あなたは、ITソリューション企業の「株式会社ネクストステップ・ソリューションズ」営業第一課の課長です。本日付で課長に着任したばかりで、まだ部下一人ひとりの顔と名前も完全に一致していない状況です。
あなたの直属の上司である営業部長は、海外出張のため1週間不在です。あなたはこれから3分以内に、溜まっている未処理案件に対応し、方針を決定しなければなりません。まず最初に、以下のメールを開きました。
差出人: 鈴木 誠 <m.suzuki@nextstep-s.co.jp>
日時: 20XX年10月27日 09:15
件名: 【ご相談】少しお時間をいただけないでしょうか
新任課長
(CC: なし)
おはようございます。
営業第一課の鈴木です。この度は課長ご就任、誠におめでとうございます。
早速で大変恐縮なのですが、少しご相談したいことがありご連絡いたしました。
実は、同僚の佐藤健太さんのことなのですが、昨日、業務終了後に会社の備品である高性能モニターを箱に詰め、自家用車で持ち帰っているのを見かけました。
佐藤さんは最近「自宅の作業環境を整えたい」と話していたので、もしかしたら私的に利用するつもりなのかもしれません。
もちろん、会社に申請して許可を得ている可能性もありますし、僕の勘違いかもしれません。悪気があってのことではないとも思うのですが、見てしまった以上、少し気になってしまい…。
どのように対応すべきか分からず、課長にご相談させていただきました。
お忙しいところ申し訳ありませんが、本日中に少しだけお時間をいただくことは可能でしょうか。
ご確認のほど、よろしくお願いいたします。
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株式会社ネクストステップ・ソリューションズ
営業本部 営業第一課
鈴木 誠
内線: 1234
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回答と解説を見る
正解:B
選択肢Bがベストです。
選択肢Bがベスト
【解説】
不正疑惑のようなデリケートな問題に対応する際の基本は、「①客観的な事実確認」「②関係者への配慮」「③冷静かつ慎重な対応」です。この観点から、まずは情報の精度を高めることが最優先となります。
- 事実確認の優先: 誰かから伝え聞いた情報は、あくまで「伝聞」や「疑惑」の段階です。行動を起こす前に、まずは通報者である鈴木さんから、先入観を挟まずに客観的な事実(5W1H)を詳しくヒアリングする必要があります。これにより、状況を正確に把握し、誤った判断を下すリスクを減らすことができます。
- 冤罪のリスク回避: 選択肢Aのように、十分な事実確認をせずに本人に直接問いただすのは非常に危険です。もし勘違いだった場合、佐藤さんのプライドを傷つけ、信頼関係に修復不可能なダメージを与えてしまいます。「疑わしきは罰せず」の原則に立ち、確証を得るまでは慎重に行動すべきです。
- 管理職としての主体性: 選択肢Cのように、初動から他部署に丸投げするのは、管理職としての主体性や問題解決能力を疑われかねません。もちろん最終的には人事やコンプライアンス部門との連携が必要になる可能性はありますが、まずは自身の管理下で起きている問題の一次情報を収集・整理し、状況を把握することが課長としての責務です。
したがって、最初に相談者である鈴木さんとの信頼関係を築きながら正確な情報を収集する、選択肢Bが最も適切かつリスクの低い初動と言えます。
重要度:高 / 緊急度:低
【重要度:高】 × 【緊急度:低】
- 重要度が高い理由:
備品の私的利用は、たとえ悪意がなくても会社の服務規律違反にあたるコンプライアンス上の問題です。これを放置すれば、組織全体の規律が緩み、他の社員のモラル低下につながる恐れがあります。管理職として看過できない重要な案件です。 - 緊急度が低い理由:
現時点で会社に直接的な金銭的損害や事業継続に関わるような甚大な被害が発生しているわけではありません。人命に関わるような事故でもありません。したがって、焦って対応することで冤罪を生んだり、人間関係を悪化させたりするリスクを冒すよりも、時間をかけて慎重に事実確認を行うべき案件です。
管理職として不正疑惑の案件に対応する際は、以下のマインドセットと行動原則を意識することが、アセスメント試験で高く評価されるポイントとなります。
1. 冷静沈着と事実ベースの思考
疑惑の報告を受けると、つい感情的になったり、早急に白黒つけたくなったりしがちです。しかし、管理職に求められるのは、予断を持たずに客観的な事実(ファクト)を収集・整理する冷静さです。伝聞や憶測で動くのではなく、「誰が」「いつ」「どこで」「何をしたか」という具体的な情報を元に判断する癖をつけましょう。
2. 関係者への最大限の配慮
この種の問題には、必ず「通報者」と「被疑者」が存在します。通報者の安全とプライバシーを守り、勇気をもって相談してくれたことに感謝の意を示すことが、風通しの良い組織作りの第一歩です。同時に、被疑者の人権と名誉にも配慮し、確たる証拠がない段階で犯人扱いすることは絶対に避けなければなりません。
3. 段階的なアプローチ
インバスケット試験では、問題を一発で解決しようとするのではなく、適切なプロセスを踏んでいるかが評価されます。不正疑惑の場合、理想的な手順は以下の通りです。
- ステップ1: 情報収集(通報者からの詳細ヒアリング)
- ステップ2: 事実確認(物証の確認、周囲へのヒアリングなど慎重に行う)
- ステップ3: 上司への報告・相談(一人で抱え込まない)
- ステップ4: 本人へのヒアリング(外堀を埋めてから、冷静に)
- ステップ5: 処分・指導の決定と実施(就業規則に則る)
- ステップ6: 再発防止策の検討・展開
初動で焦らず、まずは「情報収集」と「状況把握」に徹する姿勢を見せることが重要です。

