あなたは、大手食品メーカー「アジワイフーズ株式会社」の営業第二課長です。現在、あなたの課は課長であるあなたを含めて6名体制です。
本日より1週間の海外出張のため、あなたは今、空港のラウンジにいます。搭乗開始時刻まであと3分しかありません。その間にPCを開いてメールをチェックしたところ、未処理の案件がいくつか届いていました。
あなたは、この限られた時間の中で、各案件の優先順位を判断し、関係者に適切な指示や対応を行う必要があります。
差出人: 高橋 健太 (営業第二課)
日時: 20XX年10月26日 09:15
件名: 【ご相談】今後のキャリアについて
〇〇課長
いつもお世話になっております。
営業第二課の高橋です。
海外出張の直前に大変申し訳ございません。
突然のご連絡で恐縮ですが、今後のキャリアについて考えた結果、一身上の都合により、来月末をもちまして退職させていただきたく、ご連絡いたしました。
詳しいお話につきましては、課長が出張からお戻りになられましたら、別途お時間をいただけますと幸いです。
まずはご報告をと思い、メールを差し上げました。
取り急ぎ、ご確認のほどよろしくお願いいたします。
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アジワイフーズ株式会社
営業本部 営業第二課
高橋 健太
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A
「メールは確認しました。詳しい話は帰国後に聞かせてください」と本人に返信し、同時に人事部長と直属の上司である営業部長に状況を報告するメールを送る。
B
すぐに高橋本人に電話をかけ、詳しい退職理由をヒアリングし、まずは慰留に努める。
C
今は出張のことで頭がいっぱいなので、詳しい話は帰国後に聞くことにして、メールは一旦放置する。
回答と解説を見る
正解:A
選択肢Aがベストです。
選択肢Aがベスト
このケースでは、選択肢Aが管理職としての初動対応として最も適切です。理由は以下の通りです。
- 1. 本人の意思の尊重と冷静な対応:
まず「メールは確認した」と返信することで、相手の連絡を無視していないことを伝えます。その上で「帰国後に話を聞く」という姿勢は、相手の意思を一旦受け止め、冷静に対話する場を設けるという誠実な態度を示します。空港のラウンジから慌てて電話で慰留しようとすると、感情的になったり、不十分な情報で誤った対応をしたりするリスクがあります。 - 2. 組織としての報告義務の遂行:
社員の退職は、チームや部署、ひいては会社全体に関わる重要な事案です。管理職には、これを速やかに上司(営業部長)と関連部署(人事部)に報告する義務があります。この「報告・連絡・相談」を怠ると、組織としての対応(後任の検討、採用活動、業務の引き継ぎ計画など)が遅れ、事業への影響が拡大する恐れがあります。第一報を迅速に行うことは、管理職のリスクマネジメント能力の表れです。 - 3. 業務遂行との両立:
出張という本来の重要業務を控えている状況で、今できる最善の対応(本人への一次返信と関係者への報告)を的確に行っている点も評価できます。問題を放置せず(選択肢Cの誤り)、かといって目の前の業務を疎かにするほど深入りもせず(選択肢Bのリスク)、バランスの取れた判断です。
重要度:高 / 緊急度:高
この案件は「重要度:高」「緊急度:高」に位置づけられます。
- 重要度(高):
期待の若手社員の退職は、単に人員が1名減る以上のインパクトがあります。チームの士気低下、担当していた顧客への影響、残されたメンバーの業務負荷増大、そして採用・育成コストの損失など、組織に与える影響は甚大です。したがって、最優先で取り組むべき重要案件と判断します。 - 緊急度(高):
本人から退職の意思表示があった瞬間から、対応のカウントダウンは始まっています。初動を誤ると、本人の意思がより強固になったり、周囲への情報漏洩による混乱を招いたりする可能性があります。また、関係部署への報告が遅れれば、組織的な対応も後手に回ります。「今すぐ30分かけて慰留する」必要はありませんが、「今すぐ一次対応と報告を行う」必要性は極めて高いため、緊急度は「高」となります。
管理職として、部下からの突然の退職申し出は避けて通れない問題の一つです。この種の事態に直面した際の心構えと、アセスメント試験で評価される行動原則は以下の通りです。
マインドセット
- 1. まずは「傾聴」、そして「受容」:
退職を「裏切り」と捉えず、部下が人生をかけて悩んだ末の「決断」であると理解しましょう。まずは感情的にならず、相手の話を冷静に聞く姿勢が不可欠です。なぜその決断に至ったのか、その背景を真摯に受け止めることが信頼関係を維持する鍵となります。 - 2. 課題の自分事化:
退職理由が「給与や待遇」であっても「人間関係」であっても、その背景には自部門や会社の組織的な課題が隠れている可能性があります。「個人の問題」で片付けず、「自分のマネジメントや組織に改善すべき点はなかったか?」と自問自答し、組織課題として捉える視点が管理職には求められます。
アセスメントでの加点ポイント
- 組織的視点での行動:
自分の部署だけの問題と捉えず、上司や人事部など、関係各所を巻き込んで組織として対応しようとする姿勢が高く評価されます。迅速な「報・連・相」は基本中の基本です。 - 冷静かつ論理的な判断:
突然の悪い知らせに動揺せず、限られた時間と情報の中で、何をすべきで、何をすべきでないかを冷静に判断する力が試されます。感情論ではなく、組織への影響を最小限に抑えるための最善手は何かを論理的に考えましょう。 - 未来志向の姿勢:
退職をネガティブな出来事で終わらせず、原因を分析し、今後の組織改善や人材育成に活かそうとする未来志向の姿勢を示すことができれば、より高い評価に繋がります。

