あなたは中堅食品メーカー「株式会社ネクストフーズ」の営業企画課で、1ヶ月前に課長に昇進したばかりです。
今日は午後から、経営層も出席する重要な全社戦略会議が控えています。会議の準備のため、午前中のうちに溜まっている未処理案件を片付けなければなりません。
【制限時間:3分】で、以下の案件にどう対応すべきか判断してください。
差出人: 佐藤 健太 <k.sato@nextfoods.co.jp>
日時: 20XX年10月26日(木) 09:15
宛先: あなた
件名: 【ご相談】経費精算の件につきまして
課長、おはようございます。
営業企画課の佐藤です。
少しご相談したいことがあり、メールいたしました。先週承認いただいた、田中美咲さんの出張経費の件です。
私が提出した領収書と見比べていた際に、少し気になった点がありまして…。
田中さんが申請している会食費の領収書の日付が、出張期間外だったような気がするのです。もしかしたら、プライベートな飲食代が含まれているのかもしれません。
もちろん、私の見間違いかもしれませんし、本人に直接聞くのも角が立ちそうで躊躇しております。
大変恐縮なのですが、課長の方で一度ご確認いただくことは可能でしょうか。
お忙しいところ申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。
佐藤 健太
A
すぐに田中さん本人を個室に呼び、メールの内容を元に事実確認を行う。
B
メールを送ってきた佐藤さんを呼び、より具体的な情報(どの領収書か、なぜそう思ったのかなど)を追加でヒアリングする。
C
まず自分で経費精算システムにアクセスし、田中さんの申請内容と添付された領収書、および社の経費規定を客観的に確認する。
回答と解説を見る
正解:C
選択肢Cがベストです。
選択肢Cがベスト
このケースにおける管理職の初動として、最も適切かつリスクの低い行動は選択肢Cです。
- 事実確認の原則: 不正疑惑のようなデリケートな問題では、まず当事者の主観や感情を排除し、客観的な事実(データ、ルール)を確認することが鉄則です。「気がする」「かもしれない」といった曖昧な情報で人を動かすのは非常に危険です。経費精算システムや規定を確認することで、客観的な事実を把握し、冷静な判断の土台を築くことができます。
- 公平性の担保: 告発者(佐藤さん)と被疑者(田中さん)のどちらか一方に肩入れすることなく、中立的な立場で物事を進める姿勢が管理職には求められます。Cの行動は、予断を持たずに事実の確認から入るため、公平性を保つ上で最も優れたアプローチです。
- リスク管理: いきなり本人(田中さん)にヒアリング(選択肢A)した場合、もし疑惑が勘違いであれば、あらぬ疑いをかけたことになり、信頼関係を著しく損ないます(パワーハラスメントと受け取られるリスクすらあります)。また、告発者(佐藤さん)に追加ヒアリング(選択肢B)をすると、彼を追い詰める形になったり、情報が不用意に広まったりするリスクがあります。まず客観的事実を固めるCが、最も安全な手順と言えます。
重要度:高 / 緊急度:低
この案件は「重要度:高、緊急度:低」に位置づけられます。
- 重要度(高):
経費の不正利用は、コンプライアンスに関わる重大な問題です。たとえ少額であっても、放置すれば組織全体の規律の緩みやモラルの低下につながりかねません。また、他の社員の不公平感を生む原因にもなります。組織の健全性を維持する観点から、重要度は「高」と判断すべきです。 - 緊急度(低):
メールの内容はあくまで「かもしれない」という可能性の指摘であり、確定情報ではありません。また、既に精算が完了した過去の案件であり、今すぐ対応しないと人命に関わったり、事業に致命的なダメージを与えたりする性質のものではありません。焦って誤った対応をするリスクを考えれば、まずは慎重に事実確認を行うべきであり、緊急度は「低」と判断します。
管理職として部下から不正疑惑に関する相談を受けた際は、以下のマインドセットと行動原則を意識することが、アセスメント試験で高く評価されます。
マインドセット
- 冷静と中立を保つ: 告発メールの内容に驚いたり、感情的になったりせず、まずは冷静に受け止めましょう。告発者・被疑者どちらの言い分も鵜呑みにせず、中立的な立場を堅持することが重要です。
- 事実第一主義を徹底する: 「誰が言ったか」ではなく「何が事実か」を追求する姿勢が求められます。客観的なデータや記録、ルールを判断の基軸に据えましょう。
- 秘密保持の厳守: この種の相談は非常にデリケートです。調査の過程で得た情報や関係者のプライバシーは徹底して守秘義務を果たし、安易に第三者に漏らさないように注意してください。
アセスメントでの加点ポイント
- 組織的対応の意識: まずは自分で事実確認を行いますが、その後のプロセスとして「もし不正の可能性が高いと判断した場合は、一人で抱え込まずに上長や人事・コンプライアンス部門に報告・相談する」という組織的な対応を視野に入れていることを示すと、評価が高まります。
- プロセスの明確化: 思考のプロセスとして「①規定・データの客観的確認 → ②事実整理 → ③(必要に応じて)上長・関係部署への相談 → ④(必要に応じて)関係者へのヒアリング」というように、段階的かつ論理的な対応手順を描けていることをアピールできると良いでしょう。

