あなたは、ITソリューション企業「株式会社ネクストビジョン・ソリューションズ」の営業企画課の課長です。
今日は午前中、重要な役員会議に出席しており、13時にようやく自席に戻ってきました。午後は14時から部下との1on1が2件控えています。
これから3分間で、溜まっている未読メールを処理し、必要な指示を出さなければなりません。
- あなたの役職:営業企画課 課長
- 制限時間:3分
- 処理すべき案件:以下のメール1件
差出人: 営業第一課 佐藤 健太
日時: 本日 11:32
件名: 【至急のお願い】販促資料の表現について(SyncFlow Pro)
営業企画課長(あなた)様
お疲れ様です。営業第一課の佐藤です。
現在作成中の新クラウドツール「SyncFlow Pro」の販促パンフレットの件で、急ぎご相談です。
最終ドラフトの確認を製品開発第二課の鈴木さんにお願いしたところ、メインのキャッチコピーである「圧倒的な使いやすさで、導入実績No.1!」という表現について、修正依頼が入りました。
鈴木さんの主張は、「『No.1』と謳うには、客観的な第三者機関による調査データが必要であり、現時点では表記できない」というものです。
我々営業としては、新商品の立ち上げにはインパクトのある強い言葉が不可欠だと考えています。競合も多い中で、お客様に最初に興味を持っていただくための重要なフックです。本日中にデザイン会社へ入稿する必要があり、ここで表現を弱めてしまうのは大きな機会損失だと感じています。
鈴木さんは技術者視点で非常に真面目な方ですが、少し表現が固すぎるように思います。
課長から鈴木さんへ、営業の意図を説明いただき、この表現のままで進めるよう調整をお願いできないでしょうか。
お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願いいたします。
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株式会社ネクストビジョン・ソリューションズ
営業本部 営業第一課
佐藤 健太
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回答と解説を見る
正解:A
選択肢Aがベストです。
選択肢Aがベスト
この案件は、典型的な部署間の視点の違いから生じる対立です。管理職として、どちらか一方の意見を鵜呑みにしてトップダウンで決定するのではなく、双方を尊重し、組織全体の最適解を導き出すプロセスが重要です。難易度1の基本的な問題として、まずは当事者間の対話を促す姿勢が最も評価されます。
- 理由1:当事者意識の醸成
一方的に裁定を下すのではなく、佐藤(営業)と鈴木(開発)を直接対話させることで、これは「お互いの問題」であると認識させることができます。これにより、他責ではない、建設的な解決策を探るマインドセットが生まれます。 - 理由2:相互理解の促進
営業の「売りたい」という熱意と、開発の「技術的な正確性を守りたい」という責任感、双方の立場と背景を直接伝え合わせることで、感情的な対立から相互理解へと発展する可能性があります。 - 理由3:より良い代替案の創出
「No.1」がダメならすべて終わり、ではありません。「顧客満足度98%(※利用者アンケート結果より)」「主要競合5社中で機能数最多」など、営業の訴求力と開発の正確性を両立させる第三の案を、三者でブレインストーミングすることで見つけ出せる可能性が高まります。
選択肢CやBは、一見すると迅速な判断に見えますが、一方の部署に不満を残し、将来的な部門間関係の悪化につながるリスクを内包しています。
重要度:低 / 緊急度:高
重要度:低
緊急度:高
この案件は、時間管理マトリクスにおいて「緊急だが重要度は低い」領域に分類されます。
- 重要度(低)の理由:
パンフレットのキャッチコピー一つが、会社全体の戦略や業績を根底から揺るがすほどの重大案件ではありません。あくまで日常業務における数あるタスクの一つであり、もしこのパンフレットの発行が多少遅れたとしても、事業存続に関わるような致命的な影響は考えにくいです。 - 緊急度(高)の理由:
メール本文に「本日中に入稿する必要がある」と明記されており、対応の期限が迫っています。また、部署間の対立は放置すると感情的なしこりが生まれ、後々の業務連携に悪影響を及ぼす可能性があるため、問題が小さいうちに迅速に介入(初動)することが求められます。
部署間の利害対立は、組織が健全に機能している証拠でもあります。それぞれの部署が自らのミッションを全うしようとしている結果だからです。管理職としては、こうした対立をネガティブに捉えず、組織をより良くする機会と捉える姿勢が重要です。
- 1. 審判(ジャッジ)ではなく、進行役(ファシリテーター)であれ
管理職の役割は、白黒つけることだけではありません。対立する両者の意見を丁寧にヒアリングし、議論の場を設定し、建設的な会話を促進するファシリテーターとしての役割が求められます。 - 2. 対立を「課題」に置き換える
「営業 vs 開発」という対立構造から、「どうすれば、お客様に響き、かつ技術的に正確な表現で、この商品の魅力を伝えられるか?」という共通の「課題」へと視点を転換させることを意識してください。これにより、両者は協力して課題解決に取り組む当事者へと変わります。 - 3. 事実と感情を切り分ける
対立が激化すると、「営業はいつも無茶を言う」「開発は頭が固い」といった感情的なラベリングに陥りがちです。まずは「なぜそう主張するのか?」という背景にある事実(Fact)を客観的に整理させ、冷静な議論の土台を作ることが不可欠です。

