【部署間対立Lv1】営業とマーケの対立

【部署間対立Lv1】営業とマーケの対立 インバスケット演習

あなたは、食品メーカー「株式会社ウェルネスフーズ」の営業第一課に、本日付けで着任した新任課長です。
あなたの役割は、プレイングマネージャーとして既存顧客への営業活動を行いつつ、5名の課員のマネジメントと育成を担うことです。
社長からは「部署間の壁を取り払い、全社一丸となって目標を達成する文化を醸成してほしい」と特に期待をかけられています。

今日は着任初日。午前中は辞令交付と各部署への挨拶回りで慌ただしく過ごし、午後になってようやく自席でメールチェックを始めようとしています。
これから1時間後には、部長主催の「新任課長歓迎会」が予定されており、それまでしか時間は残されていません。あなたは、まず溜まっていた未読メールに目を通し始めました。

差出人: 山田 健太 (営業第一課) <k-yamada@wellnessfoods.co.jp>
日時: 20XX年10月26日 11:30
件名: 【ご相談】マーケティング部の新パンフレットについて


新任課長
お疲れ様です。営業第一課の山田です。
ご着任早々、大変恐縮なのですが、至急ご相談したい件がありご連絡いたしました。

先週から全社で導入された、マーケティング部作成の新しい商品パンフレットの件です。
正直に申し上げて、現場の営業メンバーからは非常に評判が悪いです。

  • 「専門用語や横文字が多く、お客様に商品の魅力が伝わりにくい」
  • 「デザインが先進的すぎて、当社の温かみのあるイメージと合っていない」
  • 「一番伝えたい価格やプランがどこに書いてあるか分かりづらい」

といった声が多数上がっており、皆、以前のパンフレットを使い続けたいと言っています。

このままでは、営業活動の効率が落ち、今期の目標達成にも影響が出かねません。
お忙しいところ恐縮ですが、課長からマーケティング部の鈴木課長に、現場の意見としてパンフレットの即時見直しを強く申し入れていただけないでしょうか。

よろしくお願いいたします。

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株式会社ウェルネスフーズ
営業本部 営業第一課
山田 健太
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A

山田を自席に呼び、「新しいものには反発がつきものだ。まずはこのパンフレットで3ヶ月やってみて、それでも数字に影響が出るようなら、その時に改めて考えよう」と伝え、一旦静観するよう諭す。
B

部下の意見を尊重し、すぐにマーケティング部の鈴木課長に電話をかけ、「現場が非常に困惑しており、営業活動に支障が出ている。至急パンフレットを修正してほしい」と強く要請する。
C

まず部下の山田に返信し、「具体的な事実を把握したいので、誰が、どの部分を、なぜ問題だと感じているのか。お客様の反応も含めて客観的な情報を集めて報告してほしい」と指示する。
回答と解説を見る

正解:C

選択肢Cがベストです。

選択肢Cがベスト

この選択肢が最も優れている理由は、管理職として不可欠な「事実に基づいた判断」と「建設的な問題解決」の姿勢を示している点にあります。

  • 事実確認の徹底: 部下からの報告は、感情や主観が含まれている可能性があります。まずは「評判が悪い」という抽象的な情報を、「誰が」「どの部分に」「どう困っているのか」という客観的なファクトに落とし込むよう指示することで、問題の本質を正確に捉えようとしています。これは、思い込みや伝聞で動いて失敗することを防ぐ、管理職の基本動作です。
  • 対立の回避: いきなり相手部署に抗議する(選択肢B)のではなく、まずは自部署内で情報を整理し、論点を明確にしています。これにより、感情的な対立に陥るのを避け、データに基づいた冷静な議論の土台を作ることができます。
  • 主体性の育成: 部下に「報告をまとめさせる」という一手間を加えさせることで、単なる不満の伝達者ではなく、問題解決の当事者としての意識を促す効果も期待できます。

選択肢Bは、行動は早いものの、事実確認を怠り、感情的に部署間の対立を煽るリスクが非常に高い悪手です。また、選択肢Aは、問題の先送りであり、部下の不満を軽視する姿勢は、新任管理職としての信頼を著しく損なう可能性があります。

重要度:高 / 緊急度:低

重要度:高 / 緊急度:低

この案件の評価は以下の通りです。

  • 重要度【高】: この問題は単なるパンフレットの出来不出来に留まりません。放置すれば、営業部とマーケティング部の間に深刻な溝を生み、組織全体の生産性を低下させるリスクを孕んでいます。特に、社長から「部署間の壁を取り払う」ことを期待されている新任管理職として、この問題にどう対処するかは、今後の信頼関係構築において極めて重要です。初期対応を誤ると、修復が困難な対立に発展しかねません。
  • 緊急度【低】: メール本文からは「以前のパンフレットを使いたい」という声があることから、代替手段が存在し、今すぐ対応しないと営業活動が完全に停止するわけではないと判断できます。致命的なクレームや売上急減といった事態には直結しておらず、1時間後の会議までに行動を完了させる必要はありません。まずは情報を集め、じっくりと腰を据えて対応すべき案件です。

管理職になると、部署間の利害が衝突する場面に必ず直面します。この種の課題で高い評価を得るためには、以下のマインドセットと行動が重要です。

  • 1. 感情ではなくファクトで語る: 「〇〇部が悪い」「現場はこう言っている」といった主観的な言葉で対立を煽るのではなく、「Aというデータに基づくと、Bという課題が生じています。解決策としてCを提案します」というように、常に客観的な事実やデータを基に議論を進める癖をつけましょう。
  • 2. 部分最適ではなく全体最適を追求する: 自部署の利益(部分最適)だけを主張するのではなく、「会社全体にとって何がベストか(全体最適)」という一段高い視点を持つことが不可欠です。相手部署のミッションや立場を尊重し、双方にとってメリットのある着地点(Win-Win)を探る姿勢が、優れた管理職の証です。
  • 3. 対立の仲裁者(ファシリテーター)を意識する: 管理職は、対立の当事者になるのではなく、両者の意見を引き出し、議論を整理し、建設的な結論に導く「仲裁者」としての役割を担うべきです。一方の肩を持つのではなく、常に公平な立場で問題解決に臨むことが、組織からの信頼につながります。
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