あなたは、中堅食品メーカー「株式会社ネクストフーズ」の営業推進課で、1ヶ月前に課長に就任したばかりです。
チームメンバーとの関係構築を進めている最中ですが、今日は直属の上司である佐藤部長が終日出張で不在です。
あなたは今から3分で、溜まっている20件の案件を処理しなくてはなりません。以下のメールは、そのうちの1件です。
差出人: 高橋 さやか <s.takahashi@nextfoods.co.jp>
日時: 20XX年10月27日 14:05
件名: 【ご相談】鈴木さんの経費申請について
〇〇課長
お疲れ様です。
営業推進課の高橋です。
大変申し上げにくいのですが、少し気になることがあり、課長にだけご相談させてください。
チームのエースである鈴木一郎さんの経費申請についてです。
先週金曜日の鈴木さんの経費申請に、取引先のX社様との会食費として5万円が計上されていました。
しかし、本日X社のご担当者様と電話でお話しした際に、雑談の中で「先週の金曜は家族サービスで水族館に行っていたんですよ」と仰っていました。
私の聞き間違いや勘違いかもしれませんが、もし万が一、不適切な経費利用があったとすれば、チームの士気にも関わる問題だと思います。
鈴木さんは実績もあり尊敬する先輩ですが、公正性の観点から看過できないと感じ、悩んだ末にご連絡いたしました。
お忙しいところ恐縮ですが、ご確認いただけますでしょうか。
よろしくお願いいたします。
高橋 さやか
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正解:C
選択肢Cがベストです。
選択肢Cがベスト
このケースでは、まず客観的な事実を固めることが最優先です。憶測や伝聞だけで行動を起こすのは、管理職として最も避けるべきだからです。
- 事実確認の原則: 疑惑の段階で本人に直接問いただす(選択肢A)のは、もし冤罪だった場合に取り返しのつかない人間関係の亀裂を生むリスクがあります。また、通報者の名前を出さずとも、本人に感づかれて通報者探しが始まる可能性も否定できません。
- 一次対応の重要性: すぐに人事やコンプライアンスに報告する(選択肢B)のは慎重な対応に見えますが、まずは部署内で確認できることを怠っていると判断されかねません。課長としての一次対応(事実確認)を放棄していると見なされるリスクがあります。
- 段階的アプローチ: 選択肢Cは、①客観的な証拠(経費システム)の確認、②通報内容の信憑性の再確認、という2段階で慎重に事実を集めるアクションです。この情報を持ってから、次の手(本人へのヒアリングや上司・人事への相談)を打つのが、最もリスク管理の観点から優れた判断と言えます。
重要度:高 / 緊急度:低
重要度:高
不正行為は、金額の大小に関わらず、組織の規律や公正性を揺るがす重大な問題です。放置すれば他の社員の士気を著しく低下させ、コンプライアンス違反が蔓延する温床になりかねません。課長として断固たる対応が求められるため、重要度は「高」です。
緊急度:低
人命に関わる、あるいは事業継続に致命的な影響を与えるといった案件ではないため、緊急度は高くありません。むしろ、この種の問題は拙速な対応が事態を悪化させることが多いです。通報者の保護や客観的な事実確認のため、冷静に、しかし着実に処理すべき案件であり、数時間〜1日程度の時間軸で慎重に対応策を練るべきです。したがって緊急度は「低」と判断します。
管理職として部下の不正疑惑に直面した際は、冷静沈着な対応が何よりも重要です。アセスメント試験では、以下の観点から思考・行動できるかが評価されます。
- ①事実ベースでの判断: 伝聞や憶測で動かず、まずは客観的な証拠やデータを収集する姿勢を見せることが重要です。「誰が言ったか」ではなく「何が事実か」を追求しましょう。
- ②通報者の保護: 内部通報は組織の自浄作用として不可欠です。通報者が不利益を被らないよう、情報管理を徹底し、安心して相談できる環境を作る意識が求められます。通報者の勇気に敬意を払う姿勢も大切です。
- ③段階的アプローチ: いきなり最終手段(本人への詰問や懲罰委員会への付議など)に飛びつくのではなく、「情報収集→事実確認→上司や専門部署への相談→本人へのヒアリング」といったように、ステップを踏んで慎重に事を進めるプロセス設計能力が試されます。
- ④当事者意識: 人事やコンプライアンス任せにするのではなく、まずは部署の責任者として、自分でできる範囲の事実確認と対応を行う姿勢が、管理職としての主体性を示す上で不可欠です。
不正は許さないという毅然とした態度と、関係者の人権やプライバシーに配慮する繊細さの両輪が、優れた管理職には求められます。

