【部署間対立Lv1】共有施設の予約トラブル

【部署間対立Lv1】共有施設の予約トラブル インバスケット演習

あなたは、本日付けでITソリューション企業「株式会社ネクストステップ・ソリューションズ」の営業第一課・課長に就任した田中 誠です。前任の課長が急遽、海外赴任となったため、十分な引き継ぎは受けられていません。
本日は終日、主要な取引先への就任挨拶回りで外出しており、オフィスに戻れるのは17時頃の予定です。移動の合間にスマートフォンでメールをチェックすることにしました。
未処理案件は10件。この案件の処理にかけられる時間は3分です。

未読メール(1 / 10件)


差出人: 鈴木 健太(営業第一課)
日時: 20XX年10月26日 10:15
件名: 【ご相談】セミナールームの予約について

田中課長

本日よりよろしくお願いいたします。
営業第一課の鈴木です。

早速で恐縮なのですが、一点ご相談です。
担当しているX社様から、急遽明日、当社製品のデモンストレーションを見たいとのご要望がありました。ぜひ受注に繋げたい大きなチャンスです。

そこで、社内のセミナールームを予約しようとしたのですが、マーケティング課が「新製品の販促物準備」という理由で、今週いっぱい終日押さえています。
先方の担当者に「明日の午後だけでも貸してもらえないか」とお願いしたのですが、「準備が長引いており、スペースを空けるのは難しい」の一点張りで、取り合ってもらえません。

正直なところ、いつもマーケティング課は自分たちの都合で共有施設を長期間占有することが多く、営業活動に支障が出ています。今回も、本当に終日必要なのか疑問です。

課長からマーケティング課の佐藤課長に、少し融通を利かせてもらえないか、お話いただくことは可能でしょうか。
X社様への返答もあるため、本日お昼頃までにご指示いただけると幸いです。

お忙しいところ申し訳ありません。
よろしくお願いいたします。

鈴木 健太

A

部下の鈴木に返信し、「了解した。私がマーケティング課の佐藤課長に直接交渉してみる。君はX社への提案準備に集中してほしい」と伝える。
B

部下の鈴木に返信し、「まずは事実確認が重要だ。マーケティング課が具体的に何をしていて、なぜ終日必要なのか、もう一度丁寧にヒアリングしてみてほしい。その上で代替案(例:時間帯を区切る、別の会議室を使う等)を提示できないか、君から提案してみてくれないか」と指示する。
C

部下の鈴木に返信し、「共有スペースの問題は当事者間で解決するのが基本だ。まずは君の方で粘り強く交渉を続けてほしい。どうしても無理な場合にまた報告してほしい」と伝える。
回答と解説を見る

正解:B

選択肢Bがベストです。

選択肢Bがベスト

この案件は、難易度1の部署間対立の基本問題です。管理職としての初期対応の基本が問われます。

  • 事実確認の徹底: 部下からの報告は感情や主観が含まれている可能性があります。まずは客観的な事実(マーケティング課が本当にスペースを空けられないのか、その具体的な理由は何か)を確認するステップが不可欠です。一方的な情報で他部署に乗り込むのは、対立を悪化させるだけです。
  • 部下の育成: まずは本人に問題解決の努力をさせることで、交渉力や調整能力を育む機会となります。最初から上司が介入すると、部下は「困ったら上司に言えばいい」と考えるようになり、成長の機会を奪ってしまいます。具体的なアクション(ヒアリング、代替案の提示)を指示することで、部下を育成する視点も示せます。
  • 冷静な対応: 「いつもマーケティング課は…」という部下の不満に同調せず、冷静に組織全体としての最適解を探る姿勢を見せることが重要です。

選択肢Aは、部下を守る姿勢としては良いですが、事実確認を怠っており、部署間の対立をいきなりトップ交渉に持ち込む悪手です。選択肢Cは、問題解決を部下に丸投げするだけで、マネジメントを放棄していると見なされます。

重要度:低 / 緊急度:高

  • 重要度: 低
    会社の業績や事業継続に致命的な影響を与える案件ではありません。最悪の場合、セミナールームが使えなくても、他の大きな会議室を借りる、あるいは顧客先でデモを行うなど、代替案を考えることが可能です。
  • 緊急度: 高
    顧客への返答期限が「本日お昼頃まで」と設定されており、部下が困っている状況です。また、部署間の小さな火種は放置すると大きな問題に発展しかねないため、迅速な初期対応が求められます。

以上の判断から、この案件は「重要度は低いが、緊急度は高い」に分類されます。したがって、管理職自身が多くの時間を費やすのではなく、部下に適切な指示を与えて迅速に状況を動かすべき案件と言えます。

部署間の利害対立は、組織で働く上で必ず発生します。管理職としてこの種の問題に直面した際は、以下の点を意識すると評価が高まります。

  1. 感情と事実の切り分け
    部下からの報告には、不満や憶測といった感情的な要素が含まれがちです。「いつも」「絶対に」といった言葉に惑わされず、客観的な事実は何かを冷静に見極める姿勢が重要です。
  2. 部分最適から全体最適へ
    自部署の利益(部分最適)だけを追求するのではなく、「会社全体にとって最も良い結果は何か」という視点(全体最適)で物事を考えることが管理職には求められます。他部署の事情や役割にも敬意を払い、解決策を探りましょう。
  3. 仕組みによる再発防止
    今回の問題が解決しても、根本的な原因(共有施設の予約ルールが曖昧など)が残っていれば再発します。目先のトラブル対応だけでなく、「今後は明確な予約ルールを設けましょう」といった仕組み作りの提案ができると、より高い評価に繋がります。
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