【納期遅延Lv3】重要プロジェクトの進捗遅れにどう対応する?

【納期遅延Lv3】重要プロジェクトの進捗遅れにどう対応する? インバスケット演習

あなたは、食品メーカー「株式会社ウェルネスフーズ」で新設された健康食品開発部の課長、高橋 裕介です。

あなたの部は、若手中心の少数精鋭チームで、現在、社の命運を左右する大型プロジェクト「プロジェクト・エナジーブースト」を推進しています。これは、次世代の主力商品となる新しい栄養ドリンクの開発プロジェクトです。

今日は月曜日。あなたは今朝から2日間の工場視察出張に出発します。空港に向かうタクシーの中から、出発前の1時間で溜まったメールを処理しなければなりません。出張中は電波状況が悪く、緊急時以外の詳細なコミュニケーションは困難な状況です。

差出人: 鈴木 誠 <m.suzuki@wellnessfoods.co.jp>
日時: 20XX年10月30日(月) 08:15
件名: 【至急・ご相談】プロジェクト・エナジーブーストの進捗遅延について


高橋課長

いつもお世話になっております。
プロジェクトリーダーの鈴木です。

表題の件、ご出張前に大変恐縮ですが、緊急でご相談したいことがありご連絡いたしました。

現在担当している「特殊フレーバー成分Bの安定化」の工程において、想定外の化学反応が多発しており、計画から大幅な遅延が生じております。
現状の見込みでは、今週末に予定されている役員向けの中間報告会までに、目標としていた試作品の完成が絶望的な状況です。

チームメンバーと連日対策を協議していますが、有効な解決策を見出せておらず、正直なところチーム全体の雰囲気も少し重くなっています。
このままでは、最終的な製品リリース日にも影響が出かねないと危惧しております。

私の力不足で申し訳ありません。
今後の対応について、至急、課長のご指示をいただけますでしょうか。

よろしくお願いいたします。

—
健康食品開発部
鈴木 誠

A

すぐに鈴木に電話をかけ、「とにかく中間報告会に間に合わせることが最優先だ。残業や休日出勤もやむを得ない。代替案として成分Cを使う方向で、今日中に再計画を立てて報告しろ」と強く指示する。
B

鈴木にメールで、「状況は理解した。まずは君のチームで原因の深掘りと、複数の対策案(メリット・デメリット含む)を整理してほしい。出張から戻り次第、その資料を基に議論しよう。君を信頼している」と返信する。
C

すぐに鈴木に電話をかけ、「大変な状況の中、報告ありがとう。まずは落ち着いて。技術的な問題については、過去に類似案件を成功させた研究開発部のベテラン、山田さんに相談してみてはどうか?私が事前に一本連絡を入れておく。君たちは山田さんの知見も借りながら対策案を練り、私が出張から戻ったら一緒に壁打ちをしよう」と伝える。
回答と解説を見る

正解:C

選択肢Cがベストです。

選択肢Cがベスト

この判断が最も優れている理由は、問題解決の推進と、部下(チーム)の育成・心理的安全性の確保という、管理職に求められる複数の役割をバランス良く果たしている点にあります。

  • 心理的安全性への配慮: まず「報告ありがとう」と感謝を伝え、相手の状況を労うことで、悪い報告をした部下のプレッシャーを和らげ、信頼関係を強化しています。これにより、今後も問題が早期に報告されやすい組織文化が醸成されます。
  • 具体的なリソースの提供: ただ「考えろ」と突き放すのではなく、「研究開発部の山田さん」という具体的な解決の糸口(人的リソース)を提示しています。これは、上司が組織全体を俯瞰し、必要なリソースを繋ぐハブとしての役割を果たす、優れたマネジメント行動です。
  • 主体性の尊重: 最終的な対策案の検討はチームに委ね、「戻ったら壁打ちをする」というスタンスを取ることで、リーダーである鈴木の主体性やチームの自律性を尊重しています。Aのように一方的に指示する(マイクロマネジメント)のではなく、部下の成長機会を奪っていません。
  • リスク管理: Bのように「戻るまで待つ」という対応は、問題がさらに深刻化するリスクを放置することになります。Cは、上司不在の間も問題解決プロセスが停滞しないよう、初動を的確に支援しており、リスク管理の観点からも適切です。

重要度:高 / 緊急度:高

  • 重要度: 高
    社の命運を左右する大型プロジェクトであり、この遅延が事業計画全体に与える影響は計り知れません。また、チームの士気低下は、放置すれば生産性のさらなる悪化や離職に繋がる可能性もあり、組織マネジメント上の重要課題です。
  • 緊急度: 高
    今週末の役員報告会という短期的なマイルストーンが迫っており、対応が後手に回れば経営層からの信頼を失うリスクがあります。「至急」と明記されている通り、問題解決に向けた初動は一刻も早く開始する必要があります。

したがって、この案件は「重要度:高」かつ「緊急度:高」のマトリクスに位置づけられ、即座に、かつ適切な対応が求められる最優先課題です。

納期遅延や進捗遅れの問題は、管理職が日常的に直面する典型的な課題です。アセスメント試験では、このようなプレッシャーのかかる状況で、いかに冷静かつ多角的な視点で判断できるかが評価されます。

マインドセット

  • Bad News Firstを歓迎する: 部下が勇気をもって悪い報告をしてきた際は、決して叱責せず、まずは報告してくれたことに感謝の意を示しましょう。これが「問題を隠さない」健全な組織文化の第一歩です。
  • 「問題」と「人」を切り分ける: 起こった事象(問題)と、報告してきた部下(人格)は明確に切り離して考えます。責任追及から入るのではなく、未来志向で「では、どうすれば解決できるか」という姿勢で臨むことが重要です。

加点されやすい行動原則

  • 「指示」より「支援」: 答えをすべて与えるトップダウン型の指示は、部下の思考停止を招きます。解決のためのヒント、リソース、相談相手を提供し、部下が自ら答えを導き出せるよう支援する「サーバント・リーダーシップ」の姿勢が高く評価されます。
  • 組織力を活用する: 問題を自部署だけで抱え込まず、他部署の専門家や過去のナレッジなど、会社全体のアセットを最大限に活用する視点を持ちましょう。部門間の連携を促すハブとなる動きは、管理職としての視野の広さを示す好材料です。
  • 感情的ケアと論理的解決の両立: まずは部下の不安や焦りに共感し、精神的なサポートを行う(感情的ケア)。その上で、事実に基づいた冷静な現状分析と、具体的な次の一手を提示する(論理的解決)。この両輪を回すことが、困難な状況を乗り越える上で不可欠です。
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