あなたは、ITソリューション企業「株式会社ネクストステップ・ソリューションズ」の開発2課の課長です。課長に就任してまだ1ヶ月です。
今日は終日、社外で開催される重要な経営会議に出席する予定です。会議の開始時刻まで、残り時間は3分しかありません。会議中はPCを開くことはできますが、頻繁にメールを返信したり、電話をしたりすることは困難な状況です。
あなたは出かける直前に、未処理の案件を片付けようとメールをチェックしています。すると、あなたの課の若手リーダーである田中さんから、以下のメールが届いていることに気づきました。
差出人: 田中 健太 <k-tanaka@nextstep-sol.co.jp>
日時: 20XX年10月27日 09:15
件名: 【ご報告】スマートオフィスPJ:入退室管理システムの進捗遅延について
佐藤課長
おはようございます。開発2課の田中です。
表題の件、ご報告いたします。
現在、私がリーダーを担当しております「株式会社みらいロジスティクス様向けスマートオフィス実証実験プロジェクト」において、機能の一つである「入退室管理システム」のモジュール開発が、当初の計画より3営業日ほど遅延する見込みとなりました。
原因としましては、担当メンバーの1名が先週から体調不良で欠勤しており、作業の引き継ぎに想定以上の時間がかかってしまっているためです。
遅れを取り戻すべく、まずは私の方で残業してカバーしようと考えておりますが、それでも2営業日程度の遅延は避けられない状況です。
つきましては、今後の対応についてご指示をいただけますでしょうか。
お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願いいたします。
田中 健太
回答と解説を見る
正解:B
選択肢Bがベストです。
選択肢Bがベスト
この選択肢が最も優れている理由は、管理職としての基本的な行動原則をバランス良く満たしているからです。
- 1. 現状把握の優先:
まず何よりも、憶測で判断せず、部下から直接情報を収集しようという姿勢(Fact Finding)が重要です。3営業日の遅延という情報だけで拙速な判断を下すのは危険です。「5分だけ電話で」という具体的な提案は、自身の時間的制約を考慮しつつ、必要な情報を得るための現実的なアクションです。 - 2. 組織的対応の視点:
「田中の残業だけで解決せず、チームで対応しよう」というメッセージは、問題を個人に帰責せず、組織(チーム)として解決する姿勢を示すものです。これは、部下に安心感を与え、課全体のパフォーマンスを最大化しようとする管理職の役割そのものです。 - 3. 部下への配慮:
問題の報告をしてきた田中さんへの感謝と、体調不良のメンバーを気遣う言葉は、チームの心理的安全性を高める上で非常に効果的です。特に、悪いニュースを報告してきた部下を労う姿勢は、今後の円滑な情報共有(ホウレンソウ)を促進します。
選択肢Cは、自身がプレイヤーに戻ってしまう典型的なNG行動です。選択肢Aは、状況把握が不十分なまま部下に責任を丸投げしており、無責任かつリスクが高い判断と言えます。
重要度:高 / 緊急度:高
重要度:高緊急度:高
この案件は、時間管理マトリクスにおいて「重要かつ緊急」な第1象限に位置づけられます。
- 重要度(高)の理由:
クライアントとの約束である「納期」に関わる問題であり、企業の信用問題に直結します。対応を誤れば、顧客満足度の低下や、将来の取引への悪影響を及ぼす可能性があるため、極めて重要度が高い案件です。 - 緊急度(高)の理由:
報告があった時点で、すでに対応策を検討・実行する必要があります。放置すれば遅延がさらに拡大したり、関係者への連絡が遅れて二次的な問題が発生したりする可能性があります。会議が始まる前の限られた時間で、最低限の初動(状況把握と方針指示)を取る必要があるため、緊急度も高いと判断します。
管理職として納期遅延や進捗遅れといった問題に直面した際、冷静かつ的確な初動が求められます。アセスメント試験では、以下のマインドセットと行動原則が評価されます。
持つべきマインドセット
- 1. 「問題」と「人」を切り分ける:
遅延という「問題」は解決すべき対象ですが、報告してきた部下や原因となったメンバーは「責める」対象ではありません。むしろ、問題を隠さずに報告してくれたことをポジティブに捉え、協力的な姿勢を示すことが重要です。 - 2. 「個人プレー」から「チームプレー」へ:
「自分が頑張れば何とかなる」というプレイヤー時代の発想は捨てましょう。管理職の役割は、チームのリソース(人員、時間、スキル)を最適に再配分し、組織として成果を出すことです。 - 3. 「なぜ」より「どうする」:
原因究明(なぜ遅れたのか)はもちろん重要ですが、緊急時にはまず「今からどうするか(Do)」と「どうあるべきか(Be)」を優先して考え、チームを前に進めることが求められます。
アセスメントで加点されやすい行動原則
- 事実確認を最優先する: メールや又聞きだけで判断せず、当事者から直接、一次情報を得る姿勢を見せましょう。
- 複数の選択肢を検討する: メンバーの追加、他チームからの応援要請、顧客との納期再交渉、仕様の一部変更など、解決策の選択肢を複数考え、それぞれのメリット・デメリットを比較検討する視点が評価されます。
- 関係者への報告・連絡を怠らない: 顧客、上司、関連部署など、影響が及ぶ可能性のある関係者に、どのタイミングで何を伝えるべきかを常に意識することが重要です。

