【納期遅延Lv2】若手からのプロジェクト納期遅延報告への対応力

【納期遅延Lv2】若手からのプロジェクト納期遅延報告への対応力 インバスケット演習

あなたは、ITソリューション企業「株式会社ネクストビジョン」のソリューション開発2課の課長に就任して3ヶ月目の佐藤です。

本日は午前中から取引先での打ち合わせがあり、13時に自席に戻ってきたところです。PCを開くと未処理のメールがいくつか溜まっています。
14時からは部長への週次定例報告が控えているため、それまでの3分間で急ぎの案件を処理しなくてはなりません。

あなたは、以下のメールを処理することから始めました。

差出人: 高橋 健太 <k.takahashi@next-vision.co.jp>
日時: 20XX年10月26日 11:30
件名: 【ご報告】X社向け新機能開発プロジェクトの進捗について


佐藤課長

お疲れ様です。
ソリューション開発2課の高橋です。

現在私が担当しております、X社向け新機能開発プロジェクトの「顧客データ連携モジュール」についてご報告です。

開発中に、連携先である外部システムのAPI仕様に未公開の変更があったことが判明し、吸収するための追加実装に想定以上の工数がかかっております。
このままのペースで進むと、私が担当しているモジュールの来週末の結合テスト期限に間に合わない可能性が高いです。

つきましては、今後の進め方についてご指示をいただけますでしょうか。
お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願いいたします。

—
高橋 健太
株式会社ネクストビジョン
ソリューション開発2課

A

「報告ありがとう。まずは落ち着いて、現状(何が問題か、遅延の見込み日数)、考えられる対策案、君が最善と思う案とその理由を14時までにチャットで報告してほしい。それを見てから5分ほど話そう」とメールで返信する。
B

すぐに高橋を自席に呼び、「状況を詳しく口頭で説明してほしい。今から一緒に解決策を考えよう」と伝える。
C

「承知した。まずは君が考える対策案を3つ挙げて、それぞれのメリット・デメリットと合わせて午後イチで報告してほしい」とメールで返信する。
回答と解説を見る

正解:A

選択肢Aがベストです。

選択肢Aがベスト

この選択肢が最も優れている理由は、「現状の正確な把握」「部下の主体性の促進」「迅速な意思決定」の3つの要素をバランス良く満たしている点にあります。

  • 現状の正確な把握: 「問題点」「遅延見込み」「対策案」「本人の意見」という具体的な報告項目を指示することで、客観的で整理された情報を得ることができます。これにより、マネージャーは次の的確な判断を下しやすくなります。
  • 部下の主体性の促進: 一方的に指示を出すのではなく、まず本人に対策案と最善と思う案を考えさせることで、当事者意識と問題解決能力の育成を促しています。これは難易度2の課題として、部下育成の視点を持つ上で重要なアクションです。
  • 迅速な意思決定: 「14時まで」「チャットで」と具体的かつ緊急度に応じた手段と期限を設定し、「5分ほど話そう」と次のアクションを明確に示しています。これにより、問題を放置することなく、効率的に次のステップに進むことができます。

選択肢Bは、すぐに部下に関与する姿勢は良いものの、部下の思考を促す機会を奪い、マネージャーがプレイングマネージャー化する典型的なパターンです。選択肢Cは、部下に考えさせる点は良いですが、「午後イチ」という曖昧な指示であり、緊急性への配慮がやや不足しています。部下の不安を煽り、報告の質も担保できない可能性があります。

重要度:高 / 緊急度:高

重要度: 高 / 緊急度: 高

この案件は、重要度・緊急度マトリクスにおいて「最優先で対応すべき課題」に位置づけられます。

  • 重要度(高)の理由:
    顧客向けのプロジェクト納期に関わる問題であり、対応を誤れば会社の信用問題に直結します。また、若手社員が初めて直面するトラブルである可能性も高く、この機会に適切な問題解決プロセスを指導することは、部下の成長と組織力強化という観点からも重要です。
  • 緊急度(高)の理由:
    「来週末」という具体的な期限が迫っており、対応が遅れるほど取りうる選択肢が狭まります。また、報告者である高橋自身が不安を感じ、業務の手が止まっている可能性があります。彼の不安を解消し、チームの士気を維持するためにも、迅速な初動が求められます。

管理職として、部下から納期遅延のような「悪いニュース」の報告を受けた際の対応は、組織の成果と信頼関係を大きく左右します。

アセスメントで評価される行動原則

  • 1. 報告を歓迎する姿勢を示す:
    まず「報告ありがとう」と伝えることが重要です。悪いニュースを報告しづらい雰囲気を作ってしまうと、問題が手遅れになるまで発覚しないという最悪の事態を招きます。問題を早期に共有してくれたことを評価する姿勢を見せましょう。
  • 2. パニックにならず、事実を整理させる:
    問題が発生すると、当事者は混乱しがちです。「何が起きているのか(Fact)」「なぜそうなったのか(Cause)」「どうすべきか(Action)」を冷静に整理させることで、客観的な視点を取り戻させます。今回のように、報告フォーマットを指示するのも有効な手段です。
  • 3. 部下に「考えさせる」プロセスを挟む:
    マネージャーがすぐに答えを与えたり、代わりに作業をしたりするのは短期的な解決にしかなりません。まず本人に解決策を考えさせることで、当事者意識を高め、長期的な問題解決能力の育成に繋がります。
  • 4. 期限と次のアクションを明確にする:
    「考えておいて」という曖昧な指示はNGです。「いつまでに」「何を」「どういう形式で」報告してほしいのかを明確に伝え、その後の自分のアクション(例:「報告を受けたら5分話そう」)も示すことで、部下は安心して次の行動に移ることができます。

この手の問題では、部下を突き放す「放任」でも、過剰に介入する「マイクロマネジメント」でもなく、適切な「支援(サポート)」ができるかが評価の分かれ目となります。

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