あなたは協和エレベーターサービス株式会社 営業部 第一課長 登場太郎です。今まさに勤務時間開始直後、午前9:00です。本日は午前9:30から緊急の部門長会議が予定されており、それまでに重要なメールを確認し、必要な初動対応を完了させる必要があります。
貴社では数年前から働き方改革が推進されており、特に労働時間管理には人事総務部が厳しく目を光らせています。サービス残業は会社として厳禁とされており、違反した場合は管理職の責任も問われることになっています。
未読メールが数件届いていますが、まず目に留まったのは人事総務部からの重要メールです。内容をよく確認し、管理職として最も適切と思われる行動を一つ選択してください。
差出人: 人事総務部 担当次郎
宛先: 営業部 第一課長 登場太郎
日時: 20XX年4月1日 08:55
件名: 【重要】サービス残業に関するご報告とご対応のお願い
登場課長
いつもお世話になっております。人事総務部の担当です。
標題の件、緊急のご連絡となります。
昨日、弊部署の匿名投書箱に「営業部第一課の一部社員が恒常的にサービス残業を行っている」との報告がありました。特定の個人名は挙げられていないものの、記載された状況から、貴課の田中一郎社員を示唆する内容となっています。
田中社員は、自己申告では常に定時退社を記録していますが、最近、終業時間後もオフィスに残っている姿が目撃されているとの補足情報も添えられています。
ご存じの通り、当社はサービス残業を厳禁しており、労働基準法遵守の観点からも、労働時間管理の徹底は最も重要な課題の一つです。
つきましては、登場課長におかれましては、本件について速やかに事実確認と是正対応をお願いいたします。恐れ入りますが、本日中に一次報告を頂きたく存じます。
ご多忙の折、大変恐縮ですが、ご対応のほど何卒よろしくお願い申し上げます。
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人事総務部
担当次郎
内線:XXXX
回答と解説を見る
正解:A
選択肢Aがベストです。
選択肢Aが最も優れています。
- 人事総務部への迅速な対応:「承知しました。本日中に進めます」と返信することで、人事総務部からの要請に対し、迅速かつ責任ある姿勢を示すことができます。これにより、社内連携の評価が高まります。
- 客観的な事実確認の徹底:匿名報告という不確かな情報のみで、直ちに特定の社員を問い詰めるのは避けるべきです。情報収集(同僚や上長からのヒアリング、勤怠記録の確認)を行うことで、感情論に流されず、客観的な事実に基づいて判断する準備ができます。これは、後の対応の正当性を担保し、無用なトラブルを避ける上で不可欠です。
- 社員への配慮と公平性:匿名報告の信憑性をすぐに鵜呑みにせず、慎重に情報収集する姿勢は、社員の心理的安全性を守り、課長としての公平なマネジメント姿勢を示すことにつながります。安易な直接的な問い詰めは、もし事実でなかった場合にハラスメントと受け取られたり、社員の信頼を失ったりするリスクがあります。
- 組織的リスクの管理:サービス残業は法的なリスクを伴います。事実確認を怠らず、適切なプロセスを踏んで対応することで、会社全体のコンプライアンス維持に貢献し、将来的な法的トラブルを防ぐことができます。
選択肢Cは、事実確認が不十分なまま直接的な行動に出るため、無用な軋轢を生んだり、誤解を招いたりするリスクが高く不適切です。選択肢Bは、全社的な注意喚起は重要ですが、特定の匿名報告への具体的な対応としては不十分であり、問題の根本解決には至りません。
重要度:高 / 緊急度:中
重要度:高
- 理由:サービス残業は労働基準法違反にあたる可能性があり、発覚すれば企業の法的リスク(労働基準監督署からの指導、損害賠償請求など)、企業イメージの毀損、そして社員の士気低下に直結する重大な問題です。管理職として看過できない案件であり、最優先で対応を検討すべきです。
緊急度:中
- 理由:人事総務部から「本日中に一次報告」を求められているため、迅速な情報収集と報告が必要であり、放置はできません。しかし、拙速な対応は事態を悪化させる可能性があるため、感情的に即座に解決を図るのではなく、慎重な事実確認と対応プロセスの構築に時間を要します。よって、即刻解決を要する「高」ではなく、「中」と判断されます。
労務トラブル案件に管理職として直面した際、最も重要なのは感情的にならず、客観的な事実に基づいた冷静な判断を行うことです。
- 早期発見・早期対応の意識:問題の芽を早期に摘むことが、トラブルの拡大を防ぎます。今回のように人事総務部からの情報提供があった際は、迅速に状況を把握し、初動を行うことが求められます。
- コンプライアンス意識の徹底:労働基準法などの法令遵守は管理職の基本的な責務です。サービス残業は法的なリスクが高い問題であることを常に念頭に置き、自社の規程と照らし合わせて対応方針を決定します。
- 多角的な情報収集と証拠保全:安易に特定個人の主張を鵜呑みにせず、関連部署(人事、法務など)との連携、複数の関係者からのヒアリング、客観的なデータ(勤怠記録、業務日報など)の確認を通じて、事実関係を正確に把握することが不可欠です。
- 社員への配慮と信頼関係:問題対応の過程で、社員の心理的安全性に配慮し、不必要な不信感や不安を与えないよう、コミュニケーションには細心の注意を払います。特に匿名情報の場合、情報源の秘匿は重要です。
- 再発防止策の検討:目の前の問題解決だけでなく、なぜそのような事態が起きたのかを分析し、組織全体の課題として再発防止策(業務量、人員配置、教育体制など)を検討・実行する視点も重要です。
アセスメント試験では、このような状況下で、焦らず、しかし迅速に、かつ組織全体のリスクと社員の双方に配慮したバランスの取れた判断ができるかどうかが評価されます。

