あなたは、中堅電子部品メーカー「株式会社ネクストパーツ」の営業企画課の課長です。1ヶ月前にこの役職に就任したばかりです。
現在、あなたの課では、全社的にも注目されている「新製品Aの販促キャンペーン」の企画を進めており、あなたは全体のプロジェクトマネージャーを任されています。
本日は月曜日の午前10時。あなたは朝から重要な役員会議に出席しており、自席に戻ったのはお昼の12時です。午後の13時には別の会議が入っているため、案件を処理できるのは昼休みの1時間しかありません。
PCを開くと、未処理のメールが数件届いていました。その中の一通が以下のメールです。
差出人: 佐藤 健太 <k.sato@nextparts.co.jp>
日時: 20XX年10月30日(月) 9:15
件名: 【ご相談】新製品A販促キャンペーンのWebサイト制作の件
〇〇課長
お疲れ様です。営業企画課の佐藤です。
現在、私が担当しておりますキャンペーン用Webサイトの制作について、進捗が芳しくないためご相談させてください。
制作を委託している外部パートナーの「デザイン・ラボ社」から、メインビジュアルのデザイン案の提出が、当初の予定日(先週金曜)より2営業日遅れている状況です。
先ほど担当者の方に連絡したところ、「社内でのクリエイティブチェックに時間がかかっている」との説明でしたが、具体的な提出日についてはまだ回答をいただけておりません。
このままだと、来週月曜に予定している関係部署との社内レビューに、デザイン案を提出できなくなる可能性があります。
どのように対応すればよろしいでしょうか。
お忙しいところ恐縮ですが、ご指示をいただけますと幸いです。
よろしくお願いいたします。
佐藤 健太
回答と解説を見る
正解:C
選択肢Cがベストです。
選択肢Cがベスト
この判断が最も優れている理由は、管理職としての基本行動である「部下を通じた問題解決」と「的確な状況把握」を実践している点にあります。
- 現状把握の指示: まず憶測で動くのではなく、担当者である佐藤さんに「遅延の具体的な理由」と「最短の提出見込み」という2つの重要な事実を確認するよう指示しています。これにより、精度の高い情報に基づいた次のアクションを検討できます。
- 部下の主体性の尊重: 課長がすぐに直接介入するのではなく、まずは担当者である佐藤さんに対応させることで、彼の主体性や問題解決能力を育む機会を与えています。これは部下育成の観点からも非常に重要です。
- 明確な期限設定: 「1時間以内に報告」という具体的な期限を設けることで、問題対応のスピード感を確保し、事態の悪化を防ぐ意識を示しています。
- サポートの意思表示: 「必要なら私もサポートします」と付け加えることで、問題を丸投げするのではなく、最終的な責任は自分が取るという姿勢を示し、部下に安心感を与えています。
選択肢Aは、具体的な指示がなく、部下にプレッシャーをかけるだけの「丸投げ」です。選択肢Bは、すぐに上司が介入する「マイクロマネジメント」であり、部下の成長機会を奪うだけでなく、担当者である佐藤さんの顔を潰すことにもなりかねません。したがって、現状把握、部下への権限移譲、そしてサポートの姿勢をバランス良く示した選択肢Cが、管理職の初動として最も適切です。
重要度:高 / 緊急度:高
- 重要度: 高
- 緊急度: 高
この案件は【重要度:高、緊急度:高】の領域に位置づけられます。したがって、最優先で対応すべき案件です。
【重要度が高い理由】
このキャンペーンは「全社的にも注目されている」重要プロジェクトです。Webサイトの遅延はキャンペーン全体のスケジュールに影響を及ぼし、会社のビジネス機会の損失に繋がる可能性があるため、重要度は「高」と判断します。
【緊急度が高い理由】
「来週月曜の社内レビュー」という明確な期限が迫っています。本日中に対策を講じなければ、レビューに間に合わなくなり、関係部署からの信頼を損なう可能性があります。放置すれば状況が悪化するため、緊急度は「高」と判断します。
納期遅延や進捗遅れは、プロジェクトにおいて日常茶飯事です。管理職として重要なのは、問題が発生した際に冷静かつ的確に状況をコントロールすることです。
アセスメントで評価される行動原則
- 1. 犯人探しをしない:「なぜ遅れたんだ!」と部下や取引先を責めても状況は好転しません。「どうすればリカバリーできるか」という未来志向の解決策に焦点を当てましょう。
- 2. まずは事実確認を徹底する: 憶測や感情で判断せず、部下に「5W1H(いつまでに、誰が、何を、なぜ、どうするのか)」を明確に報告させましょう。的確な情報は、的確な判断の土台となります。
- 3. 部下の主体性を引き出す: すぐに自分が介入するのではなく、「君ならどうするのが良いと思う?」と問いかけ、部下に一次対応や対策案の検討を促しましょう。これは部下の育成と当事者意識の醸成に繋がります。
- 4. 最終責任は自分が取る姿勢を示す: 部下に任せつつも、「困ったことがあればいつでも相談してほしい」「最終的な責任は私が取る」というメッセージを伝えることで、部下は安心して挑戦できます。
進捗遅れの報告は、悪いニュースではありますが、同時にチームの問題解決能力とマネージャーの力量が試される良い機会でもあります。冷静な初動で、チームの信頼を獲得しましょう。

