あなたはサクラ精密工業株式会社 営業一部 課長 田中 健一です。
あなたの部署は、コロナ禍以降、一部リモートワークが導入されており、部署内のコミュニケーションにはこれまで以上の配慮が必要となっています。営業成績は概ね好調ですが、部下たちの勤怠管理やモチベーション維持、そしてコンプライアンス意識の徹底は、課長であるあなたの重要な責務です。
本日は午前中から重要な会議が立て込んでおり、終日外出する予定はありませんが、会議と会議の合間の3分程度の空き時間に、未読メールのチェックと対応が求められています。このメールは、その最中にあなたの目に留まったものです。
【制限時間:3分】
提示された選択肢の中から、あなたが取るべき行動を一つ選び、その理由を簡潔に説明してください。
差出人: 佐藤 恵 (営業一部)
宛先: 田中 健一 (営業一部 課長)
日時: 20XX年10月28日 (月) 9:00
件名: 【ご相談】鈴木さんの業務中の行動について
田中課長、お疲れ様です。営業一部の佐藤です。ご相談なのですが、少し前から鈴木さんの業務中の行動について気になっています。
鈴木さんは最近、頻繁に業務用のPCでオンラインゲームをしているようです。私が近くを通る際に、隠すように画面を閉じたり、イヤホンをして熱中している様子を何度か見かけました。
直接注意するべきか迷ったのですが、同期ということもあり、波風を立てたくない気持ちもあります。しかし、他のメンバーの士気にも関わると思い、課長にご相談させて頂きました。
業務に支障が出ているかは正直分かりませんが、このような状況を放置して良いものかと思い、メールいたしました。お忙しいところ恐縮ですが、ご対応いただけると幸いです。
よろしくお願いいたします。
佐藤 恵
回答と解説を見る
正解:B
選択肢Bがベストです。
選択肢Bがベストです。
- 事実確認の徹底と客観性: 報告はあくまで一方的な情報であり、感情的になったり憶測で判断したりすることは避けるべきです。まずは社内規定を確認することで、何が問題となる行為であるか、客観的な基準を把握できます。その上で、報告者からより具体的な情報を収集することで、事実関係を多角的に検証する準備が整います。
- 初動の迅速性と慎重さのバランス: 問題を放置しないという迅速な対応姿勢は重要ですが、すぐに当事者を詰問したり厳しく処分をちらつかせたりすることは、状況を悪化させる可能性があります。まずは事実を正確に把握し、然るべき手順を踏むための準備が、管理職の初動として最も適切です。
- 記録の重要性: 将来的に問題が発展した場合や、指導を行った経緯を説明する際に、いつ、どのような情報があり、どのような対応を取ったかの記録は不可欠です。インバスケット試験では、このような「プロセス管理」の視点も重視されます。
- 部下への配慮: 報告してくれた佐藤さんへの感謝と、その情報を真摯に受け止める姿勢を示すことは、部下からの信頼を得る上で非常に重要です。また、佐藤さんに更なる情報収集を依頼する際も、課長自身が対応の準備を進めていることを伝えることで、安心感を与えることができます。
重要度:高 / 緊急度:低
この案件は「重要度:高」「緊急度:低」に位置づけられます。
- 重要度:高
業務中のPC私的利用は、単なるサボりではなく、職務専念義務違反や情報セキュリティポリシー違反に該当する可能性があります。放置すれば、他の従業員の士気低下、部署全体の規律の緩み、ひいては情報漏洩などより重大なコンプライアンス違反に繋がるリスクを孕んでいます。組織の信頼性や健全性を損なう可能性があるため、重要度は高いと判断されます。 - 緊急度:低
現時点では、直接的に業務に大きな支障が出ているという明確な報告はありません。また、直ちに企業の存続を揺るがすような緊急事態というわけではありません。そのため、慌てて感情的な対応を取るよりも、まずは冷静に事実確認と社内規定の確認を行い、適切な対応を検討するための準備期間を設けることが可能です。ただし、放置すれば緊急度が「中」や「高」に移行するリスクがあるため、対応は迅速に開始する必要があります。
管理職としてコンプライアンス違反の事案に直面した際、アセスメント試験で評価されるポイントは以下の通りです。
- 感情的にならない: 事実に基づき、客観的かつ冷静に状況を判断する姿勢が求められます。憶測や感情的な対応は、問題解決を遠ざけるだけでなく、新たなハラスメント問題を引き起こすリスクもあります。
- 事実確認の徹底: 報告された情報を鵜呑みにせず、多角的な情報収集に努めることが重要です。誰が、いつ、どこで、何を、どのように、という5W1Hを明確にすることで、正確な状況把握が可能になります。
- 規程に基づいた判断と対応: 会社の就業規則や情報セキュリティポリシー、行動規範などに照らし合わせ、何が問題であり、どのような対応が適切かを判断します。個人的な感情や価値観ではなく、組織のルールに従うことが基本です。
- 迅速かつ慎重な初動: 問題を放置せず、迅速に対応を開始する「当事者意識」は必須です。しかし、性急な対応は避け、まずは情報収集と準備に時間をかける「慎重さ」も同じくらい大切です。
- 記録の徹底: 関連する全ての情報、調査内容、判断、指示、行動を文書やメールなどで記録に残す習慣は、管理職として不可欠です。これは、後の説明責任や再発防止策の検討に役立ちます。
- 必要に応じた報告・相談: 自分一人で抱え込まず、上司や人事部、法務部など関係部署に適切に報告・相談できるかどうかも重要な評価ポイントです。特にコンプライアンス違反は組織全体に関わる問題です。
- 再発防止の視点: 問題を個人の責任に帰するだけでなく、部署全体の意識向上やルールの見直しなど、再発防止に向けた視点を持てると、より高い評価に繋がります。

