あなたは、食品メーカー「株式会社ウェルビーフーズ」のマーケティング部・第2課の課長です。時刻は金曜日の15:00。あなたは午前中、新商品の消費者テストに立ち会っており、昼過ぎに自席に戻り、溜まっていたメールの処理を始めたところです。
来週月曜の午前中には、部長への四半期実績報告が控えており、その準備も進めなければなりません。これから3分間で、未処理の案件をできるだけ多く処理する必要があります。
差出人: 鈴木 誠 (マーケティング部 第2課)
日時: 20XX年10月27日(金) 14:30
件名: 【ご相談】一身上の都合による退職の件
課長
お疲れ様です。鈴木です。
外出中申し訳ありません。メールにて失礼いたします。
突然のご連絡で大変恐縮ですが、一身上の都合により、来月末(11月30日)をもって退職させていただきたく、ご相談させていただけますでしょうか。
入社以来、課長には大変お世話になり、このような形でのご報告となりますことを心よりお詫び申し上げます。
現在、私が主担当として進めている新ブランド「みらいデリ」の立ち上げプロジェクトについては、後任の方にしっかりと引き継ぎを行い、業務に支障が出ないよう責任をもって対応する所存です。
詳細につきましては、別途お時間をいただき、直接ご説明させていただけますと幸いです。
お忙しいところ恐れ入りますが、ご検討のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
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株式会社ウェルビーフーズ
マーケティング部 第2課
鈴木 誠
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正解:B
選択肢Bがベストです。
選択肢Bがベスト
この状況における管理職の初動として、最も冷静かつ効果的なアプローチです。理由は以下の通りです。
- 感情的な対応の回避: 突然のネガティブな報告に対し、即座に反応すると感情的になりがちです。一度時間をおくことで、冷静に状況を分析し、論理的な対話の準備をすることができます。
- 準備の重要性: 面談の前に、客観的な事実(担当業務、プロジェクト進捗、最近の評価など)を確認することは極めて重要です。これにより、場当たり的な慰留ではなく、具体的なデータを基にした建設的な話し合いが可能になります。例えば、業務負荷が原因であれば、具体的な対策を提示できるかもしれません。
- 本人への配慮と誠実な姿勢: 「確認した」という事実と「具体的な面談日時」を速やかに提示することで、話を無視しているわけではなく、真摯に受け止めているというメッセージを相手に伝えることができます。これにより、部下の不安を和らげ、信頼関係を維持することに繋がります。
他の選択肢の問題点:
- 選択肢A: 準備不足のまま面談に臨むことになり、効果的なヒアリングや慰留ができない可能性が高いです。感情的な引き留めは、かえって相手の決意を固めさせてしまうリスクもあります。
- 選択肢C: 直属の部下からの重要な相談を、まず本人の話を聞く前に上司に報告するのは、部下との信頼関係を著しく損なう行為です。「自分は信頼されていない」と部下に感じさせてしまいます。まずは当事者の話を直接聞き、自分の考えをまとめた上で上司に報告・相談するのが管理職としての筋道です。
重要度:高 / 緊急度:高
重要度: 高 / 緊急度: 高
- 重要度(高)の理由:
鈴木さんは新ブランドの主担当を任されるなど、チームの中核を担う人材であることが伺えます。彼の退職は、①担当プロジェクトの遅延・品質低下、②チーム全体の士気低下、③彼が持つノウハウやナレッジの逸失といった多大な影響を組織に与える可能性があります。したがって、この案件は組織運営上の重要度が非常に高いと判断されます。 - 緊急度(高)の理由:
退職の意思表示という「コト」が既に発生しており、対応を先延ばしにすれば、慰留の可能性が失われたり、本人との関係が悪化する恐れがあります。また、1ヶ月強という短い期間での引き継ぎを確実に完了させるためにも、初動(=まず何をすべきか)を迅速に決定し、実行に移す必要があります。「今すぐ全てを解決する」必要はありませんが、「本日中に最初の適切なアクションを起こすべき」という意味で緊急度は高いと言えます。
管理職として部下からの突然の退職申し出に直面した際の、基本的な心構えと行動原則は以下の通りです。
マインドセット
- ①まずは冷静に受け止める: 驚き、失望、怒りといった感情が湧くのは自然ですが、それを表情や態度に出してはいけません。「そうか、話してくれてありがとう」と、まずは事実と相手の行動を受け止める姿勢が重要です。
- ②傾聴に徹する: 面談では、まず本人の話を遮らずに最後まで聞く「傾聴」が基本です。なぜ退職を考えたのか、その背景にある事実と考えを丁寧にヒアリングします。決して詰問したり、頭ごなしに否定したりしてはいけません。
- ③退職は本人の権利と心得る: 会社は社員を選ぶ権利がありますが、社員にも職業選択の自由があります。退職は本人の権利であり、引き留めはあくまで「会社からのオファー(お願い)」です。この前提を忘れると、傲慢な態度になりがちです。
アセスメントで加点されやすい行動原則
- 組織的視点を持つ: 「辞められては困る」という個人的・感情的な視点だけでなく、「彼の退職がチームやプロジェクトに与える影響は何か」「そのリスクをどうヘッジするか」という組織的な視点で思考し、行動することが求められます。
- 複数のシナリオを想定する: 「慰留が成功した場合」と「退職が確定した場合」の両方のシナリオを想定し、後者の場合の引き継ぎプラン、人員の再配置、採用計画の必要性などを考え始める、リスクマネジメントの視点が高く評価されます。
- 報告・連絡・相談の適切な順序: まずは当事者である部下と向き合い、一次情報を得て自分の考えをまとめる。その上で、上司に「事実」と「自分の見解・対応方針案」をセットで報告・相談する、という主体的なプロセスが管理職には不可欠です。

