【組織改編Lv4】新規事業と組織再編、管理職の診断

【組織改編Lv4】新規事業と組織再編、管理職の診断 インバスケット演習

あなたは株式会社ネクストフロンティア、デジタルソリューション事業部 第2開発部 企画推進課の課長「田中 健太」です。

当社は、次世代ビジネスの柱として、「AI駆動型データ分析プラットフォーム『アナリティクス・コア』」事業を立ち上げました。これに伴い、あなたの部署は新事業推進の中心組織として再編されることになりました。具体的には、既存の「プロダクト開発課」と「データサイエンス課」の一部メンバーが企画推進課に合流し、新体制で「アナリティクス・コア」の企画・開発を推進します。

本日の午前中、部長から新体制における企画推進課の最終的な人員配置案と、各メンバーへの役割分担に関するあなたの意見を「今日の終業時間までに提出すること」を指示されました。課長であるあなたには、新チームを円滑に立ち上げ、目標達成に向けて迅速に推進する責任があります。

しかし、既存業務の引き継ぎ問題、新旧メンバー間のスキルギャップ、異動に対するメンバーの不安など、複数の課題が山積しています。あなたのデスクには、本日未読のメールが複数届いています。

【制限時間:5分】
あなたは、これらのメールを迅速に確認し、取るべき最適な行動を選択してください。

【未読メール一覧】

  • From: 鈴木 浩一 (デジタルソリューション事業部長)
  • To: 田中 健太 (企画推進課長)
  • Date: 20XX/07/22 09:30
  • Subject: 【重要】新企画推進課 人員配置の最終調整について

田中課長。

「アナリティクス・コア」事業推進のための新企画推進課の人員配置案について、最終調整をお願いします。先週お渡しした構成案をベースに、貴課の意見を反映させ、本日終業時間までに最終案を提出してください。

新事業の成否は、このチームの早期立ち上げにかかっています。適材適所の配置と、各メンバーのモチベーション維持に最大限配慮した上で、迅速な意思決定を期待しています。

鈴木


  • From: 佐藤 翼 (プロダクト開発課 メンバー)
  • To: 田中 健太 (企画推進課長)
  • Date: 20XX/07/22 10:15
  • Subject: 異動に関するご相談 (佐藤 翼)

田中課長、お疲れ様です。

「アナリティクス・コア」事業への異動の内示、ありがとうございます。新しい挑戦に意欲はありますが、正直なところ不安も感じています。特に、私はこれまでの業務で主にバックエンド開発を担当しており、企画業務の経験はほとんどありません。新しい役割で貢献できるか心配です。

また、現在担当している既存プロダクトのバグ修正プロジェクトが山場を迎えており、来週末にはリリース予定です。引き継ぎをどう進めるべきか、ご指示いただけると幸いです。

佐藤 翼


  • From: 山田 花子 (データサイエンス課 メンバー)
  • To: 田中 健太 (企画推進課長)
  • Date: 20XX/07/22 11:00
  • Subject: 新事業への参画について (山田 花子)

田中課長。

新企画推進課への異動、承知いたしました。私はこれまでデータ分析モデルの構築に携わってきましたが、新しい事業では、より顧客視点でのデータ活用提案が求められると理解しています。非常にやりがいを感じております。

一方で、データサイエンス課で推進中の「顧客行動予測AIモデル」のPoCが進行中です。私の担当範囲も広く、このままでは新業務との兼務は難しい状況です。PoCは今月末に経営層への報告を控えており、引き継ぎ先と今後の進め方について、早急にご相談したいです。

山田 花子


  • From: 広報部 部長 山口 恵子
  • To: 田中 健太 (企画推進課長)
  • Date: 20XX/07/22 11:30
  • Subject: 「アナリティクス・コア」事業 広報戦略会議への参加者アサイン依頼

田中課長。

「アナリティクス・コア」のローンチに向けた広報戦略会議を来週木曜日に開催します。貴課から、事業内容に精通し、広報戦略に積極的に貢献できるメンバーを一名、会議にアサインいただけますでしょうか。

初回会議には、事業の全体像を説明できる方のご参加が不可欠です。ご多忙のところ恐縮ですが、明日中にはご返答いただけますと幸いです。

山口

A

直ちに部長に、人員構成案をほぼ承認する旨のメールを返信する。個別のメンバーからの懸念や相談については、チーム発足後に時間を設けて個別面談で対応する。
B

今日の午後一番に、企画推進課に異動する全メンバーを緊急招集し、新組織のビジョンを説明する。その場で各メンバーの意向とスキル、既存業務の状況をヒアリングし、その結果を踏まえて人員配置案を修正し、部長に提出する。
C

部長への最終案提出期限までに、佐藤、山田両名を含む主要メンバー数名と個別に短時間で面談を実施し、彼らのスキルセット、キャリア志向、既存業務の進捗と引き継ぎに関する具体的な懸念を聴取する。その情報を基に、部長への人員配置案の修正要望と、広報戦略会議への参加候補者を提案する。
回答と解説を見る

正解:C

選択肢Cがベストです。

この状況下で、管理職に求められるのは、単なるタスク処理ではなく、組織運営と人材マネジメントの視点に立った、迅速かつ慎重な意思決定です。選択肢Cが最も優れている理由は以下の通りです。

  • 個別ヒアリングによる「適材適所」の実現とモチベーション維持: 組織改編はメンバーのキャリアとモチベーションに直結する重要事項です。佐藤さんや山田さんのように、スキル面や既存業務で不安を抱えているメンバーの声を無視しては、新チームの士気低下やパフォーマンス低下を招くリスクがあります。個別の短時間ヒアリングは、メンバーのスキル、経験、キャリア志向、不安要素を正確に把握し、最適な人員配置(デリゲーション)を行う上で不可欠です。これにより、メンバーの納得感を醸成し、新組織へのエンゲージメントを高めることができます。
  • リスクの早期発見と対応: 佐藤さんの既存プロダクトのバグ修正、山田さんのPoCなど、既存業務の「抜け漏れ」は事業全体のリスクです。ヒアリングを通じてこれらの現状を把握することで、適切な引き継ぎ策を講じたり、一時的な業務調整を検討したりすることが可能になります。これにより、既存事業への悪影響を最小限に抑えられます。
  • 情報に基づいた「部長への提言」: 部長からの指示は「最終調整」であり、現場の課長として最も有効な案を提示することが期待されています。現場のメンバーから直接得た具体的な情報に基づいた提案は、単なる承認よりもはるかに説得力があり、部長の意思決定を支援することになります。また、広報部からの依頼に対しても、ヒアリングで得た情報を元に、新事業の全体像を説明でき、かつ調整が可能なメンバーを候補として提案できるため、一石二鳥です。
  • デリゲーションの機会特定: ヒアリングを通じて、どのメンバーにどのような権限や業務を委譲できるか、そのためにどのような支援が必要かを具体的に検討する材料が得られます。これは、単なる業務の割り振りではなく、メンバーの成長を促すデリゲーションの第一歩となります。

確かに時間は限られていますが、この段階での適切な情報収集と個別ケアは、後々の大きなトラブルや手戻りを防ぎ、新チームの成功確率を格段に高めるための「投資」と考えるべきです。

重要度:高 / 緊急度:高

【重要度:高、緊急度:高】

この案件は、重要度・緊急度ともに非常に高いと判断されます。

  • 重要度が高い理由:
    今回の組織改編は、会社の次世代ビジネスの柱となる新規事業「アナリティクス・コア」の成否を左右するものです。人員配置は、チームのパフォーマンス、メンバーのモチベーション、そして各個人のキャリアパスに直接影響を与えます。デリゲーションの成否も、事業の効率性と人材育成に大きく関わるため、戦略的な重要性が非常に高いと言えます。不適切な配置やマネジメントは、事業の遅延やメンバーの離反に繋がりかねません。
  • 緊急度が高い理由:
    部長からは「本日終業時間まで」という明確な提出期限が設けられています。また、既存業務の引き継ぎに関するメンバーからの相談(佐藤、山田のメール)や、他部署からの連携依頼(広報部のメール)にも早急な対応が求められており、これらを放置すれば、既存事業への影響や他部署との連携遅延に繋がり、事業全体の進捗に悪影響を及ぼす可能性があります。限られた時間の中で、最も効果的なアクションを迅速に選択し、実行に移す必要があります。

「緊急度・重要度ともに高」の案件は、リーダーが最優先で自ら情報収集し、判断を下し、必要なアクションを指示・実行するべき案件です。

組織改編や人員配置、デリゲーションといった案件に管理職として直面する際、以下のマインドセットと行動原則を意識することが、アセスメント試験で高く評価されるポイントとなります。

  • 「目的」と「目標」の明確化: 単に業務を割り振るだけでなく、そのデリゲーションが「何のために」行われるのか、最終的に「どのような状態を目指すのか」を明確に言語化し、メンバーと共有する意識が重要です。今回のケースでは、新事業の成功とメンバーの成長という二つの目的があります。
  • 状況把握と情報収集の徹底: 表面的な情報だけでなく、関係者の背景(スキル、経験、キャリア志向、不安要素)や、関連する業務の現状(進捗、リスク)を深く理解しようとする姿勢が不可欠です。限られた時間でも、優先順位をつけて必要な情報を効率的に集める能力が求められます。
  • デリゲーションは「丸投げ」ではない: 業務を任せることは、部下に成長の機会を与えることでもあります。そのためには、適切な権限委譲と共に、必要な支援、情報提供、進捗確認の仕組みをセットで考える必要があります。メンバーのスキルレベルを見極め、適切なデリゲーションを行うことで、チーム全体の生産性を最大化できます。
  • 変化への適応とリスクマネジメント: 組織改編期は、予期せぬ問題が発生しやすい時期です。メンバーの不安や既存業務の停滞など、潜在的なリスクを早期に察知し、それに対する具体的な対策を講じる計画性も重要です。
  • コミュニケーションの質と量: 不安を抱えるメンバーに対しては、一方的な指示ではなく、対話を通じて彼らの声に耳を傾け、共感し、具体的な解決策を共に考える姿勢が求められます。また、上長や他部署との連携においても、明確かつ建設的なコミュニケーションが不可欠です。
  • 優先順位付けと意思決定のスピード: 複数の案件が同時に発生する中で、何が最も重要で緊急性が高いのかを見極め、限られた時間内で最善の判断を下す能力は、管理職の生命線です。完璧を求めすぎず、ベターな選択肢を迅速に実行に移すバランス感覚が問われます。

今回の問題では、個々のメンバーに対する配慮と、組織全体のパフォーマンス向上、そしてリスク管理をバランスよく考慮した上で、最も効果的な最初の一歩を踏み出せるかが評価の鍵となります。

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