あなたは、ITソリューション企業「株式会社ネクストステップ・ソリューションズ」の営業第一課長に就任したばかりの佐藤です。
本日は月曜日。午前9時から1時間の予定で、海外出張中に溜まった未処理案件(20件)を処理する必要があります。あなたは自席のPCでメールをチェックし始めました。以下はそのうちの1件です。
なお、全社では現在、業務効率化と役割分担の明確化が進められており、各部署で新しい業務フローへの移行が進んでいる最中です。
差出人: 田中 誠 <m.tanaka@nextstep-sol.co.jp>
日時: 20XX年10月23日(月) 08:45
件名: 【至急ご相談】業務管理部との資料作成に関する件
佐藤課長
おはようございます。営業第一課の田中です。
朝早くから申し訳ありません。至急ご相談したい件があり、ご連絡いたしました。
現在担当しております大口顧客「ABC商事様」向けの追加提案の件ですが、来週月曜が提案資料の提出期限となっております。
先日通達があった新しい業務フローに基づき、資料内の定型的なデータ集計とグラフ作成部分を業務管理部に依頼したところ、担当の鈴木さんから「今回はイレギュラーなデータ項目が多く、営業側で対応範囲を判断できないため、すべて営業部で作成してほしい」と差し戻されてしまいました。
ルール上は業務管理部の担当範囲のはずなので、再度お願いしたのですが、「前例がない」「マニュアルにない」の一点張りで、話が進みません。
このままでは資料作成が間に合わなくなる可能性があります。
どのように対応すればよろしいでしょうか。ご指示をお願いいたします。
田中 誠
回答と解説を見る
正解:A
選択肢Aがベストです。
選択肢Aがベスト
この判断が最も優れている理由は、以下の3点です。
- マネジメントとしての責任遂行: 担当者レベルで膠着している部署間の問題を、課長という一つ上のレイヤーで解決しようとする姿勢は、管理職の役割として極めて適切です。問題を部下に丸投げしたり(選択肢B)、先送りしたり(選択肢C)せず、自らが解決の主体となる意思を示しています。
- 問題の根本解決へのアプローチ: 今回の「資料作成」という目先の事象だけでなく、その背景にある「部署間の役割分担の認識齟齬」という根本原因にアプローチしようとしています。相手方の課長と直接対話することで、今後同様の問題が再発するのを防ぐ狙いがあり、長期的・組織的な視点を持った判断と言えます。
- 部下への具体的な指示: 部下を不安な状態で放置せず、「自分が動くこと」を明確に伝えた上で、「イレギュラー部分の洗い出し」という具体的な次のアクションを指示しています。これにより、部下は安心して自分のやるべき作業に集中でき、業務の停滞を防ぐことができます。
重要度:低 / 緊急度:高
重要度:低
会社の業績や存続を揺るがすような、経営レベルの重要案件ではありません。あくまで日常業務の中で発生する定型的な部署間トラブルの一つであり、冷静に対処すれば解決可能な問題です。したがって重要度は「低」と判断します。
緊急度:高
顧客への提案資料の提出期限が来週に迫っており、部下の作業がこの問題によってストップしている状態です。放置すれば、提案の遅延という実害につながるリスクがあります。迅速な判断と指示が求められるため、緊急度は「高」と判断します。
この案件は、いわゆる「重要ではないが、急ぎで処理すべき」案件の典型例です。管理職は、このような案件を素早く的確に処理し、部下がスムーズに業務を遂行できる環境を整えることが求められます。
部署間の対立や利害調整は、管理職が日常的に直面する重要なテーマです。この種の課題に直面した際、以下のマインドセットを持つことが、高い評価につながります。
- 対立を「健全な状態」と捉える: 部署ごとのミッションが異なれば、意見が対立するのは当然です。営業は「顧客満足度」、業務管理は「社内プロセスの効率化・標準化」を追求します。この違いを前提とし、どちらが正しいかではなく、「会社全体として最適な着地点はどこか」という視点で考えることが重要です。
- 相手部署の立場を尊重する: 今回のケースでは、業務管理部の「ルールから外れたことは安易に引き受けられない」という立場にも一定の理があります。一方的に自部署の要求を押し付けるのではなく、相手の事情や懸念をヒアリングし、尊重する姿勢が信頼関係を築きます。
- 担当者レベルの膠着は、管理職が引き取る: 担当者同士で解決できない問題を放置すると、人間関係の悪化やセクショナリズムの助長につながります。アセスメントでは、問題が膠着した際に、速やかに管理職レベルにエスカレーションし、自らが調整役として動く姿勢が高く評価されます。
犯人探しではなく、未来志向の解決策を探る。このスタンスが、組織を円滑に動かす管理職の基本原則です。

