あなたは、ITソリューション企業「ネクストリーム株式会社」のソリューション営業部 第2課の課長です。昨日付けで課長に着任したばかりで、前任者からの引き継ぎは十分ではありません。
あなたの課は、あなたを含めて5名の少数精鋭チーム。現在、全社的に注目されている大型案件「プロジェクト・オリオン」を推進中で、来月末に重要な納品を控えています。
今日は金曜日の朝。これから山積みのタスクを処理しようとしたところ、1通の未読メールに気づきました。なお、直属の上司である佐藤部長は海外出張中で、来週月曜まで直接の連絡は取りにくい状況です。
【制限時間】
あなたは3分で20案件を処理する必要があります。これはその中の1案件です。
差出人: 田中 誠 <m.tanaka@nextreme.co.jp>
日時: 20XX年10月27日(金) 09:15
件名: 【ご相談】今後のキャリアについて
〇〇課長
おはようございます。第2課の田中です。
着任早々の大変お忙しい中、誠に申し訳ございません。
私事で恐縮ですが、今後の自身のキャリアについてご相談したいことがあり、ご連絡いたしました。
実は、一身上の都合により、退職を考えております。
つきましては、本日中に少しだけお時間をいただくことは可能でしょうか。
詳細は直接お話しさせていただけますと幸いです。
ご多忙の折とは存じますが、ご検討のほど、よろしくお願い申し上げます。
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田中 誠
ソリューション営業部 第2課
ネクストリーム株式会社
回答と解説を見る
正解:C
選択肢Cがベストです。
選択肢Cがベスト
このケースにおける管理職の最初の行動として、最も重要なのは「傾聴と事実確認」です。
- 信頼関係の構築: 着任したばかりのあなたが、メンバーからのデリケートな相談に真摯に向き合う姿勢を示すことは、今後のチームマネジメントにおいて極めて重要です。選択肢AやCのような対応は、本人の感情を逆撫でし、「この上司は話を聞いてくれない」という不信感を与え、退職の意思を固めさせてしまうリスクがあります。
- 問題の本質把握: 退職の理由は「一身上の都合」としか書かれていません。その背景には、待遇、業務内容、人間関係、あるいは会社や業界の将来性など、様々な要因が考えられます。まずは本人の口から直接、丁寧に話を聞き、問題の本質を把握することが、あらゆる対策の第一歩となります。この情報を得ずに業務の引き継ぎ(選択肢B)や形式的な手続き(選択肢A)を進めるのは、順序が逆です。
- 状況のコントロール: 迅速に面談を設定し、オープンな対話の場を設けることで、あなたが状況をコントロールする第一歩を踏み出せます。問題を先延ばしにしたり、一方的な指示を出したりすることは、事態をより複雑化させるだけです。
業務への影響や上司への報告ももちろん重要ですが、それらは本人の意思と理由を確認した「後」に行うべきアクションです。まずは当事者と向き合うことが、管理職としての責務です。
重要度:高 / 緊急度:高
この案件の重要度と緊急度は以下の通りです。
- 重要度: 高
若手エースの退職は、チームの戦力ダウンに直結するだけでなく、「プロジェクト・オリオン」の進捗にも深刻な影響を及ぼす可能性があります。また、彼の退職が他のメンバーの士気に与える影響も無視できません。退職理由によっては、チームや会社が抱える潜在的な問題が隠れている可能性もあり、その特定と対策は組織にとって非常に重要です。 - 緊急度: 高
本人から「本日中」に時間を取ってほしいという明確な要望が出ています。この申し出に迅速に応えなければ、彼の不信感を増大させ、退職の意思を不可逆的なものにしてしまう恐れがあります。また、彼が既に他社から内定を得ている場合など、対応が遅れるほど引き留めや円満な引き継ぎが困難になります。初期対応のスピードが、今後の展開を大きく左右します。
管理職として、部下からの突然の退職申し出は避けて通れない重要な局面です。アセスメント試験では、以下の観点からあなたの対応が評価されます。
マインドセット
- 「引き留め」ではなく「課題解決」と捉える: 最初の目的を「何としてでも引き留めること」に設定してはいけません。まずは「本人がなぜその決断に至ったのか」という課題を正確に把握し、その上で「本人と組織にとって最善の着地点はどこか」を考える課題解決のアプローチが求められます。
- 感情的にならない: 「裏切られた」「この忙しい時期に」といった感情は一旦脇に置き、プロフェッショナルとして冷静に対応することが重要です。あなたの感情的な反応は、対話を閉ざしてしまいます。
- 個人のキャリアの尊重: 退職は、本人の人生における重要なキャリア選択です。その意思を尊重する姿勢を基本とし、その上で組織としてできることを探るというスタンスが信頼関係を築きます。
加点されやすい行動原則
- 迅速な初期対応: 相談を受けたら、可能な限り早く1対1で話せる時間と場所を確保する。メール一本で「わかった、時間を調整しよう」と伝えるだけでも、相手に安心感を与えます。
- 傾聴と共感: 面談では、まず相手の話を遮らずに最後まで聞く「傾聴」に徹します。そして、彼がそう考えるに至った背景や気持ちに「共感」を示しましょう(同意する必要はありません)。
- 事実確認と情報収集: 退職の意思の固さ、理由、今後の希望(希望退職日など)を具体的に確認します。退職理由が組織に起因するものであれば、それは貴重な改善情報となります。
- 安易な約束をしない: その場で「給与を上げる」「希望の部署に異動させる」といった、権限を越える安易な約束は絶対にしてはいけません。あくまで「課長としてできる限りのことを考えたい」というスタンスに留めます。
まずは相手と向き合い、情報を集め、その上で組織的な対応(上司への報告、人事部との連携、後任の検討など)を計画的に進める。この一連のプロセスを冷静かつ論理的に実行できるかが、管理職としての資質を測る上で重要なポイントとなります。

