【突然退職Lv1】部下からの突然の退職申し出にどう対応する?

【突然退職Lv1】部下からの突然の退職申し出にどう対応する? インバスケット演習

あなたは、ITソリューション企業「株式会社ネクストビジョン」のソリューション営業部 第1課の課長です。課長に着任して半年が経ち、ようやくチームメンバーとの信頼関係も築けてきたと感じています。

今日は月曜日の朝。あなたは出社してPCを開き、週末に溜まったメールの処理を始めようとしています。制限時間は3分。この間に、以下の未読メールを処理し、あなたのアクションを決定しなければなりません。

差出人: 鈴木 誠 <m.suzuki@nextvision.co.jp>
日時: 20XX年10月23日(月) 9:05
件名: 【ご相談】今後のキャリアについて


〇〇課長

おはようございます。
ソリューション営業部第1課の鈴木です。

お忙しいところ大変恐縮ですが、今後の私のキャリアについてご相談したく、ご連絡いたしました。

突然のご報告で誠に申し訳ないのですが、一身上の都合により、来月末日(11月30日)をもちまして退職させていただきたく考えております。

入社以来、皆様には大変お世話になりました。特に〇〇課長には、着任以来多くのご指導をいただき、心より感謝しております。
退職理由としましては、かねてより興味があったWebデザインの分野へ挑戦したいという思いが強くなり、専門学校に通う決心をいたしました。

本来であれば直接お伝えすべきところ、まずはメールでのご連絡となりましたことをお詫び申し上げます。
つきましては、本日午後、どこかで15分ほどお時間をいただくことは可能でしょうか。

お忙しいところ恐縮ですが、ご検討のほど、よろしくお願い申し上げます。

—
株式会社ネクストビジョン
ソリューション営業部 第1課
鈴木 誠

A

鈴木さんに返信し、面談日程を調整する。面談ではまず彼の意思の固さや背景を冷静にヒアリングすることに徹し、その上で今後の対応を考える。
B

すぐに鈴木さんの席へ行き、考え直すよう説得を試みる。彼の不満や改善点をヒアリングし、解決策を提示することを最優先する。
C

まず直属の上司である田中部長に口頭で報告し、対応方針について指示を仰ぐ。鈴木さんとの面談は、部長の指示を受けてから設定する。
回答と解説を見る

正解:A

選択肢Aがベストです。

選択肢Aがベスト

このケースにおける管理職の最初の行動として、最も適切でリスクが低いのが選択肢Aです。

  • 理由1: 本人の意思の尊重と事実確認の徹底
    部下からの退職という重大な申し出に対して、まず行うべきは「本人の意思を尊重し、冷静に事実を確認すること」です。感情的に引き止めようとしたり(選択肢B)、自分で判断せずに上司に丸投げしたりする(選択肢C)のは、部下との信頼関係を損なう可能性があります。まずは当事者である鈴木さんの話を真摯に聞く姿勢を示すことが、円滑なコミュニケーションの第一歩です。
  • 理由2: プロセスと組織的対応の順守
    退職の申し出は、個人の感情の問題だけでなく、組織としての正式な手続きを伴います。選択肢Aのように、まずは本人との面談で状況を正確に把握し、その上で上司への報告や後任の選定、引き継ぎ計画の策定といった組織的な対応に進むのが正しいプロセスです。
  • 理由3: 他の選択肢の欠点
    選択肢Bは、本人の前向きなキャリアチェンジの決意を軽視し、「会社に不満があるはずだ」という前提で話を進めることになりかねません。これはパワハラと受け取られるリスクすらあります。選択肢Cは、部下からの直接の相談を上司に委ねる行為であり、課長としての主体性と責任感の欠如を示しています。部下は「課長は頼りにならない」と感じ、信頼を失うでしょう。

重要度:高 / 緊急度:低

この案件は、重要度と緊急度のマトリクスにおいて「重要度:高、緊急度:低」に位置づけられます。

  • 重要度:高
    メンバーの退職は、チームの戦力低下、残されたメンバーの業務負荷増加や士気の低下、採用・育成コストの発生など、組織に与える影響が非常に大きい問題です。適切な対応を怠ると、連鎖退職につながる可能性もあり、最優先で取り組むべき重要案件と言えます。
  • 緊急度:低
    メールには「来月末日」と明記されており、1ヶ月以上の時間的猶予があります。また、鈴木さん本人も面談を申し出ている段階であり、「今すぐ決断しないと手遅れになる」という切迫した状況ではありません。したがって、慌てて対応するのではなく、状況を冷静に把握し、計画的に手続きを進めるべきです。

管理職として部下の退職申し出に直面した際は、以下のマインドセットと行動原則を意識することが、アセスメント試験での高評価につながります。

マインドセット

  • 「裏切り」ではなく「キャリアの選択」と捉える
    部下の退職を、自分や会社への裏切りと感情的に捉えてはいけません。個人の価値観が多様化する現代において、転職は当たり前のキャリア選択の一つです。彼の人生を尊重し、プロフェッショナルとして冷静に対応する姿勢が求められます。
  • 「終わり」ではなく「円満な卒業」を目指す
    無理な引き止めは、本人だけでなく、周囲のメンバーの士気も下げてしまいます。彼の決意が固い場合は、気持ちよく送り出す「円満退職」を目指しましょう。良好な関係で送り出すことで、将来的にビジネスパートナーになったり、会社の評判を高めてくれたりする可能性もあります。

行動原則

  1. 傾聴と共感 (Listen & Empathize)
    まずは本人の話を遮らずに最後まで聞きます。退職を決意した背景、今後のキャリアプランなどを丁寧にヒアリングし、彼の決断に共感と理解を示しましょう。
  2. 事実確認 (Fact Finding)
    退職理由が、会社や職場環境への不満に起因するものでないか、さりげなく確認することも重要です。ただし、尋問のようにならないよう注意が必要です。もし改善すべき点があれば、組織の課題として真摯に受け止めます。
  3. 組織的対応 (Organizational Response)
    本人の意思確認後、速やかに上長へ報告し、人事部と連携します。今後の退職手続き、業務の引き継ぎ計画、後任のアサイン、チームメンバーへの公表タイミングなど、組織として計画的に進めていきましょう。
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