【部署間対立Lv2】営業部と開発部の対立を解決する最適解とは?

【部署間対立Lv2】営業部と開発部の対立を解決する最適解とは? インバスケット演習

あなたは、大手総合家電メーカー「ネクステック株式会社」の商品企画部 第一企画課の課長です。あなたは現在、2ヶ月後に発売を控えた新製品スマート加湿器「ミストウェル」のプロジェクトマネージャーも兼務しています。

今日は金曜日の午後1時半。あなたは午後から半日休暇を取得し、これから帰宅するところです。緊急の用件は部下があなたの携帯電話に連絡をくれる手はずになっていますが、基本的には週明け月曜日に対応するつもりです。

PCを閉じる前に、未処理のメールが1件あることに気づきました。あなたは、この案件をどのように処理しますか。

差出人: 営業本部 第一営業課 課長 鈴木 一郎
CC: 開発本部 第二開発課 課長 田中 誠
日時: 20XX年10月27日(金) 13:15
件名: 【至急・要調整】新製品「ミストウェル」の仕様変更依頼の件


商品企画部 山田課長

お疲れ様です。営業本部の鈴木です。

表題の件、本日午前に実施した大手家電量販店との最終商談にて、競合他社の新製品に関する重要な情報を入手しました。
競合の新製品には「アロマオイル対応機能」が標準搭載されるとのことです。

このままでは、我々の「ミストウェル」は市場投入と同時に魅力が半減し、当初の販売計画達成が極めて困難になることが予想されます。
つきましては、緊急で「アロマオイル対応機能」の追加を開発部に依頼したく、プロジェクトマネージャーである山田課長からも強く後押しをお願いできないでしょうか。

先ほど、開発本部の田中課長に内線で相談したところ、「今から仕様変更など、スケジュール的に絶対に不可能だ」と、けんもほろろんな対応でした。
このままでは、営業として拡販の責任を持つことができません。

大変恐縮ですが、来週月曜の朝一番に、関係者での緊急対策会議の場を設けていただけますでしょうか。何卒よろしくお願い申し上げます。

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営業本部 第一営業課
課長 鈴木 一郎
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A

すぐに開発部の田中課長に電話をかけ、「営業部も危機感を持っている。なんとか仕様変更を再検討できないか」と説得を試みる。
B

営業部の鈴木課長と開発部の田中課長の両名に返信し、来週月曜の朝に関係者会議を設定する旨を伝え、アジェンダ調整に入る。
C

営業部の鈴木課長に返信し、「開発のスケジュールが厳しいのは事実だ。まずは現行仕様で販売目標を達成するための販売戦略を再考してほしい」と伝える。
回答と解説を見る

正解:B

選択肢Bがベストです。

選択肢Bがベスト

この案件における管理職(プロジェクトマネージャー)の最初の役割は、一方の意見に加担することなく、公平な立場で両者の意見を聞き、事実情報を整理する場を設定することです。選択肢Bは、その第一歩として最も適切です。

  • 公平性と中立性の担保: 営業部、開発部どちらかの意見に偏ることなく、まずは両者を同じテーブルに着かせるという姿勢が、利害調整の基本です。これにより、あなたが公平なファシリテーターであることを示すことができます。
  • 公式な議論の場の設定: 内線電話など非公式な場でのやり取りは、感情的な対立を助長しがちです。公式な会議の場を設定することで、感情論ではなく、客観的な事実(競合情報の確度、仕様変更の技術的課題や工数など)に基づいた建設的な議論を促すことができます。
  • 問題の共有化: この問題は営業部や開発部だけの問題ではなく、プロジェクト全体の課題です。関係者全員を集めることで、「自分たちの問題」として当事者意識を醸成し、協力して解決策を探る姿勢を引き出す狙いがあります。

選択肢Aは、営業の又聞き情報だけで開発にプレッシャーをかける行為であり、対立を煽るだけです。選択肢Cは、営業の危機感を軽視し、一方的に要求を退けるものであり、部署間の溝を深め、営業の士気を著しく下げるリスクがあります。

重要度:高 / 緊急度:低

重要度:高
緊急度:低

この案件を「重要度」と「緊急度」の2軸で判断した場合、上記のように整理するのが適切です。

  • 重要度(高)の理由:
    この問題は、新製品の売上目標達成に直結する極めて重要な課題です。また、部署間の対立を放置すれば、組織の連携が損なわれ、プロジェクト全体の遅延や品質低下につながるリスクも孕んでいます。管理職として最優先で取り組むべき案件と言えます。
  • 緊急度(低)の理由:
    メールの文面から、「今日この瞬間に対応しないと手遅れになる」という逼迫した状況ではありません。依頼内容は「来週月曜の朝一に会議を」というものであり、金曜の午後から月曜の朝まで、状況を整理し、会議の準備をする時間的猶予があります。焦って即時アクションを起こすよりも、一度冷静に状況を分析し、段取りを整えることが求められます。

部署間の利害が対立する場面において、管理職に求められるのは「審判」ではなく「ファシリテーター」としての役割です。

どちらが正しく、どちらが間違っているかを裁定するのではなく、まずは双方の主張を冷静に傾聴し、尊重する姿勢が重要です。その上で、なぜ対立が起きているのか、その背景にある事実情報(データ、制約条件、外部環境など)を客観的に整理し、テーブルの上に並べることに注力しましょう。

今回のケースでは、

  • 競合情報の信憑性と詳細(本当にアロマ機能があるのか?価格帯は?)
  • 仕様変更にかかる具体的な工数、コスト、リスク
  • 仕様変更しなかった場合の販売への影響(シミュレーション)

といった客観的な情報を会議の場で共有し、「プロジェクトの成功」という共通のゴールに立ち返って、全員で最適な解決策を議論する場をデザインすることが、あなたの腕の見せ所です。

アセスメント試験では、こうした「即断・即決」ではなく、「一度受け止め、情報を整理し、関係者を巻き込んで最適なプロセスを設計する」という冷静かつ構造的なアプローチが高く評価される傾向にあります。

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