あなたは、中堅ITソリューション企業「株式会社ネクストステップ・ソリューションズ」の営業企画部 第2課の課長です。本日付でこの役職に就任しました。
前任の鈴木課長が急な体調不良で長期療養に入ったため、十分な引き継ぎがないままの着任です。あなたは着任初日の朝、自席でメールボックスを確認しています。山積みの未読メールを制限時間3分で処理し、優先順位をつけ、的確な指示を出さなければなりません。
以下のメールは、未読メールのうちの1通です。
差出人: 佐藤 健太 <k.sato@nextstep-sol.co.jp>
日時: 20XX年10月26日 09:15
件名: 【ご報告】フレッシュデリ・フーズ様向け「新商品需要予測AI」開発プロジェクトの進捗遅延について
田中課長
本日よりよろしくお願いいたします。
営業企画部第2課の佐藤です。
早速で大変恐縮なのですが、私が担当しております大手食品メーカー「フレッシュデリ・フーズ」様向けの「新商品需要予測AI」のPoC(概念実証)開発プロジェクトについて、進捗に遅れが生じているためご報告いたします。
【現状】
来週末(11/2)に予定されているクライアントへの中間報告会にて、AIの予測ロジックを実装したデモ画面をお見せする予定でしたが、現状の進捗では完成が3営業日ほど遅延する見込みです。
【原因】
開発を委託している外部パートナーの「テックフォワード社」の担当エンジニアが、先週急遽退職されました。後任の方のスキルは高いのですが、本プロジェクトへのキャッチアップに想定以上の時間がかかっていることが直接の原因です。
【懸念事項】
このままですと、中間報告会で十分なデモができず、フレッシュデリ・フーズ様の信頼を損なう可能性があります。本案件は、今後の大規模システム開発に繋がる重要なPoCと伺っております。
現在、テックフォワード社と連日コミュニケーションを取り、何とかリカバリーできないか調整を続けております。まだ、私のほうで巻き返せる可能性も残っているとは思うのですが、念のため課長にご報告し、今後の対応についてご指示をいただきたく存じます。
お忙しいところ恐縮ですが、ご確認のほどよろしくお願いいたします。
佐藤 健太
回答と解説を見る
正解:C
選択肢Cがベストです。
選択肢Cがベスト
この選択肢が最も優れている理由は、「現状把握」「方針提示」「人材育成」「リスク管理」という管理職に求められる4つの要素をバランス良く満たしている点にあります。
- 現状把握: まず部下である佐藤さんを呼び、メールだけでは分からない詳細な状況(パートナーとのやり取りの温度感、技術的な課題、彼の見通しの甘さなど)を直接ヒアリングすることが、的確な判断の第一歩です。彼の考えを聞くことで、彼の成長度合いも測ることができます。
- 方針提示: ヒアリングに基づき、課長として「クライアントへの影響を最小限にすること」という大方針を示し、具体的なアクションプラン(例:中間報告会ではデモの範囲を限定して見せる、正直に状況を報告して信頼を得る、など)を「一緒に」検討する姿勢が重要です。
- 人材育成: 一方的に指示する(B)のではなく、かといって丸投げする(A)のでもなく、部下の主体性を尊重しつつ、サポートする姿勢(「必要なら私も交渉に同席する」と伝えるなど)を見せることで、彼は安心して業務に取り組め、経験を通じて成長することができます。
- リスク管理: 最悪の事態(クライアントの信頼失墜)を避けるために、先手を打って対応策を検討するCの行動は、管理職としてのリスク管理能力の高さを示します。
選択肢Aは部下の育成を放棄した「丸投げ」、選択肢Bは部下の成長機会を奪う「過剰介入」であり、どちらも組織運営の観点から最適とは言えません。
重要度:高 / 緊急度:高
重要度:高 / 緊急度:高
- 重要度(高): 本案件は、メール本文にある通り「今後の大規模システム開発に繋がる重要なPoC」です。このプロジェクトの失敗は、目先の売上だけでなく、大手クライアントとの将来的な関係性にも悪影響を及ぼす可能性があり、事業上の重要度は非常に高いと判断できます。
- 緊急度(高): 中間報告会が「来週末」に迫っており、残された時間はわずかです。対応が1日遅れるごとに、取れる選択肢は狭まっていきます。リカバリープランの策定、クライアントへの事前説明などを考慮すると、本日中に具体的な方針を決定し、行動を開始する必要があるため、緊急度は高いと言えます。
納期遅延や進捗遅れの問題は、管理職が日常的に直面する典型的な課題です。アセスメント試験では、以下の観点からあなたの行動が評価されます。
- 1. 事実確認の徹底: 部下からの報告を鵜呑みにせず、客観的な事実(Fact)と主観的な意見(Opinion)を切り分けてヒアリングする姿勢が重要です。「3営業日の遅れ」という報告も、本当にそうなのか、さらに遅れるリスクはないのかを多角的に確認しましょう。
- 2. 犯人探しをしない: 問題が発生した際に、部下や取引先を責めるのは最悪の対応です。「どうすればこの状況を乗り越えられるか」という未来志向で、チーム全体で解決策を考える建設的な姿勢を示しましょう。これにより、部下は失敗を恐れずに「悪い報告」を迅速に上げるようになります。
- 3. ステークホルダーへの配慮: 問題解決にあたっては、クライアント、上司、関連部署、部下など、関係者(ステークホルダー)への影響を常に考える必要があります。特に、クライアントへの報告のタイミングと内容については、誠実さが鍵となります。隠蔽は最悪の結果を招きます。
- 4. 育成視点を持つ: 問題解決を部下の成長機会と捉える視点も大切です。ただ指示するだけでなく、「君ならどう考える?」と問いかけ、本人の思考を促し、最終的な意思決定をサポートすることで、部下は自律的な人材へと成長していきます。

