【部署間対立Lv3】開発遅延と納期厳守の板挟み!

【部署間対立Lv3】開発遅延と納期厳守の板挟み! インバスケット演習

あなたは、本日付けでITソリューション企業「株式会社ネクストビジョン・テクノロジーズ」の新製品開発本部 第2開発部の課長に着任しました。
前任の課長が健康上の理由で急遽長期休職に入ったため、十分な引き継ぎもないまま業務を開始することになりました。

あなたの部署は、会社の次世代主力製品と期待される業務効率化クラウドサービス「ConnectSphere」の開発を担当しています。現在は、3ヶ月後に予定されている正式ローンチに向け、最終的な追加機能の開発と品質向上に取り組んでいる最中です。

今日は着任初日。あなたは山積みの資料に目を通し、部下への挨拶を済ませたところです。しかし、1時間後には社長も出席する全社経営会議があり、その準備に追われています。
未読メールの処理に与えられた時間は【4分】です。以下のメールを読み、あなたの最初の行動として最も適切なものを選択肢から一つ選んでください。

差出人: 佐藤 誠 <m.sato@next-vision.co.jp>
日時: 20XX年10月26日(木) 9:15
宛先: 第2開発部 課長(あなた)
CC: 鈴木 一郎 (開発本部長), 高橋 健太 (マーケティング本部長)
件名: 【至急・要回答】新製品「ConnectSphere」のローンチスケジュール厳守のお願い


第2開発部 課長様

マーケティング本部の佐藤です。この度はご着任おめでとうございます。
早速本題で恐縮ですが、最重要案件である「ConnectSphere」のローンチスケジュールについて、改めて開発本部のご認識を伺いたくご連絡しました。

先日、貴部の担当リーダーである田中さんから、「追加機能の品質担保のため、ローンチを1ヶ月延期したい」との申し入れがありました。しかし、この遅延は到底受け入れられるものではありません。

ご存知の通り、競合である「スマートワークス社」が、2ヶ月後に類似サービスを発表するという確度の高い情報が入っています。我々が彼らより先に市場に製品を投入できなければ、先行者利益を全て失い、このプロジェクトの成功は極めて困難になります。

「技術者のこだわり」でビジネスチャンスを逃すのは本末転倒です。マーケティング本部としては、当初の計画通り、3ヶ月後のローンチを断固として死守すべきと考えております。

つきましては、本日中に、第2開発部としてスケジュールを厳守する旨、明確なご回答をいただけますでしょうか。本件、両本部長もCCに入れさせていただいております。
ご確認のほど、よろしくお願いいたします。

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株式会社ネクストビジョン・テクノロジーズ
マーケティング本部 プロダクトマーケティング部
部長 佐藤 誠
————————————

A

佐藤部長に、「まずは事実確認と代替案の検討をしたいので、開発本部長も交えた3者で30分ほど緊急ミーティングをお願いできないか」と電話で打診する。
B

ひとまず状況を落ち着かせるため、「本件、承知いたしました。まずは両部署の担当者レベルで再度協議させ、折衷案を検討させます」と返信する。
C

部下の意見と製品品質を尊重し、「品質担保のためには1ヶ月の遅延はやむを得ない。スケジュールの再考をお願いしたい」とマーケティング部の佐藤部長に毅然とした態度で返信する。
回答と解説を見る

正解:A

選択肢Aがベストです。

選択肢Aがベスト

この問題の核心は、感情的になりつつある部署間の対立を、いかに建設的な議論へと転換させるかという点にあります。管理職には、自部署の利益だけを代弁するのではなく、会社全体の利益を最大化するための調整役としての動きが求められます。

  • 選択肢Cは、自部署の論理を一方的に主張するだけであり、対立をさらに激化させる最悪の選択です。「部下を守る」という視点は大切ですが、相手の立場や全社的な事業戦略を無視した行動は、管理職として不適切です。
  • 選択肢Bは、一見すると穏便な対応に見えますが、問題を現場に丸投げしており、管理職としての意思決定を放棄しています。根本的な解決には至らず、時間稼ぎにしかなりません。責任回避と見なされ、リーダーシップを疑われる可能性があります。
  • 選択肢Aは、対立を解決するための最も効果的なアプローチです。まず、メールという一方的なコミュニケーションではなく、直接対話(電話やミーティング)の場を設定しようとする姿勢が重要です。その上で、①感情論ではなく事実(遅延の具体的な理由、競合情報、ビジネスインパクト)を共有し、②関係者(この場合は両部長)を巻き込み、③代替案(例:機能を絞って予定通りリリースするミニマム版、段階的な機能リリースなど)を協議する、という問題解決のフレームワークを提示しています。これは、新任管理職として状況を主体的にコントロールし、全社最適の解を導き出そうとするリーダーシップを示す最善の行動です。

重要度:高 / 緊急度:高

【重要度:高】
会社の次期主力製品の成否に直結する案件であり、事業戦略上のインパクトが極めて大きい。また、部署間の協力関係を損なえば、今後の業務全般に悪影響を及ぼすため、組織マネジメントの観点からも重要度は高いと判断します。

【緊急度:高】
メールで「本日中」の回答を求められており、経営層も状況を注視しています。対応が遅れれば、憶測や不信感が広がり、問題がさらにこじれる可能性があります。迅速な初動が求められるため、緊急度は高いと判断します。

部署間の利害が対立する場面は、管理職にとって避けては通れない試練です。このような状況に陥った際、アセスメントで高く評価される行動原則は以下の通りです。

  • 1. 感情ではなく事実で話す場を作る:
    メールの文面などから感情的な対立が読み取れる場合、テキストでの応酬は避けるべきです。冷静に事実を整理し、代替案を議論するための対話の場を設定することが最初のステップです。
  • 2. 「VS」構造から「WITH」構造へ:
    「開発部 VS マーケティング部」という対立構造に陥ってはいけません。管理職の役割は、両部署が「会社の事業成功」という共通の目的に向かって協力する「WITH」の関係性を再構築することです。そのためには、相手部署の目的や懸念(この場合は「競合に負けたくない」)を深く理解し、尊重する姿勢が不可欠です。
  • 3. ゼロか100かではなく、代替案を模索する:
    「予定通りか、1ヶ月延期か」という二者択一で考えると、話は平行線を辿ります。「一部の機能を削って納期を守る」「β版として先行リリースし、本機能は後から追加する」など、双方の目的を部分的にでも達成できる創造的な代替案(第3の案)を模索し、提示する能力が管理職には求められます。
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