング支援企業「株式会社ネクストビジョン・マーケティング」のマーケティング部第2課で、3ヶ月前に課長に昇進したばかりの新任管理職です。

本日は、あなたが担当する大型案件の進捗を報告する重要な役員プレゼンテーションが午前10時から予定されており、その最終準備に追われています。出社してPCを立ち上げたところ、未処理案件が複数ある中に、以下のメールが届いていることに気づきました。

このメールの送り主である鈴木誠さんは、入社3年目の若手ですが、非常に優秀で、チームの中心メンバーとして活躍しており、あなたも将来のリーダー候補として期待を寄せています。

差出人: 鈴木 誠 <m.suzuki@nextvision-m.co.jp>
日時: 20XX年10月26日 08:30
件名: 【ご報告】一身上の都合による退職について(鈴木)


〇〇課長

おはようございます。
マーケティング部第2課の鈴木です。

突然のご連絡となり、大変申し訳ございません。
この度、一身上の都合により、来月末(11月30日)をもちまして退職させていただきたく、ご連絡いたしました。

これまで多くの経験をさせていただき、〇〇課長をはじめ、皆様には大変お世話になりました。心より感謝しております。

本来であれば直接お伝えすべきところ、メールでのご報告となりましたことをお詫び申し上げます。本日、改めてお話しさせていただくお時間をいただけますと幸いです。

最終出社日までの業務引き継ぎ等につきましては、責任をもって対応させていただきます。
何卒、よろしくお願い申し上げます。

鈴木 誠

A

まず「メール拝見しました。今日の役員プレゼン後に時間を作りますので、直接お話を聞かせてください」と返信し、プレゼンに集中する。
B

ひとまずメールで了承の旨を返信し、後任の選定と業務引き継ぎ計画の作成をすぐに始めるよう指示する。
C

すぐに鈴木さんを会議室に呼び、まずは退職理由を詳しくヒアリングし、全力で引き止めを試みる。
回答と解説を見る

正解:A

選択肢Aがベストです。

選択肢Aがベスト

この選択肢が最も優れている理由は、「冷静な初期対応」「優先順位の的確な判断」「相手への配慮」という3つの要素をバランス良く満たしているからです。

  • 冷静な初期対応: 突然の報告に動揺せず、まずは事実を受け止め、対話の意思があることを伝える冷静な対応は、管理職としての安定感を示します。感情的に引き止めたり、逆に突き放したりする前に、まずは状況を正確に把握しようとする姿勢が重要です。
  • 優先順位の的確な判断: 部下の退職は重要案件ですが、目前に迫った役員プレゼンも組織人としての重要な責務です。この責務を放棄せず、まずは目の前のタスクに集中し、その後に腰を据えて部下の問題に対応するという優先順位付けは、管理職として極めて妥当な判断です。
  • 相手への配慮: メールで一方的に結論を出すのではなく、「直接話を聞く」という場を設けることで、相手の意思を尊重し、真摯に向き合う姿勢を示すことができます。これにより、円満な解決や、退職の真の背景にある組織課題の抽出につながる可能性が生まれます。

選択肢Cは感情的で、プレゼンという自身の責務を放棄しかねません。また、選択肢Bはあまりにドライで、本人の気持ちを無視しており、チームの士気を下げかねない最悪の対応です。

重要度:高 / 緊急度:高

重要度: 高

チームの中核を担う優秀な若手社員の退職は、単なる人員減以上のインパクトを持ちます。

  • チームの生産性や士気の低下
  • 残されたメンバーの業務負荷増大
  • 今後の人員計画や育成プランの見直し

など、組織運営に与える影響が非常に大きいため、重要度は「高」と判断されます。退職の背景にある問題が組織的なものであれば、第二、第三の退職者を生む引き金にもなりかねません。

緊急度: 高

本人の退職意思は固い可能性があり、対応が遅れれば手遅れになる可能性があります。また、この情報が不用意に他のメンバーに伝われば、チーム内に動揺が広がる恐れもあります。したがって、迅速な初期対応(まずはコンタクトを取ること)が求められるため、緊急度も「高」と判断します。ただし、数時間単位での対応で問題ないため、「今すぐ他の業務を全て中断して対応すべき」というレベルではありません。適切なタイミングを見計らって、迅速に行動することが求められます。

管理職として、部下からの突然の退職申し出は避けて通れない問題の一つです。アセスメント試験では、このような状況でパニックに陥らず、冷静かつ論理的に対応できるかが評価されます。

加点されやすい行動原則:

  • 1. まずは受け止め、対話の場を設ける:
    メールやチャットで完結させようとせず、必ずフェイス・トゥ・フェイス(あるいはオンラインでのビデオ通話)で話す機会を設けることを約束しましょう。これにより、「あなたを尊重している」というメッセージが伝わります。
  • 2. 傾聴に徹し、詰問しない:
    面談の場では、まず本人の言い分を最後までじっくりと聞くことが重要です。「なぜ辞めるんだ」と詰問するのではなく、「そう考えるようになった背景を教えてもらえる?」といった形で、本人のキャリア観や将来のビジョンを理解しようとする姿勢が信頼関係を築きます。
  • 3. 組織の視点を持つ:
    個人の引き止めに固執するだけでなく、「なぜ彼は退職を決意したのか?」「組織に改善できる点はないか?」という視点で問題を捉え、再発防止につなげようとする思考は、管理職としての重要な資質です。個人の問題から組織の課題を抽出する能力が評価されます。
  • 4. 情報管理を徹底する:
    退職意向は非常にデリケートな個人情報です。正式な公表時期が決まるまで、関係者以外には決して漏らさないという情報管理の意識も、管理職として不可欠です。

突然の退職申し出は、チームにとっての危機であると同時に、組織の課題を見直す良い機会でもあります。このピンチをチャンスに変える視点を持てるかが、優れた管理職とそうでない管理職の分かれ目となります。

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