あなたは、ITソリューション企業「株式会社ネクストビジョン・ソリューションズ」の営業第2課で課長を務めています。
あなたのチームは7名で構成されており、現在、四半期末の追い込みで非常に忙しい状況です。
本日は月曜日の朝。あなたは午後から、今期最も重要な契約となる可能性のある大手顧客との最終商談を控えており、その準備に追われています。
これから、制限時間3分で溜まった未処理案件をこなさなければなりません。
出社してPCを開くと、以下のメールが届いていました。
差出人: 鈴木 誠 <m.suzuki@nextvision.co.jp>
日時: 20XX年10月30日(月) 9:05
件名: 【重要・ご相談】今後のキャリアについて
高橋課長
おはようございます。営業2課の鈴木です。
朝早くに、また突然のご連絡で大変申し訳ありません。
表題の件、今後の自身のキャリアについて考えた結果、一身上の都合により、来月末の11月30日をもちまして退職させていただきたく、ご相談させていただけますでしょうか。
詳細については、直接お話しさせていただきたく存じます。
大変恐縮ですが、本日のどこかで15分ほどお時間をいただくことは可能でしょうか。
お忙しいところ申し訳ありませんが、ご検討のほど、よろしくお願いいたします。
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株式会社ネクストビジョン・ソリューションズ
営業本部 営業第2課
鈴木 誠
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回答と解説を見る
正解:C
選択肢Cがベストです。
選択肢Cがベスト
この状況における管理職の初動として、最も重要なのは「部下の意思を尊重し、信頼関係を維持しながら正確な情報を収集すること」です。
- 傾聴の重要性:
部下が退職という大きな決断を伝える際には、相当な覚悟と勇気が必要です。その気持ちをまず受け止め、なぜその決断に至ったのか、その背景にある事実や感情を丁寧に聞くことが最優先です。ここでいきなり慰留(選択肢A)や事務手続き(選択肢B)の話を始めると、部下は「自分の話を聞いてもらえない」と感じ、本音を話さなくなってしまいます。 - 情報収集の優先:
慰留や後任選定といった具体的なアクションは、退職理由、本人の意思の固さ、転職先は決まっているのかといった正確な情報があって初めて有効になります。まずはフラットな状態で情報を集めることに徹するべきです。 - 信頼関係の維持:
たとえ退職するとしても、最後まで上司・部下としての信頼関係を維持することは管理職の重要な責務です。誠実な対応は、円満な退職とスムーズな業務引き継ぎにつながり、チームの士気低下を最小限に抑えることにも貢献します。
選択肢Aは感情的で、会社の都合を優先している印象を与えかねません。選択肢Bはあまりに事務的で、部下の気持ちを軽視していると受け取られるリスクが高い選択肢です。したがって、まずは相手の話を真摯に聞く姿勢を示す選択肢Cが、最も優れた判断と言えます。
重要度:高 / 緊急度:高
重要度: 高 / 緊急度: 高
- 重要度(高)の理由:
メールの差出人である鈴木さんは、文面からは分かりませんが、将来有望な若手社員である可能性があります(インバスケット問題では、登場人物の背景をポジティブに仮定して対応を考えることが重要です)。エース級社員の離脱は、チームの業績や士気に直接的な悪影響を及ぼします。また、退職理由によっては、労働環境や評価制度など、チームや部署全体が抱える潜在的な問題が隠れている可能性も考えられます。これを放置すると、他のメンバーの離職につながる「連鎖退職」のリスクもあるため、極めて重要度の高い案件です。 - 緊急度(高)の理由:
本人が「本日中」と面談を希望しており、迅速な対応が求められています。対応を後回しにすると、部下に「軽視されている」という不信感を与え、意思がより固まってしまう可能性があります。また、慰留の可能性を探るにせよ、円満な退職プロセスと後任者への引き継ぎ準備を進めるにせよ、初動が早ければ早いほど、その後の選択肢が広がります。午後に重要な商談があったとしても、その前に必ず時間を確保すべき案件です。
管理職として、部下からの突然の退職申し出は避けて通れないテーマです。アセスメント試験では、以下のマインドセットと行動原則が評価されます。
持つべきマインドセット
- 退職は「裏切り」ではない:
部下の退職を、個人的な裏切りや自身のマネジメントの失敗とだけ捉えるのは避けましょう。個人のキャリア選択の自由を尊重し、まずは冷静に事実を受け止める姿勢が重要です。 - 「傾聴」が全ての出発点:
管理職は問題解決や指示をしたくなるものですが、この場面ではまず「聞くこと」に徹してください。「なぜ、そう思うようになったの?」と、評価や判断を挟まずに背景を深掘りすることが、本音を引き出し、最適な解決策を見つけるための第一歩です。 - 組織の代表としての視点:
個人的な感情(残念だ、引き止めたい)と、組織の代表として取るべき行動(情報収集、人事部との連携、引き継ぎ計画)を冷静に切り分けて考えましょう。
アセスメントで加点されやすい行動
- 迅速な時間確保:
「後で」ではなく、「すぐ話そう。10分後に会議室で」のように、他の業務より優先して時間を作る姿勢を示すことは、相手への誠意として高く評価されます。 - クローズドな環境の提供:
自席やオープンスペースではなく、必ず会議室など他の人に話が聞こえない場所を設定する配慮は、信頼関係を築く上で不可欠です。 - 次のステップの明示:
一度話を聞いた後、「今日の話を踏まえて、私の方で人事に相談できることがないか確認してみる。明日また改めて時間を取って話そう」など、次のアクションを具体的に示すことで、部下に安心感を与え、事態を放置しないという意思表示になります。

