【部署間対立Lv2】営業と製造の対立

【部署間対立Lv2】営業と製造の対立 インバスケット演習

あなたは、中堅食品メーカー「アジワイフーズ株式会社」の商品企画部・企画第一課の新任課長です。着任してまだ1ヶ月で、部署のメンバーや他部署との関係構築を進めている最中です。

現在、あなたの課が主導して開発した新商品(栄養補助ドリンク『ミライチャージ』)の発売を2ヶ月後に控えています。これは会社の次世代の柱として期待されている重要商品です。

今日は金曜日の夕方16:30です。あなたは17:00から重要な取引先との会食があり、すぐに退社しなければなりません。PCを閉じる前に、1件の未読メールに気づきました。

差出人: 製造部 生産管理課 課長 鈴木 剛
日時: 本日 16:15
件名: 【ご相談】新商品『ミライチャージ』の初回生産計画について


商品企画部 企画第一課
山田課長

いつもお世話になっております。
製造部の鈴木です。

先ほど、営業推進部の田中課長から共有された『ミライチャージ』の発売記念キャンペーンに伴う、初回生産ロットの増産依頼(当初計画の1.5倍)についてご相談です。

率直に申し上げますと、この計画での生産は極めて困難です。

現在の生産ラインの稼働状況と人員では、急な1.5倍の増産に対応すると他の定番商品の生産に遅れが生じ、最悪の場合、品質基準を維持できないリスクがあります。田中課長にはその旨を伝えましたが、「これは会社全体の目標達成のために絶対必要な施策であり、企画部も合意済みのはずだ」と、取り合っていただけませんでした。

新商品の成功を願う気持ちは我々も同じですが、現場に無理を強いて品質問題や欠品を起こしては元も子もありません。商品企画部の公式な見解として、営業推進部と調整いただき、より現実的な生産計画に見直していただくことはできないでしょうか。

来週火曜日の生産会議で最終的な計画を確定させる必要があります。それまでにご見解を伺えれば幸いです。

以上、よろしくお願いいたします。

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アジワイフーズ株式会社
製造本部 製造部 生産管理課
課長 鈴木 剛
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A

製造部の鈴木課長にメールで返信し、「ご懸念承知しました。当方から営業推進部に働きかけますのでご安心ください。まずは当初の計画通りに生産準備を進めてください」と伝え、一旦現場を安心させる。
B

営業推進部の田中課長と製造部の鈴木課長の両名にメールを送り、「来週月曜の朝一番に、関係者で現状の課題と代替案を協議する30分の緊急ミーティングをお願いしたい」と、調整の場を設定することを提案する。
C

営業推進部の田中課長に電話し、「製造現場が混乱している。キャンペーンの重要性は理解するが、計画を一度白紙に戻し、製造部と再度協議してほしい」と、計画の見直しを強く求める。
回答と解説を見る

正解:B

選択肢Bがベストです。

選択肢Bがベスト

【解説】
管理職、特に部門間の調整役を担う商品企画の課長として最も適切な初動です。難易度2のこの問題では、一方の意見に偏らず、中立的な立場で関係者を集め、事実に基づいた議論の場を設定するというマネジメントの基本姿勢が問われます。

  • 公平性と客観性: 選択肢CやAのように、どちらか一方の部署の意見を代弁する形を取ると、もう一方の部署から不信感を持たれ、対立を深刻化させる恐れがあります。まず両者の言い分を同じテーブルで聞くというCの姿勢が、公平な調整役としての信頼を得る第一歩となります。
  • 問題解決への主体性: どちらかに丸投げするのではなく、「自分が主催して解決する」という主体的な姿勢を示すことが重要です。緊急ミーティングを設定することで、この問題を放置しないという明確な意思表示になります。
  • 時間的制約への対応: 会食前で時間がない中で、即座に結論を出すことは困難です。しかし、問題を放置せず、「いつ、誰と、何を話すか」という次のアクションを具体的に設定することで、関係者に安心感を与え、事態の進展を図ることができます。

重要度:高 / 緊急度:高

重要度: 高 / 緊急度: 高

【解説】

  • 重要度(高): この案件は、会社の重要戦略商品である新商品の成否に直結します。ここで調整を誤れば、「売上目標の未達」または「品質問題・欠品によるブランドイメージの毀損」という重大な経営リスクにつながるため、重要度は「高」と判断されます。
  • 緊急度(高): メールの中に「来週火曜日の生産会議で最終的な計画を確定させる」という明確な期限が設定されています。それまでに両部署の合意形成を図る必要があり、残された時間はわずかです。すぐに初動対応を取らなければ手遅れになる可能性があるため、緊急度は「高」と判断されます。

部署間の対立や利害調整は、管理職が日常的に直面する重要なテーマです。アセスメントでは、以下のポイントを意識した行動が評価されます。

1. 感情ではなくファクトで話す場を作る

部署間対立は、それぞれの「正義」のぶつかり合いです。感情的な言い分をそのままぶつけ合うのではなく、「販売データ」「生産能力」「コスト」といった客観的な事実(ファクト)をテーブルに乗せ、冷静に議論できる場を設定する能力が求められます。

2. 部分最適ではなく、全体最適の視点を持つ

「営業部の目標達成」も「製造部の安定稼働」も、どちらも会社にとっては重要です。管理職は、どちらか一方の利益(部分最適)を優先するのではなく、「会社として新商品を成功させるには、どうすればよいか?」という一段高い視点(全体最適)から物事を捉え、判断する姿勢が不可欠です。

3. 対立を「問題」ではなく「機会」と捉える

意見の対立は、一見ネガティブな状況ですが、これまで見えていなかった課題やリスクを顕在化させる良い機会でもあります。この機会を活かして、より実現可能性の高い計画を再構築したり、部門間の新たな連携ルールを作ったりと、前向きな解決策に繋げていくリーダーシップが期待されます。

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