あなたは、ITソリューション企業「株式会社ネクストビジョン・ソリューションズ」の法人営業第二部・第一課の課長に本日付で着任しました。
しかし、前任の鈴木課長が急な体調不良で昨日から長期休職に入ったため、業務の引き継ぎは一切受けられていません。
今日は終日、新任管理職研修に参加しており、PCでのメールチェックとチャットでの指示出ししかできない状況です。
そんな中、あなたのチームの中核メンバーである高橋さんから、以下のメールが届きました。
【あなたの立場】
・役職:法人営業第二部 第一課 課長(本日着任)
・部下:5名
・状況:前任者からの引き継ぎなし。終日の研修に参加中で、直接の対話や会議は不可。
・制限時間:4分以内に、このメールへの返信(具体的な指示)を完了させてください。
差出人: 高橋 祐樹 <y.takahashi@nextvision.co.jp>
日時: 20XX年10月26日 10:15
件名: 【至急・ご相談】アトラス物流様向けプロジェクトの進捗遅延について
佐藤課長
本日よりよろしくお願いいたします。第一課の高橋です。
着任早々、大変申し訳ないのですが、緊急でご相談したい案件がございます。
現在、当課で担当している最重要クライアント「株式会社アトラス物流」様向けのCRMツール『コネクトハブ』導入プロジェクトで、深刻な進捗遅れが発生しております。
【状況】
- 問題点:プロジェクトの核となる「自動配送ルート最適化モジュール」の開発が、担当の若手エンジニア・田中君の技術的課題により、想定の3倍以上の工数がかかっています。
- 遅延の見込み:当初の全体納期は来週末ですが、現状のままでは最低でも3週間の遅延は避けられない見込みです。
- 顧客への報告状況:昨日、アトラス物流の山田部長から進捗確認のお電話があり、その際、鈴木前課長の指示で「スケジュール通り順調です」と私が返答してしまっております。
【チーム内の状況】
私としては、これ以上は隠し通せないため、一刻も早くアトラス物流様に正直に状況を報告し、お詫びとスケジュールの再調整をお願いすべきだと考えています。
しかし、他のメンバーからは「まずは内部で解決策を模索するのが先決だ」「正直に話せば大型契約が破棄されかねない」といった意見も出ており、チームの方針が定まっておりません。
鈴木前課長がご不在の中、どのように動くべきか判断に迷っております。
お忙しいところ恐縮ですが、至急、今後の対応方針についてご指示をいただけますでしょうか。
よろしくお願いいたします。
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高橋 祐樹
法人営業第二部 第一課
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正解:B
選択肢Bがベストです。
選択肢Bがベスト
この選択肢が最も優れている理由は、管理職として不可欠な「①事実の正確な把握」「②組織的な問題解決」「③計画的な顧客対応」という3つの要件を満たしているからです。
- 事実の正確な把握(Fact Finding):
まず、報告者である高橋さんだけでなく、実際に問題に直面している担当の田中君も交えて話を聞こうという姿勢が重要です。これにより、伝聞情報による誤解を避け、課題の核心を正確に捉えることができます。適切な判断は、正確な情報把握から始まります。 - 組織的な問題解決:
課長一人がトップダウンで指示を出す(C案)のでも、メンバーに丸投げするのでも(A案)なく、「チームとしてこの問題に取り組む」という姿勢を明確に示しています。特に、当事者である若手メンバーを対話の場に含めることは、彼の当事者意識を促し、チーム全体の成長にも繋がります。 - 計画的な顧客対応:
顧客への報告を急ぎつつも、単なる謝罪で終わらせず、「原因」と「対策案」をセットで伝えようとする準備のプロセスが極めて適切です。これにより、顧客の不信感を最小限に抑え、事態をコントロールしようという主体的な姿勢を示すことができます。闇雲に謝罪に走る(C案)よりも、ビジネス上の信頼を再構築できる可能性が高まります。
A案は判断の先送りであり、C案は情報不足のまま行動するリスクが高すぎます。B案は、スピード感と慎重さのバランスが取れた、最も現実的で効果的なマネジメント判断と言えます。
重要度:高 / 緊急度:高
重要度:高
本件は「最重要クライアント」との取引であり、このプロジェクトの成否が今後の関係性や売上に直接的な影響を及ぼします。信頼を失えば、契約の打ち切りや賠償問題に発展する可能性も否定できません。企業の評判にも関わるため、重要度は極めて高いと判断します。
緊急度:高
既に納期が目前に迫っている上、一度「順調です」という虚偽の報告をしてしまっている点が問題を深刻にしています。時間が経過すればするほど、クライアントの不信感は増大します。一刻も早く正確な情報を伝え、誠実な対応を取る必要があるため、緊急度は極めて高い案件です。
納期遅延や進捗遅れといったトラブルは、どんなプロジェクトにも起こりうるものです。管理職として評価されるのは、問題が起きた後の「対応力」です。以下に、この種の案件で加点評価される行動原則をまとめます。
- 1. First, Fact Finding (まず、事実確認):
部下からの報告を鵜呑みにせず、必ず一次情報(データや当事者の声)に当たってください。焦って行動する前に、冷静に「何が、なぜ、どうなっているのか」を正確に把握することが、最善の判断の土台となります。 - 2. Don’t Blame, Solve Together (犯人探しより、解決策):
問題の原因となったメンバーを責めても何も解決しません。むしろ、「これはチームの問題だ。私が責任を持つから、一緒に解決しよう」という姿勢を示すことで、部下は安心して本当の情報を報告できるようになり、チームの心理的安全性が高まります。 - 3. Bad News First, with Solution (悪い報告こそ、対策とセットで速やかに):
顧客への悪い報告は、先延ばしにするほど事態を悪化させます。ただし、報告する際は「謝罪」だけでなく、「現状」「原因」「対策案」「(再設定した)今後の見通し」を必ずセットで伝える準備をしてください。この準備が、信頼回復の鍵となります。
アセスメント試験では、「自分が矢面に立つ覚悟」と「冷静に状況を整理し、関係者を巻き込みながら解決へと導くプロセス」を具体的に示せるかが、高く評価されるポイントです。

