あなたは未来技術サービス株式会社 第一営業部 課長 佐藤 健太です。
当社は最新のクラウドソリューションを提供する成長企業で、あなたは半年前、第二営業部の主任から現職に昇進したばかりです。第二営業部に在籍していた期間が長かったこともあり、旧部署の状況にも一定の理解があります。課長職として、自身のチームマネジメントに加え、部門全体の業績向上にも責任を負っています。
本日は、週明けの月曜日。出社し、PCを立ち上げたところ、人事部 部長 田中氏からの緊急メールが届いていました。差出人の役職、CCに入っているメンバーを見て、尋常ではない事態であることを察しました。
【制限時間:5分】
未読メールの内容を確認し、現段階で「課長であるあなたが最も優先すべきと判断する行動」を以下の選択肢から一つ選び、その理由を明確にしてください。
差出人:人事部 部長 田中 宏 <h.tanaka@mirai-tech.co.jp>
宛先:第一営業部 課長 佐藤 健太 <k.sato@mirai-tech.co.jp>
CC:法務部 部長 山本 剛 <t.yamamoto@mirai-tech.co.jp>、営業本部長 鈴木 恵子 <k.suzuki@mirai-tech.co.jp>
日時:20XX年4月8日(月)08:30
件名:【緊急】元社員からの未払い残業代請求に関するご報告とご相談
佐藤課長、
大変お忙しいところ恐縮ですが、至急ご確認いただきたい事項がございます。
本日早朝、当社に対し、元社員である高橋 大輔氏(20XX年3月31日退職、元第二営業部所属)より、代理人弁護士を通じて未払い残業代請求(過去3年間分、約300万円)および付加金(同額)の支払いを求める内容証明郵便が到達いたしました。
高橋氏は特に、在籍中の「サービス残業」が常態化していたと主張しており、当社の労働時間管理体制に疑義を呈しています。ご存じの通り、高橋氏は佐藤課長が第二営業部主任時代に指導されていたメンバーの一人でもあります。
この件は、金額の多寡に関わらず、当社の労務管理体制に対する疑義、ひいては企業イメージや今後の採用活動にも甚大な影響を及ぼす可能性があります。
つきましては、法務部山本部長とも連携し、緊急で本件の初動対応について協議したく、本日中に一度顔を合わせる時間をいただけますでしょうか。状況の詳細や今後の対応方針について、直接ご説明申し上げます。
添付資料に、高橋氏の請求内容に関する概要を添付しておりますので、ご一読ください。
何卒、よろしくお願いいたします。
人事部 部長 田中 宏
回答と解説を見る
正解:B
選択肢Bがベストです。
選択肢Bがベストです。
- 理由1:事実に基づいた戦略的アプローチの確立
未払い残業代請求のような労務トラブルにおいて、最も重要なのは「事実の把握」です。過去の勤怠データや業務記録といった客観的な証拠を速やかに収集することは、法務部や人事部が最適な対応策を検討し、会社としての反論や交渉戦略を構築する上で不可欠です。データなくしては、いかなる交渉も感情論に終始するか、不利な状況に陥るリスクがあります。 - 理由2:専門部署との連携と役割分担
本件は法務、労務、そして組織としての対応が求められる重大案件であり、個人の判断で動くべきではありません。人事部・法務部といった専門部署との迅速な連携は、法的リスクの最小化、社内規定への準拠、そして一貫した会社としての対応を保証します。管理職としては、自身の専門外の領域で独断で動くのではなく、専門家の知見を最大限に活用するための橋渡し役を担うべきです。 - 理由3:管理職としての問題解決への主体的な姿勢
「緊急会議の設定」だけでなく、「会議までに必要な情報収集の指示」まで行動に含めることで、単に指示を待つのではなく、自ら問題解決の一翼を担おうとする主体的な姿勢が評価されます。課長としての判断力と、関係部署を動かすマネジメント力を示しています。
その他の選択肢が不適切な理由:
- 選択肢A:事実関係の確認が不十分なまま、代理人弁護士に直接連絡を取ることは非常に危険です。会社が不利な立場に立たされる発言をしてしまうリスクや、不適切な和解条件を受け入れてしまう可能性があります。必ず法務部を通じて行うべきです。
- 選択肢C:上司への報告は必要ですが、本件は管理職として自ら初動対応をリードすべき重大案件です。全てを専門部署に一任し、自身のチーム業務に注力する姿勢は、危機管理能力や組織マネジメント能力が低いと判断される可能性があります。課長として、営業本部長へは「人事・法務部と連携し、対応を進める」旨を報告するのが適切です。
重要度:高 / 緊急度:高
重要度:高
- 未払い残業代請求は、会社の財務状況に直接的な影響を及ぼします(約300万円の請求額に加えて付加金や弁護士費用など)。
- 「サービス残業」の常態化という指摘は、企業のコンプライアンス体制や労務管理に対する社会的な信用を失墜させ、企業イメージを著しく損なう可能性があります。
- 他の従業員への波及効果や、今後の採用活動への悪影響も懸念されます。
緊急度:高
- 代理人弁護士からの内容証明郵便は、法的措置が目前に迫っていることを示しており、初動対応の遅れは会社の法的立場を不利にする可能性があります。
- 請求内容の時効問題もあり、迅速な事実確認と証拠保全が求められます。
- 人事部部長からの緊急メールと面談要請があり、速やかな情報共有と戦略立案が必須です。
労務トラブルに直面した管理職は、以下の原則を心に留めることで、アセスメント試験で高い評価を得られます。
- 原則1:冷静な状況把握と情報収集
感情的にならず、まずは客観的な事実(証拠)を最優先で集めることに注力してください。憶測や伝聞ではなく、具体的なデータに基づいて状況を判断する姿勢が重要です。 - 原則2:専門部署との迅速な連携
労務問題は法的な側面が強く、人事部や法務部といった専門家の知見が不可欠です。問題を抱え込まず、速やかに連携を確立し、彼らの指示を仰ぎながら行動することで、法的リスクを最小限に抑えられます。 - 原則3:組織全体への影響を考慮した判断
目の前の問題だけでなく、その解決策が組織全体(他の社員の士気、企業イメージ、今後の採用、他部署への影響)にどのような影響を与えるかを常に考慮してください。単なる目の前の火消しではなく、再発防止を含めた長期的な視点を持つことが管理職には求められます。 - 原則4:責任ある上司への報告
上司への報告は当然必要ですが、単なる「丸投げ」ではなく、「自身でここまで状況を把握し、専門部署と連携して対応を進める」という主体的な姿勢を伝えましょう。問題解決への意欲と能力を示すことが重要です。 - 原則5:公平性と透明性の追求
今回のケースでは元社員が相手ですが、社内の労務問題においても、従業員の声に耳を傾け、公平な対応を心がけることが、組織への信頼を構築する上で不可欠です。

