あなたは「株式会社アクシスソリューションズ」営業第二部の課長、田中健一です。
あなたの会社はITシステム開発・保守を主事業としており、近年はSaaS型サービスにも注力しています。
現在、あなたは顧客との大型新規プロジェクト「X-プロジェクト」を推進しており、部全体でその成功に向けて邁進している最中です。
本日、部長の佐藤は終日社外での重要会議に出席しており、連絡がつきにくい状況です。あなたは午前中、通常業務をこなしていました。
午後の会議が始まるまでの4分間、あなたは自身のデスクで未処理のメールをチェックしています。この短い時間で、あなたのマネジメント能力が問われる状況に直面しました。
あなたは以下のメールを読み、最も適切と思われる行動を1つ選択してください。
差出人: 佐藤 宏(営業第二部 部長)
日時: 20XX/07/25 10:30
件名: 【至急】SNSに関する件
田中課長
現在、外出中で恐縮だが、緊急で確認してほしい案件がある。
システム部から「社内ネットワークからの不適切なSNS投稿」について連絡が入った。
詳細はこちらも掴んでいないが、かなりデリケートな内容のようだ。コンプライアンス違反の可能性もある。
午後の会議まで時間がないと思うが、手に入る情報で構わないので、至急状況を確認し、可能な限りの初動対応を進めておいてほしい。
続報を待つ。
差出人: 山田 聡(システム部 情報セキュリティ担当)
日時: 20XX/07/25 11:15
件名: 【要確認】社内からのSNS投稿について
田中課長
情報セキュリティ担当の山田です。
本日午前中、外部のモニタリングツールで、匿名アカウントによる不適切なSNS投稿を検知しました。
投稿内容が、現在貴部で進行中の「X-プロジェクト」に関する非公開情報の一部を暗示している可能性があり、社内ネットワークからのアクセスが確認されています。
具体的には、「顧客企業Y社の次期システム、やっぱりアレだな…社外秘だけど匂わせちゃう」といった内容です。
現在、投稿者の特定および投稿内容の詳細解析を進めていますが、ある程度の時間を要します。
この情報が外部に拡散されることのないよう、ご協力をお願いいたします。
差出人: 人事部 広報・コンプライアンスチーム
日時: 20XX/07/24 09:00
件名: 【リマインダー】情報セキュリティ研修とSNS利用に関する注意喚起
社員各位
先日ご案内いたしました情報セキュリティ研修について、再度のリマインダーです。
近年、SNSを起因とする情報漏洩や企業信用の失墜事案が多発しております。当社の情報セキュリティポリシーおよびSNS利用ガイドラインを遵守し、業務上知り得た情報の取り扱いには厳重な注意を払ってください。
詳細はこちらをご覧ください:社内ポータルサイト
回答と解説を見る
正解:B
選択肢Bがベストです。
選択肢Bがベストです。
この状況は「コンプライアンス違反」カテゴリに属し、特に「情報漏洩の疑い」という点で、緊急性および重要性が極めて高い案件です。管理職として、以下の3つの観点から多角的な初動対応が求められます。
- 情報拡散の防止と証拠保全: SNS投稿は瞬時に拡散する特性があるため、まずはその拡散を食い止めることが最優先です。システム部に投稿の保全と削除要請の可否を相談することは、この緊急対応において不可欠です。万が一、法的措置が必要になった場合の証拠保全にも繋がります。
- 上長への迅速な報告: 部長は外出中ですが、「緊急で確認してほしい」との指示が出ており、状況が不明でも速やかに報告を試みるべきです。これにより、組織としての対応を早期に開始でき、自身の責任範囲を超えた判断が必要になった場合に、上層部の支援を仰ぐ基盤を築けます。また、情報共有の遅れは、後の対応をさらに困難にする可能性があります。
- 複数部署との連携の準備: システム部への相談は、技術的な側面からの対応(投稿削除、発信元特定)を可能にします。また、今後の対応によっては、人事部(懲戒処分、社員のケア)、法務部(法的責任)、広報部(対外発表)など、複数部署との連携が不可欠になります。選択肢Bは、これらの連携の第一歩を踏み出す行動と言えます。
選択肢Cは、投稿者特定と事実確認も重要ですが、情報拡散防止の初動対応が遅れるリスクがあります。また、特定が不確実な段階での個人面談は、ハラスメントと受け取られるリスクや、かえって事態を複雑化させる可能性もあります。選択肢Aは、人事部との連携は重要ですが、緊急性が高い情報漏洩の事案において、まず人事部への相談から入ることは、情報拡散の初動対応が遅れることになり、ベストな選択とは言えません。
重要度:高 / 緊急度:高
- 重要度:高
- 顧客企業の機密情報が関わる可能性があり、情報漏洩は企業の信頼性、ブランドイメージ、顧客との関係に甚大な影響を及ぼします。
- コンプライアンス違反であり、社内規定違反だけでなく、不正競争防止法などの法的リスクも潜在します。
- 事態がエスカレートすれば、企業の事業継続性にも影響を与えかねないため、非常に重要です。
- 緊急度:高
- SNS上での情報は瞬時に拡散する性質があり、時間が経てば経つほど被害が拡大する恐れがあります。
- 顧客からの問い合わせやメディアからの指摘など、外部からのアクションがいつ発生してもおかしくない状況です。
- 迅速な初動対応(情報拡散防止、証拠保全、上長報告)が、今後の事態の沈静化および企業へのダメージ最小化に直結します。
本件は、緊急度・重要度ともに「高」の案件であり、管理職として最優先で対処すべき事項です。
管理職としてコンプライアンス違反案件、特に情報漏洩の疑いがある事態に直面した際のマインドセットと、アセスメント試験で加点されやすい行動原則は以下の通りです。
- リスクアセスメントと優先順位付け:
- 問題の緊急性と重要性を正確に評価し、「何が最もリスクが高いか」「何を最優先すべきか」を判断します。情報漏洩は「拡散防止」が最優先であることが多いです。
- 複数の課題が同時に発生した場合でも、冷静に影響度と発生確率を見極め、対処順序を論理的に組み立てる能力が求められます。
- 状況の正確な把握と証拠保全:
- 感情的にならず、客観的な事実に基づいて状況を把握しようと努めます。不確実な情報で行動することは避けるべきです。
- 後々の調査や法的対応に備え、関連する証拠(メール、投稿、システムログなど)を保全する意識が重要です。
- 迅速かつ適切な報告・連絡・相談(報連相):
- 事態の初期段階から、自身の権限範囲を超えると判断した場合は、速やかに上長や関連部署(人事、法務、広報、システムなど)に報告・相談します。
- 「一人で抱え込まない」組織的な問題解決の姿勢を示すことが重要です。特に上長が不在でも、連絡手段を試みる努力は評価されます。
- 組織的対応の意識:
- 個人の責任追及だけでなく、組織全体として再発防止策を検討し、仕組みとして改善していく視点を持つことが求められます。
- 関係部署との円滑な連携を図り、それぞれの専門性を活かした多角的なアプローチを主導する能力が評価されます。
- 冷静かつ倫理的な判断:
- 部下に対する指導においては、公正かつ倫理的な姿勢を保ち、感情的な対応を避けます。安易な懲罰よりも、事実確認と改善・育成に繋げる視点も重要です。
- 企業人としての倫理観、社会規範、そして社内規定を常に意識した判断が求められます。
これらの行動原則は、インバスケット試験だけでなく、実際の管理職業務においても非常に重要な要素となります。

