【組織改編Lv1】新製品タスクフォース参加者選定

【組織改編Lv1】新製品タスクフォース参加者選定 インバスケット演習

あなたはアークス・テクノロジー株式会社 営業企画部 課長「佐藤 健一」です。新年度に入り、組織全体の目標達成に向けた施策が本格化し、あなたの部署も多忙な日々を送っています。同時に、部下の育成も課長であるあなたの重要なミッションの一つとして掲げられています。

今朝、出社してPCを立ち上げたところ、部長からの未読メールが1件届いています。始業直後の3分以内に、このメールの内容を理解し、今日中に取るべき対応方針を決定してください。

あなたは多忙であり、他の重要な案件も抱えています。限られた時間の中で、この案件に対する最も効果的なアクションを選択することが求められます。

差出人: 企画部長 鈴木 太郎 <t.suzuki@arcs-tech.co.jp>
日時: 20XX/04/15 08:50
件名: 新製品プロモーション戦略立案タスクフォースへの参加者選出について


佐藤課長、

お疲れ様です。鈴木です。

さて、半期後に控えている次期主力新製品「ブレインシフト」のローンチに向け、全社的なプロモーション戦略の策定を急ぐ必要が出てきました。つきましては、各部署から横断的にメンバーを集め、早期に具体的な戦略を立案するための「新製品プロモーション戦略立案タスクフォース」を立ち上げることになりました。

本タスクフォースの目的は、

  • 全社的な視点から、既存の枠にとらわれない革新的なプロモーション戦略を検討・提案すること
  • 各部署間の連携を強化し、部門横断的なプロジェクト推進能力を向上させること

です。

つきましては、営業企画部から1名、貴部署のメンバーを推薦いただきたく、本日中に私まで推薦者名を報告してください。

タスクフォースの活動期間は概ね3ヶ月程度を想定しており、週に数時間のコミットメントが必要です。参加メンバーにとっては、他部署との連携や、全社的な視点での企画力を養う非常に良い機会になると考えています。

ご検討のほど、よろしくお願いいたします。

—
鈴木 太郎
企画部長
アークス・テクノロジー株式会社

A

部長案件であるため、部下を巻き込むよりも課長である自分が責任を持って担当するのが妥当だと判断する。自身のスケジュールを調整し、タスクフォースへの参加を部長に報告する。
B

部下の山田恵子(入社5年目、堅実で安定した業務遂行能力を持つが、現状の業務で手一杯な傾向がある)に依頼する。彼女ならば確実に任務をこなしてくれるだろうと判断し、既存業務の調整は自身で進めるように指示する。
C

部下の田中雄介(入社3年目、企画力に伸びしろがあり、意欲的なタイプ)に声をかけ、タスクフォースの目的と期待する役割を説明し、参加の意思を確認する。もし彼が承諾すれば、彼の既存業務の調整と、タスクフォース活動に対するサポート体制(週次での進捗確認、必要に応じた助言)を整えることを約束し、彼を推薦する。
回答と解説を見る

正解:C

選択肢Cがベストです。

この案件において、課長が最も重視すべきは「部下の育成と権限委譲」、そして「自身の高次業務への集中」です。

  • 部下育成の機会最大化: 田中雄介氏は意欲があり、企画力に伸びしろがあるとのこと。このような全社的なプロジェクトへの参加は、彼の視野を広げ、企画力、コミュニケーション能力、問題解決能力を飛躍的に向上させる絶好の機会となります。課長が適切なサポート体制を約束することで、安心して挑戦させることができます。
  • 適切なデリゲーション(権限委譲): 課長がすべてを抱え込むのではなく、部下に適切な権限と責任を与えることで、チーム全体のパフォーマンス向上につながります。これは管理職としての重要な役割です。難易度1の案件では、この基本的なマネジメント原則を理解しているかが問われます。
  • 課長の戦略的時間の確保: 課長であるあなたがタスクフォースに参加する選択肢Aでは、自身の限られた時間を、本来課長として注力すべき、より戦略的で高次な業務(部署全体の目標達成、部下の育成計画立案など)から奪うことになります。田中氏に委譲することで、あなたは本来の役割に集中できます。

他の選択肢が不適切な理由:

  • 選択肢B (山田恵子への依頼): 山田氏が既存業務で手一杯であるにもかかわらず、安易に依頼することは、彼女の負担を増やし、モチベーションの低下を招く可能性があります。また、彼女の成長機会とはなりにくいでしょう。デリゲーションの目的が「ただ業務を振る」ことになってしまっています。
  • 選択肢A (課長自身の担当): 部長案件だからといって全てを自身で抱え込むのは、管理職としての役割を逸脱しています。部下育成の機会を奪い、自身の業務負担を不必要に増やすことになり、部門全体の生産性を低下させるリスクがあります。また、タスクフォースへの参加は3ヶ月間の継続的なコミットメントが必要であり、課長の時間管理に大きな影響を与えるでしょう。

したがって、部下の成長を促しつつ、組織全体の効率性を高める選択肢Cが最も適切です。

重要度:高 / 緊急度:低

【重要度】高 【緊急度】低

この案件は、アイゼンハワーマトリクスで言うところの「重要だが緊急ではない」に位置づけられます。

  • 重要度が高い理由:
    • 新製品の成功: 次期主力製品のプロモーション戦略は、会社の将来的な売上や市場での立ち位置を左右する重要な要素です。
    • 部下育成の機会: 全社的なプロジェクトへの参加は、特定の部下のスキルアップだけでなく、将来のリーダー候補を育てる上で非常に価値のある経験となります。これは組織の中長期的な成長にとって不可欠です。
  • 緊急度が低い理由:
    • 本日中の推薦者報告: 確かに報告期限は本日中ですが、タスクフォース自体の活動はこれから本格化します。推薦者を選び、委任計画を立てるための時間は十分にあります。即座に「誰かを充てる」のではなく、誰を、どのように育成するかの視点で検討する余裕があります。
    • 継続的なプロジェクト: 短期的な火消しではなく、3ヶ月という中期的な視点で取り組むプロジェクトであり、計画的な人員配置とサポートが求められます。

「重要だが緊急ではない」案件は、放置すると将来的に「緊急かつ重要」な問題に発展する可能性があります。そのため、計画的に対応し、特に部下への適切な権限委譲と育成の機会と捉えることが、管理職として求められる視点です。

管理職として最も評価される資質の一つに「デリゲーション(権限委譲)」があります。この種の案件に直面した際、以下のマインドセットと行動原則を持つことが、アセスメント試験で高評価を得る鍵となります。

  1. 自分で抱え込まない: 部長からの指示だからといって、課長であるあなたがすべてを直接担当しようとするのは、管理職としては不適切です。自身の時間とエネルギーは、より高次の意思決定や戦略的業務に集中すべきです。
  2. 部下育成の機会と捉える: 新しいプロジェクトやタスクは、部下にとって成長の機会です。誰に任せれば最も成長につながるか、その後のキャリアに良い影響を与えるかを考慮して人選を行いましょう。これは、チーム全体のパフォーマンス向上にも直結します。
  3. 適切な「委任」と「支援」のバランス: 丸投げではなく、適切な権限と責任を明確に伝え、必要な情報やリソースを提供し、定期的な進捗確認や相談の機会を設けるなど、きめ細やかなサポート体制を構築することが重要です。これにより、部下は安心して業務に取り組むことができ、成功体験を通じて自信を深めます。
  4. 戦略的視点を持つ: 目先の業務処理だけでなく、それがチームや組織全体にどのような影響を与えるか、中長期的な視点から判断を下しましょう。この問題では、新製品の成功と部下の育成という二つの重要な要素が絡んでいます。
  5. 時間管理と優先順位付け: 「重要度」と「緊急度」のマトリクスを活用し、何に、いつ、どれだけの資源(時間、人員)を割くべきかを常に意識してください。今回のケースは「重要だが緊急ではない」案件であり、計画的なデリゲーションが求められます。

インバスケット試験では、目の前の案件をいかに効率的かつ戦略的に処理し、チームの能力を最大限に引き出すか、という管理職としての総合的な判断力が問われています。特に、部下への適切な権限委譲は、リーダーシップとチームマネジメント能力を示す重要なポイントとなります。

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