【突然退職Lv2】中堅社員からの突然の退職申し出にどう対応?

【突然退職Lv2】中堅社員からの突然の退職申し出にどう対応? インバスケット演習

あなたは、中堅ITソリューション企業「ネクストリーム株式会社」のソリューション開発2課の課長です。課長に昇進してまだ3ヶ月、チームメンバーとの信頼関係を構築している最中です。

現在は年度末が迫り、担当している大規模システム開発「プロジェクト・オリオン」が佳境を迎えています。同時に、来期の事業計画策定やメンバーの評価面談の準備にも追われ、非常に多忙な日々を送っています。

これからクライアントとの定例会議のため、1時間ほど外出する予定です。その直前に、以下のメールがあなたの受信ボックスに届きました。あなたは外出前に、この案件への最初の対応を判断し、指示を出さなければなりません。

差出人: 中田 誠 <m.nakata@nextream.co.jp>
日時: 20XX年2月20日(月) 13:30
件名: 【ご相談】今後のキャリアについて


山田課長

お疲れ様です。
ソリューション開発2課の中田です。

突然のご連絡失礼いたします。
今後の自身のキャリアについて熟考を重ねた結果、来月末をもちまして退職させていただきたく、ご連絡いたしました。

理由は一身上の都合となります。

これまで大変お世話になり、このような形でのお知らせとなり大変申し訳ございません。
つきましては、詳しいお話をさせていただきたく、本日か明日、少しだけお時間をいただくことは可能でしょうか。

お忙しいところ恐縮ですが、ご検討のほど、よろしくお願い申し上げます。

—
中田 誠
ソリューション開発2課

A

すぐに中田さんを会議室に呼び、退職理由を詳しくヒアリングする。その上で、待遇改善や担当業務の変更などを提案し、慰留に努める。
B

まずは落ち着いて、中田さんの最近の勤怠データやプロジェクトでのパフォーマンスに関する記録を確認する。その後、本人に「承知しました。今日の16時に面談の時間を設定します」と返信する。
C

すぐに中田さんに「承知しました。後ほど時間を調整して連絡します」とだけ返信する。その後、外出前に直属の上司である事業部長に電話し、状況を報告して対応方針の指示を仰ぐ。
回答と解説を見る

正解:B

選択肢Bがベストです。

選択肢Bがベスト

このケースでは、感情的に即時対応するのではなく、一度冷静になり、客観的な情報を収集・整理した上で本人との対話に臨む選択肢Bが最も優れた判断です。

  • 理由1:冷静かつ客観的な判断の担保
    突然の退職申し出は、マネージャーにとって精神的な動揺を伴うものです。すぐに本人を呼び出してヒアリングを始めると、感情的な議論になりやすく、本質的な課題解決から遠ざかってしまう危険性があります。まずは勤怠やパフォーマンスといった客観的なデータを参照することで、マネージャー自身が冷静さを取り戻し、仮説を持って面談に臨むことができます。
  • 理由2:建設的な対話への準備
    準備なしの面談は、単なる「引き止め交渉」に終始しがちです。事前に彼の最近の状況を把握しておくことで、「最近、残業が続いていたようだけど、何か困っていることはなかったか?」「プロジェクトでの〇〇の貢献は素晴らしかったが、何かやりがいを感じられない点があっただろうか?」など、より具体的で本人の心情に寄り添った質問を投げかけることが可能になります。これが、本音を引き出し、建設的な対話を行うための土台となります。
  • 理由3:本人への配慮と誠実さ
    「今日の16時に」と具体的な時間を提示することは、彼の「話したい」という要望を無視せず、真摯に向き合う姿勢を示すことになります。ただ即座に呼び出すのではなく、マネージャー側も準備をする時間を持つことは、この問題を軽視せず、重要案件として丁寧に対応するというメッセージにも繋がります。

選択肢Aは、スピード感はありますが、準備不足からくる的外れな慰留となり、かえって本人の退職の意思を固めさせてしまうリスクがあります。選択肢Cは、報告の義務は果たしていますが、「本人の話を直接聞く前に上司に報告する」という手順が、当人との信頼関係を損なう可能性があります。まずは当事者である部下と真摯に向き合う姿勢を見せることが、管理職としての第一歩です。

重要度:高 / 緊急度:高

【重要度:高】

  • 中田さんは「プロジェクト・オリオン」の主要メンバーであり、彼の離脱はプロジェクトの進捗に直接的な影響を及ぼす可能性があります。
  • 一人の退職が、特に多忙な時期においては、他のチームメンバーの士気や連鎖退職に繋がるリスクをはらんでいます。
  • 退職の背景に組織的な問題(例:過度な業務負荷、人間関係、評価への不満など)が潜んでいる場合、それを特定し対処しなければ、組織全体の生産性低下に繋がります。

【緊急度:高】

  • 本人から「本日か明日に時間を」と面談の要望が出ており、迅速な対応が求められています。対応を先延ばしにすると、本人は「軽視されている」と感じ、退職の意思をより強固なものにしてしまう可能性があります。
  • 初期対応の速さと質が、その後の慰留交渉や円満な引き継ぎプロセスの成否を大きく左右します。

この案件は「重要度:高、緊急度:高」の領域に位置づけられ、最優先で対応すべき課題です。ただし、緊急度が高いからといって、焦って場当たり的な対応をすることは悪手です。計画的かつ迅速なアクションが求められます。

管理職として、部下からの突然の退職申し出は避けて通れない重要な局面です。アセスメント試験では、以下のマインドセットと行動原則が評価されます。

マインドセット

  • 1. 退職は「裏切り」ではなく「組織課題のシグナル」と捉える
    部下の退職を個人的な裏切りと捉えず、組織やマネジメントに何らかの改善すべき点があったのではないか、というサインとして受け止める視点が重要です。
  • 2. 「引き止め」をゴールにしない
    無理な引き止めは、本人のキャリアを阻害し、最終的に組織にとってもマイナスになります。本人のキャリアプランを尊重し、その上で組織として提供できる選択肢がないかを共に探る「対話」の姿勢が求められます。ゴールは「本人と組織の双方にとっての最適解を見つけること」です。
  • 3. まずは冷静に受け止める
    驚きや落胆といった感情を一旦脇に置き、マネージャーとして冷静に事実を受け止めることが全ての始まりです。感情的な言動は、信頼関係を決定的に損なう可能性があります。

加点されやすい行動原則

  • 傾聴の姿勢を徹底する
    面談の場では、まず本人の話を遮らずに最後まで聞く「傾聴」が最も重要です。なぜ退職を決意したのか、その背景にある事実と考えを丁寧にヒアリングしましょう。
  • 事実ベースでの対話
    「君がいなくなると困る」といった情緒的な説得だけでなく、「君の〇〇というスキルは、来期の△△プロジェクトでこのように活かせると考えている」といった事実や期待を具体的に伝えることが、建設的な対話に繋がります。
  • 組織的視点を持つ
    本人のケアと同時に、業務の引き継ぎ、チームメンバーへの影響、人員補充の計画など、組織としての対応策を多角的に検討し、計画を立てる能力が評価されます。
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