あなたは、地方銀行「みらい銀行」の法人営業課長、佐々木 健太です。本日が着任初日となります。
午前中は引き継ぎ等で慌ただしく過ごし、ようやく自席に戻って未読メールの山を処理し始めようとしています。
着任初日で部署内の状況を完全に把握していない中、あなたは制限時間3分以内に、以下の【緊急】メールに対する最善の対応方針を決定しなければなりません。
差出人: 営業担当 小川(入社5年目)
日時: 202X年7月1日(月) 10:30
件名: 【緊急】東都産業様からのご指摘について
佐々木課長、着任初日で大変恐縮ですがご報告とお伺いがございます。
先ほど、新人営業の田中が担当する優良顧客「東都産業」の社長様へ融資提案に同行した際、田中が誤って法改正前の古い金利・手数料パンフレットを渡していたことが判明しました。
金額の誤差自体は微小でしたが、社長様からは「事前確認が足りないのでは。大切な資金を任せて大丈夫か」と不信感を示すお言葉を頂戴いたしました。田中は平謝りでしたが、お客様の態度は硬化したままでした。
私としても同行者として確認を怠った責任を感じております。田中本人も深く反省しており、お客様へ再度正しい資料をお持ちして説明したいと希望しております。
課長として、この件についてどのようなご指示をいただけますでしょうか。
A
小川の提案を承認し、先輩である小川同行のもと田中に再度謝罪と正しい説明に行かせる。訪問後、詳細な報告と今後の確認フローの改善案を提出させる。
B
課長である自分が直接社長に電話し、特例としてさらに有利な特別金利を提示することで、不満を抑え込み契約を維持する。
C
すぐに田中と小川を課長席に呼び出し、なぜ確認を怠ったのかを厳しく叱責し、事実関係を徹底的にヒアリングする。顧客への対応はその後に決める。
回答と解説を見る
正解:A
選択肢Aがベストです。
この状況において最も管理職として適切な判断と言えます。
- 部下の成長機会の提供と責任感の醸成: 新人社員が自らのミスを認識し、上司の指導の下で主体的に解決に当たることは今後の成長に不可欠です。管理職が全てを肩代わりするのではなく、適切な権限委譲と指導を通じて部下を育てる視点が重要です。
- Bが劣る理由: ミスを「特例の金利」という会社の利益を削る形で揉み消そうとするのは、銀行員としてコンプライアンスやガバナンスの観点から最悪の選択(越権行為)です。
- Cが劣る理由: 顧客がすでに不信感を抱いている状況で、社内の犯人探しを優先し顧客への対応を遅らせることは、事態を悪化させるリスクがあります。まずは迅速な顧客対応を優先すべきです。
重要度:中 / 緊急度:中
顧客への誤った情報提供は信頼を損なう可能性がありますが、致命的な損害が確定したわけではありません。本日中には対応方針を決める必要があります。
「緊急」という言葉に即座に反応して自ら飛び出すのではなく、問題の軽重を見極め、部下(先輩・後輩)の体制を活用する視点を示すことが高評価につながります。

