【納期遅延Lv2】部下からの納期遅延報告への初動対応力

【納期遅延Lv2】部下からの納期遅延報告への初動対応力 インバスケット演習

あなたは、総合商社「株式会社グローバルトレードパートナーズ」のITソリューション事業部、システム開発2課の課長に就任したばかりの田中 誠です。

あなたの課は、クライアント向けの業務システム開発を担当しています。メンバーは中堅社員が多く、それぞれが自律的に業務を進めていますが、一方でチーム内の密な情報共有や、問題発生時の早期報告に課題があると感じています。

本日は午前中に半休を取得し、午後1時に出社しました。デスクに着くと、1時間後の午後2時から部長への週次定例報告が控えていることに気づきました。それまでにメールをチェックし、急ぎの案件については3分程度で対応方針を決定する必要があります。

差出人: 鈴木 健太 <k.suzuki@global-tp.co.jp>
日時: 20XX年10月27日 11:30
宛先: 田中 誠 課長 <m.tanaka@global-tp.co.jp>
件名: 【ご報告】X社向けCRMシステム改修プロジェクトの件


田中課長

お疲れ様です。
システム開発2課の鈴木です。

表題の件、私が担当しております追加機能「顧客データ分析モジュール」の開発についてご報告いたします。

現在、外部システムとの連携テストにおいて想定外のエラーが断続的に発生しており、原因の特定に時間を要しております。
この状況が続きますと、来週金曜日に予定しております結合テストフェーズへの移行が、現時点で3営業日ほど遅延する可能性が高いです。

チーム内で原因究明と対応策の検討を進めておりますが、まずは状況をご報告いたします。
進捗があり次第、改めてご連絡いたします。

取り急ぎ、ご報告まで。

よろしくお願いいたします。

—
鈴木 健太
株式会社グローバルトレードパートナーズ
ITソリューション事業部 システム開発2課

A

まずチャットで鈴木さんに「報告ありがとう。5分だけ話せますか?」と声をかけ、問題の深刻度と顧客への影響を口頭で確認し、午後の部長定例で報告すべきか判断する。
B

すぐに鈴木さんを自席に呼び、エラーの技術的な詳細、試したこと、原因の仮説について徹底的にヒアリングし、解決に向けた具体的な技術的指示を出す。
C

メールで「承知しました。原因と対策案、リカバリープランを本日17時までに文書でまとめて報告してください」と返信し、部下の主体的な問題解決を促す。
回答と解説を見る

正解:A

選択肢Aがベストです。

選択肢Aがベスト

この選択肢が最も優れている理由は、管理職として必要な「迅速な状況把握」「適切な情報判断」「組織的な対応」の3つの要素をバランス良く満たしているからです。

  • 迅速な状況把握: メールだけでは分からない問題の深刻度や温度感を、5分という短時間の対話で効率的に把握しようとする姿勢が適切です。これにより、過剰に介入することも、問題を軽視することもなく、的確な初動を取ることができます。
  • 適切な情報判断: 確認した情報をもとに、「部長へ報告すべきか」という上位への情報連携の判断軸を持っている点が管理職として重要です。全ての情報を上げるのではなく、重要度を見極めて報告する能力が問われます。
  • 組織的な対応: まずは状況を把握し、その上で鈴木さん個人に任せるのか、チームで対応するのか、あるいは他部署も巻き込むのかといった、組織としての次のアクションを決定する起点となる行動です。選択肢Bのように課長がプレイヤーとして直接解決しようとしたり、選択肢Cのように部下に丸投げしたりするのではなく、マネージャーとして最適なリソース配分を考えるための第一歩と言えます。

重要度:高 / 緊急度:高

この案件は「重要度:高」「緊急度:高」に位置づけられます。

  • 重要度(高): 顧客向けのプロジェクトであり、納期遅延は顧客満足度の低下や契約上の問題に直結する可能性があります。また、後続のテスト工程やプロジェクト全体に影響を及ぼすため、事業上のインパクトは大きいと判断すべきです。
  • 緊急度(高): 1時間後には部長への定例報告が控えており、そこで報告すべきか否かの判断を迫られています。また、問題解決の初動が遅れれば遅れるほど、リカバリーが困難になるため、即時の対応が求められます。放置すれば状況が悪化する可能性が高い案件です。

したがって、この案件は他のタスクより優先して、すぐに対応方針を決定する必要があります。

納期遅延や進捗遅れの問題は、管理職が日常的に直面する典型的な課題です。アセスメントでは、以下のポイントを意識した行動が高く評価されます。

  • 1. 報告者を労い、心理的安全性を確保する:
    部下が勇気を出して「悪い報告」をしてきた際、まず「報告ありがとう」と受け止める姿勢が極めて重要です。ここで部下を詰問すると、今後は問題が隠蔽され、より深刻な事態を招きます。報告しやすい雰囲気を作ることが、リスクマネジメントの第一歩です。
  • 2. 事実と意見を切り分けて状況を把握する:
    「何が起きているのか(事実)」「担当者はどう考えているのか(意見/仮説)」「それによって誰にどんな影響があるのか(影響範囲)」を冷静に切り分けてヒアリングすることが重要です。特に「影響範囲」を特定する質問は、問題の重要度を測る上で不可欠です。
  • 3. 一人で抱え込まず、組織で対応する意識を持つ:
    「自分が解決する」というプレイヤー目線ではなく、「誰を巻き込めば最も効率的に解決できるか」というマネージャー目線で思考することが求められます。関係者(プロジェクトリーダー、他部署、営業担当など)への迅速な情報共有や、対応策の検討会議の設定など、組織を動かすアクションを具体的に指示できると高評価に繋がります。
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