【納期遅延Lv4】重要顧客向けAI開発で進捗遅延

【納期遅延Lv4】重要顧客向けAI開発で進捗遅延 インバスケット演習

あなたは、ITソリューション企業「株式会社ネクストウェーブ・ソリューションズ」のソリューション開発本部 第2開発部 第1課の課長です。

本日付けで課長に着任したばかりで、前任の加藤課長が健康上の理由で急遽長期休職に入ったため、十分な引き継ぎがないまま業務を開始しました。

あなたの課は、最重要顧客である大手物流企業「株式会社グローバル・ロジスティクス」向けの次世代在庫管理システム『LogiMaster-AI』の開発を担当しており、このプロジェクトは会社の業績を左右する極めて重要な案件と位置づけられています。

【現在の制約】
あなたはこれから1時間の外出予定があり、その間はPCや社内システムに一切アクセスできません。デスクに戻ってから対応しようと考えていましたが、以下のメールが「至急」として届いていることに気づきました。この案件の処理にかけられる時間は、今から5分程度です。

差出人: 鈴木 一郎 <i.suzuki@nextwave-sol.co.jp>
日時: 20XX年10月27日(金) 10:15
宛先: あなた
件名: 【至急・要確認】「LogiMaster-AI」AI予測モジュールの結合テスト日程について


〇〇課長

お疲れ様です。品質保証部の鈴木です。
この度は課長ご就任、誠におめでとうございます。今後ともよろしくお願いいたします。

早速で恐縮ですが、担当プロジェクト「LogiMaster-AI」の件でご相談があり、ご連絡いたしました。

来週から開始予定の結合テストについてですが、テストの前提となる第1課担当の「AI予測モジュール」の単体テスト完了報告が、当初の期限(先週末)を過ぎても、担当の佐藤主任から提出されておりません。

状況確認のため、今週に入り佐藤主任に数回チャットや口頭で確認を試みているのですが、「現在対応中です。完了次第報告します」との短い返信のみで、具体的な進捗や遅延理由が不明なままです。

ご存知の通り、このAI予測モジュールはシステム全体の根幹をなす最重要部分です。このモジュールの受け入れが遅延すると、私達が準備しているテストシナリオの大幅な手戻りが発生し、後続の全テストスケジュールに影響が出ます。最悪の場合、3ヶ月後に迫った最終納期に間に合わなくなる可能性が極めて高い状況です。

つきましては、大変恐縮ですが、本日中にAI予測モジュールの提供目処について、ご回答いただけますでしょうか。
お忙しいところ申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。

—
株式会社ネクストウェーブ・ソリューションズ
品質保証本部 品質保証部 第2チーム
リーダー 鈴木 一郎
—

A

まず佐藤主任の席に行き、「少し話せるかな?」と声をかけ、直接対話して事実確認と精神的なケアを試みる。その上で、鈴木さんには「状況を確認し1時間後、外出先から一度お電話します」と一次返信する。外出前に田中部長にも「LogiMaster-AIで問題発生の可能性あり」と一報だけ入れておく。
B

状況の深刻さを鑑み、すぐに上司である田中部長の席へ行き、口頭で状況を報告し、対応方針について指示を仰ぐ。鈴木さんには「本件、部長と協議の上、本日中に方針を連絡します」と返信する。
C

担当の佐藤主任にすぐに電話し、「状況をすぐに報告しなさい。本日17時までにリカバリープランをまとめて提出するように」と厳命する。鈴木さんには「佐藤主任から直接連絡させます」と返信する。
回答と解説を見る

正解:A

選択肢Aがベストです。

選択肢Aがベスト

この選択肢が最も優れている理由は、管理職として求められる以下の3つの基本原則を的確に押さえているからです。

  1. 事実確認(Fact Finding)の徹底:
    メールや伝聞といった二次情報だけで判断せず、まずは当事者である佐藤主任から直接話を聞き、一次情報を収集しようとする姿勢が最も重要です。遅延の理由が「技術的な課題」「予期せぬ仕様変更」「本人の体調不良」など、何であるかによって打つべき手は全く異なります。憶測で指示を出す(選択肢C)や、情報がないまま上司に判断を委ねる(選択肢B)のは、問題解決を遠ざける悪手です。
  2. 当事者への配慮と育成視点:
    一方的に指示を出すのではなく、「対話」を通じて状況を把握しようとする姿勢は、部下との信頼関係構築に不可欠です。エース格の佐藤主任が報告を躊躇している背景には、一人で責任を抱え込んでいる、あるいは何らかのトラブルで精神的に追い詰められている可能性があります。高圧的な指示は彼をさらに孤立させ、事態を悪化させる危険性があります。まずは味方であることを示し、状況を共有する場を作ることが先決です。
  3. 適切なステークホルダーマネジメント:
    関係者である品質保証部の鈴木さんに対して、すぐに回答できない状況を正直に伝えつつ、「1時間後」という具体的な次のアクションを約束することで、いたずらに不安を煽ることを防いでいます。また、上司の田中部長にも「問題発生の可能性」という一報を入れておくことで、事が大きくなった際に迅速に組織的な支援を得られる布石を打っています。これは、課長としての責任を果たしつつ、リスク管理を適切に行っている証拠です。

選択肢Cは典型的なマイクロマネジメントであり、問題の根本解決につながりません。選択肢Bは、課長としての主体性と責任を放棄した「指示待ち」の姿勢であり、管理職失格と判断される可能性が高いでしょう。

重要度:高 / 緊急度:高

この案件は「重要度:高」「緊急度:高」に位置づけられます。

  • 重要度(高)の理由:
    会社の業績を左右する最重要顧客向けの最重要プロジェクトに関する問題であるため。このプロジェクトの失敗は、会社全体の売上やブランドイメージに深刻なダメージを与える可能性があります。プロジェクトの成否の鍵を握る中核モジュールに関する問題であり、決して軽視できません。
  • 緊急度(高)の理由:
    後続の全工程に影響を及ぼし、最終納期遅延に直結するクリティカルな問題であるため。また、他部署の責任者から「本日中」という期限付きで回答を求められており、放置すれば部署間の信頼関係にも亀裂が生じます。即時のアクションが必須です。

納期遅延や進捗遅れの問題は、管理職が日常的に直面する最も典型的な課題の一つです。アセスメント試験では、パニックにならず冷静かつ論理的に状況を捌けるかが評価されます。以下のマインドセットと行動原則を意識してください。

  • 原則1: まずは事実確認(Fact Finding)から始める
    報告やメールの内容は、報告者の主観が入った二次情報に過ぎません。必ず当事者や現場に直接アクセスし、一次情報を自分の目と耳で確認する癖をつけましょう。「なぜ遅れているのか?」「今、何が起きているのか?」という客観的な事実を把握することが、全ての打ち手の出発点です。
  • 原則2: 人を責めず、状況と仕組みに目を向ける
    「担当者の能力が低い」「やる気がない」と個人を攻撃しても問題は解決しません。むしろ、チームの士気を下げるだけです。「無理な計画ではなかったか?」「リソースは十分だったか?」「コミュニケーションの仕組みに問題はなかったか?」など、問題が発生した構造的な要因を探る視点が、管理職には求められます。
  • 原則3: 迅速な「一次回答」で信頼を繋ぐ
    すぐに完璧な解決策が出せない場合でも、関係者を放置してはいけません。「連絡ありがとうございます。現在、事実確認を進めております。〇時頃に改めて状況をご報告します」といった一次回答を迅速に行うだけで、関係者の安心感と信頼度は大きく向上します。
  • 原則4: 解決策は「誰が」ではなく「どうする」で考える
    犯人捜しをするのではなく、チームとして「この状況をどう乗り越えるか」という未来志向の議論に焦点を当てることが重要です。部下を巻き込み、他部署の協力を仰ぎ、時には上司に支援を要請するなど、あらゆるリソースを活用して組織として問題を解決に導くのが管理職の役割です。
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