あなたは、ITソリューション企業「株式会社ネクストステップ・イノベーションズ」のマーケティング部・第一課の課長に就任して1ヶ月です。
あなたの部署は、今期の最重要プロジェクトである法人向け新クラウドサービス『ConnectSphere』のローンチに向けたプロモーション戦略の策定を担当しています。
本日は月曜日の午前9時。あなたは午後に行われる事業部長への重要な中間報告の準備のため、午前中は会議室にこもっており、電話やチャットには応答できない状況です。
これから制限時間3分で、溜まっている10件の未処理案件に対応する必要があります。以下はそのうちの1件です。
差出人: 山田 太郎 (営業本部 営業第一部 課長) <t.yamada@nextstep-innovations.co.jp>
日時: 20XX年10月30日(月) 09:15
件名: 【至急・要確認】ConnectSphereプロモーション予算の件
高橋課長
お疲れ様です。営業部の山田です。先週末に共有いただいたConnectSphereのプロモーション計画案、拝見しました。
率直に申し上げて、Web広告やオンライン施策に偏重しすぎている内容に強い懸念を抱いています。
我々営業の現場感覚からすると、今回のターゲット層に対しては、既存顧客向けのクローズドセミナーや、業界最大手の展示会への出展といった、直接顔を合わせて提案できる施策の方が遥かに効果的です。
現状の案では、我々が目標達成のために必要と考える営業主導の施策予算が、要求額の30%しか確保されていません。これでは到底、目標とする商談化数は達成不可能です。
つきましては、本日15時までに、セミナーおよび展示会出展の予算を全額確保した修正案を再提出してください。
ご対応いただけない場合、本件は事業全体の成否に関わる重要事項ですので、やむを得ず事業部長の鈴木さんに直接、営業部としての意見を具申します。
ご確認のほど、よろしくお願いいたします。
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株式会社ネクストステップ・イノベーションズ
営業本部 営業第一部 課長
山田 太郎
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回答と解説を見る
正解:B
選択肢Bがベストです。
選択肢Bがベスト
この状況で最も優れた判断は選択肢Bです。理由は以下の通りです。
- 1. 対立の激化を回避する姿勢: 山田課長のメールはやや感情的で、期限を区切るなど強いプレッシャーをかけてきています。これに対し、Aのように真正面から反論すると、感情的な対立に発展し、部門間の協力関係を著しく損なうリスクがあります。まずは相手の主張を受け止め、「話を聞く姿勢」を示すことが、冷静な対話の第一歩です。
- 2. 主体的な問題解決プロセス: Cのように安易に上司に判断を委ねるのは、管理職としての主体性と問題解決能力の欠如と見なされます。このレベルの問題は、まず担当課長同士で解決の道筋を探るべきです。Bは、問題を丸投げするのではなく、自らが主体となって対話の場を設定しようとしており、管理職としての当事者意識の高さを示しています。
- 3. 時間的・心理的コントロールの確保: 「本日15時まで」という一方的な要求に対し、即座に「持ち帰らせてください」と返信することで、相手の土俵に乗らず、一度ボールを自分側で保持することができます。これにより、状況を整理し、部下に情報収集を指示するなど、次の一手を打つための時間的・心理的余裕が生まれます。
新任管理職としては、他部署、特に事業の根幹を担う営業部との良好な関係構築は極めて重要です。まずは相手の立場や意見を尊重し、対話を通じて共通のゴール(=プロジェクトの成功)を目指す姿勢を示すことが、最善の初動と言えます。
重要度:高 / 緊急度:高
- 重要度: 高
- 緊急度: 高
【解説】
重要度が高い理由:
本件は、会社の最重要プロジェクトの成否に直結するプロモーション予算の配分に関する問題です。部署間の対立を放置すれば、施策の実行が遅れたり、効果が最大化されなかったりと、プロジェクト全体に深刻な悪影響を及ぼす可能性があります。組織としての成果を最大化するために、必ず解決しなければならない課題です。
緊急度が高い理由:
相手が「本日15時まで」という具体的な期限を設定し、対応次第では上長へエスカレーションすることを示唆しています。この要求を無視したり、対応が遅れたりすると、問題がさらに複雑化し、自身の知らないところで話が進んでしまうリスクがあります。ただし、「今すぐ最終回答を出す」必要はなく、「今すぐ状況をコントロールするための一次対応をする」必要がある、という意味での緊急度の高さです。
管理職になると、各部署の役割やKPIの違いから生じる対立・コンフリクトの調整役を担う場面が必ず発生します。このような状況に直面した際は、以下の点を意識することが重要です。
- 対立を「問題」ではなく「健全な状態」と捉える:
各部署がそれぞれのミッションに責任感を持っているからこそ、対立は起こります。相手の主張を個人的な攻撃と捉えず、「組織を良くするための異なる視点」として尊重する姿勢が、建設的な対話の土台となります。 - 「共通の目的」に立ち返る:
「営業部の目標達成」や「マーケティング部の計画実行」といった部分的な目的で議論すると、対立は深まるばかりです。「会社としてConnectSphereを成功させる」という揺るぎない共通のゴールを両者で再確認し、その達成のために何が最適かを議論の軸に据えましょう。 - 感情(Emotion)と事実(Fact)を切り分ける:
相手のメールに感情的な表現があっても、冷静に受け止めることが重要です。まずは「営業部は、セミナーや展示会の方が効果的だと考えている」という事実を客観的に把握します。その上で、「なぜそう考えるのか?」という背景にあるデータや経験則を、対話を通じて引き出していくことが解決への近道です。 - Win-Winの着地点を探る:
どちらか一方が100%の要求を通すのではなく、お互いの強みを活かせる折衷案や代替案を模索する姿勢が求められます。例えば、「Web広告で獲得したリードを、営業部のセミナーに誘導する」といった連携施策を提案するなど、両部署の貢献が可視化できる協力体制を築けないか検討しましょう。アセスメント試験では、こうした創造的な解決策を提示できると、さらに高い評価につながります。

