【部署間対立Lv2】部署間対立の解決法とは?で学ぶ利害調整

【部署間対立Lv2】部署間対立の解決法とは?で学ぶ利害調整 インバスケット演習

あなたは、食品メーカー「株式会社ウェルネスフーズ」で新設された商品企画二課の課長に本日付で着任しました。あなたの部署は、既存事業の派生商品の企画を担っています。
前任者は家庭の事情で急遽退職し、十分な引き継ぎは受けられていません。

あなたは着任初日の挨拶を終え、これから1時間、全部門長が出席する経営会議に代理出席しなければなりません。会議室へ向かう前に、PCに届いている未処理案件を最低限処理しておく必要があります。

【あなたの立場】
株式会社ウェルネスフーズ 商品企画二課 課長(本日着任)

【制限時間】
3分

未読メール


差出人: 製造部 生産管理課 課長 木下 誠
日時: 20XX年10月26日 9:15
件名: 【ご相談】新商品「朝の活力スムージー」のパッケージ仕様について

商品企画二課長様

着任早々、大変恐縮です。
製造部の木下です。表題の件でご相談があり、ご連絡いたしました。

先日、マーケティング部の高橋課長から、来月発売予定の新商品「朝の活力スムージー」のパッケージについて、急な仕様変更の依頼がありました。
具体的には、ラベルデザインの一部を、より光沢感のある特殊なインクに変更したいとのことです。

しかしながら、この変更に対応するには、現在確保している印刷ラインでは対応できず、外部の協力会社に特急で依頼する必要があります。これにより、1本当たり3円の追加コストが発生し、発売日も最低で1週間は遅延する見込みです。

高橋課長は「販促効果を最大化するために不可欠だ」の一点張りで、こちらの状況をなかなかご理解いただけません。
製造部としては、安定供給とコスト管理の観点から、当初の計画通り進めたいと考えております。

前任の課長にもご相談していたのですが、ご退職されてしまったため、改めて新課長にご判断をいただきたく存じます。
商品企画部門として、この件をどのように進めるべきか、ご見解をお聞かせいただけますでしょうか。

お忙しいところ申し訳ありませんが、本日中に一度お話合いの場を設けていただけると幸いです。

以上、よろしくお願いいたします。


株式会社ウェルネスフーズ
製造本部 製造部 生産管理課
課長 木下 誠

A

木下課長と高橋課長の両名にメールを送り、関係者で事実(追加コスト、納期遅延、期待される販促効果の根拠など)を共有するための三者会議を本日午後に設定することを提案する。
B

マーケティング部の高橋課長に電話し、「販促効果が最優先」という意見を支持する旨を伝え、コスト増と納期遅延を許容する方向で製造部を説得するよう促す。
C

製造部の木下課長に電話し、「コストと納期を最優先すべき」という製造部の意見を支持する旨を伝え、マーケティング部の高橋課長を説得するよう依頼する。
回答と解説を見る

正解:A

選択肢Aがベストです。

選択肢Aがベスト

この案件は、典型的な部署間の利害対立です。管理職として、どちらか一方の意見に安易に加担するのではなく、組織全体の利益(全体最適)を最大化する視点で判断を下す必要があります。

  • 理由1: 客観的な事実の共有
    現状では、製造部は「コスト・納期」、マーケティング部は「販促効果」というそれぞれの立場から主張しており、議論が噛み合っていません。まずは、判断の前提となる客観的な情報(具体的なコスト増、納期遅延による影響、販促効果の定量的データや根拠など)を関係者全員が正確に共有する場を設けることが不可欠です。選択肢Aは、この最も重要な第一歩を踏み出すための行動です。
  • 理由2: プロセスへの当事者意識
    一方的にどちらかの意見を支持すると(選択肢C, B)、支持されなかった部署は不満を抱き、協力体制に亀裂が入る可能性があります。関係者全員を議論の場に参加させることで、決定プロセスに当事者意識を持たせ、最終的な結論への納得感を高めることができます。
  • 理由3: 調整役としての立場表明
    新任課長として、特定部署に偏らない公平な調整役としてのスタンスを明確に示すことは、今後の部署間連携を円滑に進める上で極めて重要です。この初動対応は、あなたのマネジメントスタイルを周囲に示す最初の機会となります。

選択肢CとBは、一方の部署の意見を鵜呑みにしており、情報不足のまま安易な判断を下す行為です。これは対立をさらに煽り、組織全体のパフォーマンスを低下させるリスクが非常に高い行動と言えます。

重要度:高 / 緊急度:低

  • 重要度: 高
  • 緊急度: 低

【解説】

重要度は「高」です。新商品の発売スケジュールとコスト、さらには部署間の関係性という、事業の根幹に関わる問題だからです。この判断を誤れば、直接的な金銭的損失や機会損失だけでなく、組織の連携に長期的な悪影響を及ぼす可能性があります。放置すれば問題がこじれるため、確実に処理すべき案件です。

一方で、緊急度は「低」と判断します。メールには「本日中に一度」とありますが、これはあくまで相手の希望です。数時間以内に即決しなければプロジェクトが破綻するという性質のものではありません。まずは関係者を集めて情報を整理する時間的猶予は十分にあり、拙速な判断は避けるべきです。今日の午後に会議を設定する、というアクションで十分対応可能です。

部署間の利害対立は、組織が健全に機能している証拠でもあります。それぞれの部署が自部門のミッションを追求した結果として起こる自然な現象だからです。管理職には、この対立を建設的な結論に導く役割が求められます。

  1. 感情と事実を切り分ける
    対立が激化すると、当事者は感情的になりがちです。「いつも製造は非協力的だ」「マーケは現場を知らない」といった感情論に流されず、「何が事実か?」を客観的なデータや情報に基づいて整理するよう努めましょう。
  2. 共通のゴールを再確認する
    対立する両部署も、「会社の利益を最大化する」という共通のゴールを持っているはずです。議論がすれ違った際は、「我々が目指すべきゴールは何か?」という原点に立ち返らせることで、冷静な議論を促すことができます。
  3. 代替案(オプション)を共に考える
    「AかBか」の二者択一ではなく、「A案はないか?」と視野を広げることが重要です。例えば今回のケースでは、「発売日を遅らせずにコスト増を吸収する方法はないか?」「デザインの一部だけを変更してコストを抑えつつ効果を出すことはできないか?」など、創造的な解決策を全員で模索する姿勢が求められます。

アセスメント試験では、このような「全体最適の視点」「公平性」「建設的なプロセス設計能力」が一貫して見られています。どちらかの味方になるのではなく、両者をゴールに導くファシリテーターとしての役割を意識することが高評価に繋がります。

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