【突然退職Lv2】部下の退職申し出|管理職の初動対応

【突然退職Lv2】部下の退職申し出|管理職の初動対応 インバスケット演習

あなたは、大手食品メーカー「アジワイフーズ株式会社」のマーケティング部 商品企画第二課の課長です。課長に着任してまだ3ヶ月、ようやくメンバーとの関係性も築けてきたところです。

本日は、直属の上司である斎藤部長に同行し、終日、重要な取引先との商談で外出しています。移動中にスマートフォンでメールをチェックしたところ、以下のメールが届いていることに気づきました。

インバスケット試験の制限時間(60分で20案件を処理)を想定し、この1案件にかけられる時間は3分程度だと考えてください。

あなたの現在の状況

  • 役職: 商品企画第二課 課長
  • 場所: 外出先(取引先との商談の合間)
  • 制約: PCは手元になく、スマートフォンのみ。詳細な資料確認や長時間の電話は難しい。

差出人: 佐藤 健太 <k.sato@ajiwaifoods.co.jp>
日時: 20XX年10月26日 11:15
件名: 一身上の都合による退職のご相談


田中課長

いつもお世話になっております。
商品企画第二課の佐藤です。

突然のご連絡となり、大変申し訳ございません。この度、一身上の都合により、来月末日をもちまして退職させていただきたく、ご相談させていただきたく存じます。

現在、私が主担当として進めております「新フレーバーポテトチップス」のプロジェクトにつきましては、後任の方に責任を持ってしっかりと引き継ぎを行う所存です。

詳細につきましては、改めてお時間をいただき、直接お話しさせていただけますと幸いです。

お忙しいところ恐縮ですが、ご確認のほど、よろしくお願い申し上げます。

—
佐藤 健太
マーケティング部 商品企画第二課
内線: 1234

A

すぐに本人に電話をかけ、まずは慰留に努める。「驚いたよ。何か不満があったなら聞かせてほしい。君はチームに必要な人材だ」と伝え、退職理由を詳しく聞き出そうとする。
B

まず本人に「メール拝見しました。詳細は明日、朝一番で時間を取りましょう」と返信。その後、上司の斎藤部長と人事部に「佐藤さんから退職の申し出があった」と状況を報告するメールを送る。
C

本人に「承知しました。あなたの意思を尊重します。明日、今後の手続きと引継ぎについて話しましょう」と返信する。同時に、自分の頭の中で後任人事やプロジェクトの引継ぎ計画の検討を始める。
回答と解説を見る

正解:B

選択肢Bがベストです。

選択肢Bがベスト

この状況における最善の初動は、冷静に、かつ組織的に対応することです。選択肢Bが最も優れた判断と言えます。

【評価のポイント】

  1. 冷静な状況設定:
    突然のネガティブな報告に動揺せず、まずは「対話の場を設ける」という冷静なアクションを取れている点が評価されます。外出先という制約がある中で、電話で性急に本題に入ろうとせず(選択肢Aの欠点)、まずは落ち着いて話せる環境をセッティングする姿勢は、マネージャーとして不可欠です。
  2. 組織的対応(報告・連絡・相談):
    部下の退職は、個人の問題だけでなく、チームや会社全体に関わる重要な組織マターです。自分の判断だけで抱え込まず、速やかに上司や人事部という関係各所に情報を連携する意識が極めて重要です。これにより、会社として一貫した対応を取ることができ、労務上のリスク管理にも繋がります。
  3. 決めつけない姿勢:
    選択肢Aのようにいきなり「慰留」から入ったり、選択肢Cのように「退職確定」を前提に話を進めたりするのは、相手の本音を聞き出す機会を失うリスクがあります。Bの「まずは話を聞く」という姿勢は、相手への配慮を示しつつ、退職の真意や背景(会社の制度、人間関係、キャリアプラン等)を正確に把握するための第一歩として最適です。

以上の理由から、個人の感情や憶測で動くのではなく、事実確認のための場を設定し、組織として対応するという選択肢Bの行動が、管理職として最も高く評価されます。

重要度:高 / 緊急度:高

  • 重要度: 高
  • 緊急度: 高

【解説】

この案件は、重要度・緊急度ともに「高」に位置づけられます。アセスメント試験では、この判断を瞬時に行い、迅速かつ適切な初動を取ることが求められます。

  • 重要度(なぜ高いか):
    入社4年目の若手(おそらく今後の活躍が期待されるホープ)の退職は、チームの戦力ダウンに直結するだけでなく、他のメンバーの士気低下を招く可能性があります。また、本人が担当しているプロジェクトの遅延リスクも発生します。さらに、退職理由によっては、職場環境や処遇など、組織が抱える潜在的な問題が隠れている可能性も否定できません。したがって、極めて重要な案件です。
  • 緊急度(なぜ高いか):
    本人から正式な申し出があった以上、対応を先延ばしにすることはできません。対応が遅れると、本人の退職の意思がより強固になったり、不信感を抱かせたりするリスクがあります。また、非公式な形で情報が周囲に漏れ、チーム内に動揺が広がる可能性も考えられます。「今日中に最初のアクション(本人への返信と上司・人事への報告)を起こす」という意味で、緊急度は「高」と判断すべきです。ただし、「今すぐその場で全てを解決する」という意味の緊急度ではない点に注意が必要です。

突然の退職申し出は、どんな管理職にとっても動揺する出来事です。しかし、ここで冷静に対応できるかが腕の見せ所です。以下のマインドセットを心がけてください。

  • 1. まずは傾聴(Listen First):
    なぜ辞めたいのか、理由を決めつけずに真摯に聞く姿勢が最も重要です。「会社への不満だろう」「引き止めれば翻意するだろう」といった先入観は捨て、まずは本人の話に耳を傾け、気持ちを受け止めることから始めましょう。
  • 2. 感情のコントロール:
    驚きや失望といったネガティブな感情を露骨に出すのは避けるべきです。相手を責めたり、逆に過度に同情したりせず、あくまでプロフェッショナルとして冷静に事実を確認し、対話することを心がけてください。
  • 3. 退職は「権利」と心得る:
    大前提として、退職は労働者の権利です。本人の意思を尊重する姿勢を基本とし、無理な引き止めや脅しのような言動は絶対にしてはいけません。その上で、もし退職理由が会社側で解決できる問題(例:業務内容のミスマッチ、人間関係)であれば、真摯に改善策を提示し、慰留に努めるのが管理職の役割です。

アセスメント試験での加点ポイント

この種の試験では、以下の行動原則が一貫して高く評価されます。

  • 組織で対応する意識:
    問題を一人で抱え込まず、上司や人事といった然るべき部署や人物に速やかに「報・連・相」ができるか。これはリスク管理能力の表れと見なされます。
  • プロセス重視の姿勢:
    すぐに結論(慰留 or 承認)を出そうとせず、「①本人との面談設定 → ②事実・背景のヒアリング → ③上司・人事との対応方針協議 → ④本人への正式回答」という適切なプロセスを踏もうとする思考が評価されます。
  • 多角的な視点:
    本人のケアだけでなく、残るメンバーへの心理的影響や業務の引継ぎといった、組織運営への影響まで配慮した言動ができると、より高い評価に繋がります。
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