あなたは、クラウドサービス企業「株式会社ネクストリーム」のマーケティング部プロモーション課の課長に本日付で着任しました。
前任者は急な海外赴任となり、十分な引き継ぎは受けられていません。そして、あなたは早速今日から1週間の海外カンファレンスへの出張です。
空港のラウンジで搭乗を待つ間、PCを開いてメールをチェックすることにしました。搭乗開始まであと3分。この時間内で、緊急性の高いメールに対応し、関係者に必要な指示を出さなければなりません。
差出人: 大野 誠 <m.ohno@nextream.co.jp>
日時: 20XX年10月26日 14:05
宛先: プロモーション課 課長
CC: マーケティング部長、開発部長
件名: 【至急・ご相談】「春の新規顧客獲得キャンペーン」における新機能リリース時期について
プロモーション課長
(CC: 関係者各位)
開発部 第2開発課の課長の大野です。
この度は、課長へのご昇進、誠におめでとうございます。
さて、早速で大変恐縮なのですが、貴部署で企画されている「春の新規顧客獲得キャンペーン」の件で、至急ご相談したい事項がございます。
キャンペーンの目玉としてプロモーション予定の主力製品「BizFlow」の新機能「AIレコメンド機能」について、開発チーム内で想定外の技術的課題が発生し、当初の計画から開発が遅延している状況です。
このままでは、キャンペーン開始日までのリリースは、品質を担保した状態では極めて困難と言わざるを得ません。つきましては、開発部から以下のいずれかのご提案をさせていただきたく、ご連絡いたしました。
- 代替案1: リリース時期を当初の予定から1ヶ月延期する。
- 代替案2: キャンペーン開始日に間に合わせるが、一部機能を制限し、品質保証も不完全な「ベータ版」としてリリースする。
私どもとしましては、無理なリリースによって重大なシステム障害や顧客からのクレームを招く事態は絶対に避けたいと考えております。会社の信頼に関わる問題ですので、何卒ご理解いただけますと幸いです。
つきましては、マーケティング部としてのご見解を伺いたく、可能であれば本日中に一度、直接お話しさせていただくことは可能でしょうか。
お忙しいところ恐れ入りますが、ご検討のほど、よろしくお願い申し上げます。
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株式会社ネクストリーム
開発本部 開発部 第2開発課
課長 大野 誠
回答と解説を見る
正解:C
選択肢Cがベストです。
選択肢Cがベスト
この判断が最も優れている理由は、新任管理職として不可欠な複数の原則に基づいているからです。
- 1. 事実ベースの判断: 開発部からの一方的な情報だけで即断せず、まずは自部署の担当者にも事実確認を指示しています。これにより、現場レベルでの正確な情報を収集し、客観的な状況把握に努める姿勢が示せます。感情論や部署間の力関係で判断するのではなく、ファクトに基づいて問題解決を図る基本姿勢は極めて重要です。
- 2. 建設的なコミュニケーション: 一方的に要求を突きつけたり(選択肢B)、安易に妥協したり(選択肢A)するのではなく、まず相手の連絡に感謝を伝え、対話による解決を目指す姿勢を示しています。これは部署間の信頼関係を構築する上で不可欠です。
- 3. ステークホルダーの巻き込みと当事者意識: この問題は両部署だけでは解決できない可能性があることを理解し、上長を含めた関係者による会議を提案するのは、組織的な意思決定を促す適切な行動です。また、出張中であっても「Web会議で参加する」と伝えることで、問題を他人任せにしない当事者意識と責任感の強さを示すことができます。
選択肢Aは問題解決を放棄し、自部署に不利益を押し付けており、リーダーシップを発揮しているとは言えません。選択肢Bは自部署の都合だけを考えた「部分最適」の考え方であり、会社全体にリスクをもたらし、部署間対立を深刻化させる最悪の選択です。
重要度:高 / 緊急度:低
重要度: 高
会社の売上目標に直結する重要キャンペーンの成否に関わる案件です。また、新機能の品質問題は顧客満足度や企業ブランドの信頼性にも影響を及ぼします。さらに、この対応一つで今後のマーケティング部と開発部の関係性が決まる可能性もあり、組織運営の観点からも重要度は非常に高いと言えます。
緊急度: 低
メールには「至急」「本日中に」とありますが、これはあくまで相手(大野課長)の希望です。実際にリリースするのはまだ先であり、空港にいる30分で白黒をつけなければならない問題ではありません。むしろ、情報が不十分な中で拙速な判断を下すことこそが最大のリスクです。したがって、すぐに対応に着手する必要はありますが、最終的な結論を出す緊急性は低いと判断し、情報収集や関係者との調整を優先すべきです。この「本当の緊急度」を見極める能力が問われています。
部署間の対立や利害調整は、管理職が日常的に直面する重要なテーマです。この種の課題に対応する際のマインドセットと、アセスメントで評価される行動原則は以下の通りです。
マインドセット
- 全体最適の視点を持つ: 自部署の目標達成(部分最適)だけを考えるのではなく、「会社全体にとっての最善の選択は何か」という視点を常に持つことが重要です。相手部署は敵ではなく、同じ会社の目標を共有するパートナーです。
- 「対立」を「共同作業」と捉える: 問題を「勝ち負け」で捉えるのではなく、異なる専門性を持つ部署が協力してより良い解決策を生み出すための「共同作業」と捉えましょう。
- 事実と感情を分離する: 感情的な反発や憶測を排し、常に客観的なデータや事実(ファクト)に基づいて議論を進める姿勢が、建設的な解決への近道です。
評価されやすい行動原則
- 1. 傾聴と共感: まずは相手の主張や状況を真摯に聞く姿勢を示しましょう。「〇〇というご状況なのですね」「品質を懸念されるお気持ちは理解できます」といった一言が、対立を緩和します。
- 2. 目的の再確認: 「そもそもこのキャンペーンの目的は〜でしたよね」というように、対立する両者が共有できる上位の目的やゴールを再確認することで、議論が建設的な方向に向かいやすくなります。
- 3. 選択肢の創造: 0か100かの二者択一ではなく、「ベータ版でリリースし、特定の顧客層に限定公開してはどうか?」「一部の機能だけでも先行リリースできないか?」など、第三、第四の代替案や折衷案を積極的に模索・提案する姿勢が高く評価されます。
- 4. 適切な報告・連絡・相談: 自分一人で抱え込まず、必要に応じて上司や関係部署を適切に巻き込むことが、組織としての最適な意思決定につながります。

