あなたは、急成長中のITサービス企業「サイバーリンクス株式会社」で、中核事業を担う営業第二部の課長を務めています。
まもなく決算期を迎え、同時に来期の中核を担う新規サービス「クラウドコネクトX」のローンチも控えている重要な時期です。あなたの部署は慢性的な人員不足に直面しており、特にエース社員である田中健太は、新サービスの中核開発メンバーとしても重要な役割を担っています。
本日は週明けの月曜日。出社し、大量の未読メールをチェックしたところ、重要なメールが複数届いていました。制限時間は5分です。あなたはこれらのメールにどのように対応し、どのような行動を取るべきでしょうか?
【あなたの役割】
営業第二部 課長
【あなたの状況】
- 決算期直前、かつ新サービス「クラウドコネクトX」ローンチを控えている。
- 部署は慢性的な人員不足。
- 田中健太は次期リーダー候補であり、新サービスの主要メンバー。
未読メール 1/2
差出人: 営業本部長 佐藤 一郎
日時: 20XX年10月28日(月) 08:35
件名: 【重要】田中健太君の件について(CC:あなた)
〇〇課長、
先ほど田中健太君から、私に直接退職の意向が伝えられました。非常に困惑しています。彼は君の部署のエースであり、次期リーダー候補として期待していた人材だ。
来期の「クラウドコネクトX」のローンチを目前に控えているこの時期に、彼を失うことは絶対に避けたい。事業計画に多大な影響が出るのは明白だ。
君の方で早急に面談を設定し、引き止めに全力を尽くしてほしい。彼の退職は、何としても食い止めるように。結果は随時報告するように。
以上、よろしく頼む。
佐藤
未読メール 2/2
差出人: 田中 健太
日時: 20XX年10月28日(月) 08:40
件名: 退職のご相談(秘)
〇〇課長、
突然のご連絡で大変恐縮ですが、一身上の都合により、来る12月末日をもって退職させていただきたく、ご相談申し上げます。既に佐藤本部長にはお話しさせていただきました。
入社以来、課長には多大なるご指導をいただき、心より感謝しております。特に「クラウドコネクトX」のプロジェクトでは、重要な役割を任せていただき、大変光栄でした。
この時期にこのような申し出をすることになり、部署の皆様やプロジェクトに多大なご迷惑をおかけすること、深くお詫び申し上げます。可能な限り、後任への引き継ぎや残務処理には誠心誠意対応させていただきます。
お忙しいところ恐縮ですが、一度お時間をいただき、詳しいお話しをさせていただければ幸いです。
田中 健太
回答と解説を見る
正解:C
選択肢Cがベストです。
選択肢Cがベストです。
この状況は「重要度:高」「緊急度:高」に分類される、管理職として迅速かつ慎重な対応が求められる危機的状況です。選択肢Cが最も優れている理由は以下の通りです。
- 最優先の情報収集: 退職理由の真意を直接本人から聞き出すことが最も重要です。表面的な理由だけでなく、背景にある真の問題(不満、キャリアプラン、個人的な事情など)を理解しなければ、効果的な引き止め策や、仮に退職を回避できなかった場合の対応策も立てられません。感情的にならず、まずは傾聴に徹することで、本人の信頼を得る可能性も生まれます。
- ステークホルダーへの適切な速報: 本部長への速報は必須ですが、この段階で「引き止めます」と断言したり、根拠のない対策を報告したりするのは早計です。情報収集と状況把握に時間が必要であることを伝え、自身の責任で対応を進めていることを示すことで、上司の不安を軽減し、無用な介入を防ぎつつ、自身の判断裁量を得ることに繋がります。
- マネジメント視点での対応: 管理職として、直属の部下である田中健太の退職意向を最初に把握し、その真意を探ることは基本的な責務です。本部長の指示に唯々諾々と従うのではなく、自ら状況をコントロールしようとする主体的な姿勢が評価されます。
- 多角的な対応の準備: 面談を通じて真意を探ると同時に、頭の中では「引き止め策」「引き止められない場合の代替案(引き継ぎ、後任育成、プロジェクト体制の見直し)」の両方を検討し始める必要があります。選択肢Cは、この準備期間を確保するための適切な初動と言えます。
選択肢Bは、本人の真意を無視して上司の指示に盲目的に従うものであり、退職理由が待遇面以外にある場合、逆効果になりかねません。また、根拠なく引き止め策を提示するのはリスクが高いです。
選択肢Aは、人事部への連絡やリスク分析も重要ですが、この緊急性の高い状況において、本人の心情に寄り添い、真意を探るという最も肝心な初期対応が後回しになっています。手続きや分析は並行して進めるべきですが、第一歩としては不十分です。
重要度:高 / 緊急度:高
【この案件の「重要度」と「緊急度」】
- 重要度:高
- エース社員かつ次期リーダー候補の退職は、部署の即戦力喪失だけでなく、チーム全体の士気、残されたメンバーへの負荷、そして中長期的な組織成長に多大な影響を与えます。
- 特に、新サービス「クラウドコネクトX」の中核メンバーであるため、事業計画の遅延や品質低下に直結するリスクがあります。
- 緊急度:高
- 既に本部長へ退職意向を伝えており、事態は進行中です。退職希望日(12月末日)まで時間があるように見えても、引き止めや後任育成、引き継ぎには相当な時間と労力を要します。
- 決算期と新サービスローンチが目前に迫っており、対応が遅れると、事業へのダメージがより深刻化する可能性が高まります。迅速な初動が求められます。
このため、本案件は「重要度:高」「緊急度:高」の最優先事項として、管理職が自ら率先して、かつ多角的な視点から迅速に対応する必要があります。
管理職として突然の退職申し出に直面した際、感情的にならず、以下のマインドセットと行動原則を持つことがアセスメント試験で高く評価されます。
- 「情報収集」と「状況把握」を最優先: まずは本人から直接、退職理由の真意を深く聞き出すことに注力しましょう。表面的な理由だけでなく、背景にある組織課題や個人の不満、キャリアプランなどを理解することが、最も効果的な解決策を導き出す第一歩です。傾聴の姿勢が重要です。
- 「多角的視点」と「全体最適」: 個人の意向だけでなく、部署の事業計画、チームメンバーへの影響、顧客への影響、会社の規定など、多角的な視点から状況を分析します。感情的な引き止めだけでなく、組織全体としてどう対処すべきかを冷静に判断する視点が求められます。
- 「リスクマネジメント」と「代替案」: 引き止めに成功することだけをゴールとせず、「もし引き止められなかったら」という最悪のケースも想定し、後任育成、引き継ぎ計画、プロジェクト体制の見直しなどの代替案を常に検討しておくことが重要です。
- 「ステークホルダーマネジメント」: 直属の上司、人事部、関連部署など、関係者への適切なタイミングでの情報共有と協力体制の構築が不可欠です。本部長への速報、人事部への相談、チーム内での情報共有のタイミングなど、戦略的に判断しましょう。
- 「スピード感」と「主体性」: 重要かつ緊急性の高い案件では、迅速な初動がその後の展開を大きく左右します。また、上司の指示を待つだけでなく、自ら率先して状況をコントロールしようとする主体的な姿勢が管理職として評価されます。
アセスメント試験では、単に正解を選ぶだけでなく、その選択に至った思考プロセスや、他の選択肢を選ばなかった理由、そしてその後の展開をどこまで見据えているかが問われます。論理的思考力、状況判断力、そして組織を動かすリーダーシップを示しましょう。

