あなたは、ITソリューション企業「ネクストビジョン株式会社」開発2課の課長に1ヶ月前に着任したばかりの管理職です。
今日は月曜日の朝。あなたはこれから1時間の定例部門長会議に出席しなければなりません。会議室へ向かう前にメールをチェックしたところ、部下の一人である若手社員の佐藤さんから以下のメールが届いていることに気づきました。
【制限時間】3分
部門長会議が始まるまでの3分間で、この案件への対応方針を決定してください。
差出人: 佐藤 健太 <k.sato@nextvision.co.jp>
日時: 20XX年10月23日(月) 09:15
件名: 【ご報告】アサヒナ商事向けツール開発の進捗について
鈴木課長
おはようございます。
開発2課の佐藤です。
現在私が担当しております、アサヒナ商事様向け社内ツールの「データ連携モジュール」の開発についてご報告です。
一部の機能実装において予期せぬ技術的課題に直面しており、当初の計画より2日ほど遅延しております。
週末も含めて自分の力で解決しようと試みたのですが、根本的な解決には至っておりません。
プロジェクト全体への影響を最小限にすべく尽力しますが、まずは現状の共有を優先すべきと判断し、ご連絡いたしました。
取り急ぎご報告まで。
本日もよろしくお願いいたします。
佐藤 健太
回答と解説を見る
正解:C
選択肢Cがベストです。
選択肢Cがベスト
この状況における最善の行動は、選択肢Cです。理由は以下の3点です。
- 1. 事実の正確な把握: テキストだけの報告では、「予期せぬ技術的課題」の深刻度や、佐藤さん本人がどれだけ追い詰められているかといった温度感が分かりません。まずは直接対話し、具体的な事実を正確に把握することが、誤った判断を避けるための第一歩です。
- 2. 心理的安全性の確保: 進捗の遅れという「悪い報告」を正直にしてくれた部下の行動をまず受け止め、「一人で抱え込まずに相談して良い」というメッセージを伝えることが極めて重要です。これにより、今後も問題が隠蔽されることなく早期に報告される、風通しの良い組織文化が醸成されます。特に新任管理職としては、部下との信頼関係構築が最優先課題です。
- 3. 組織としての問題解決: 問題を部下個人の責任に帰するのではなく、管理職として共に解決策を探る姿勢を示すことが求められます。部下のスキル不足が原因だとしても、それを補うためのサポート(他メンバーのアサイン、技術指導など)を考えるのが管理職の役割です。
選択肢Aは、一方的な指示であり、部下をさらに追い詰める可能性があります。また、文書作成に時間を取らせることで、本来の問題解決が遅れるリスクもあります。選択肢Bは、問題の先送りに他ならず、管理職としての責任放棄とみなされます。軽微な遅延が、致命的な遅延に発展する危険性を見過ごすことになります。
重要度:高 / 緊急度:低
重要度:高 / 緊急度:低
- 重要度(高)の理由:
この案件は、顧客との約束である「納期」に関わる問題の芽です。たとえ現時点での遅延が僅かであっても、放置すればプロジェクト全体の遅延、ひいては顧客からの信頼失墜に繋がりかねません。また、部下の成長支援や、チーム内の課題解決プロセスを確立するという組織マネジメントの観点からも、対処すべき重要案件です。 - 緊急度(低)の理由:
遅延はまだ2日程度であり、今この瞬間に全てを中断して対応しなければプロジェクトが破綻するという状況ではありません。1時間の部門長会議の後に対処する時間的猶予は十分にあります。焦って不正確な指示を出すよりも、会議後に落ち着いてヒアリングする方が、結果的に的確な対応に繋がります。
管理職として、部下からの進捗遅延の報告は避けては通れないものです。アセスメント試験では、このような「悪い報告」を受けた際の初動が厳しく評価されます。
- 報告への感謝を伝える:
まず、遅延を隠さずに報告してくれた部下の勇気と誠実さを評価し、「報告ありがとう」と感謝を伝えましょう。これにより、部下は安心して次の相談をしやすくなります。 - 「Why」より「What」から聞く:
最初に「なぜ遅れたんだ?」と原因を追及すると、部下は萎縮し、言い訳を探し始めます。まずは「今、何が起きているのか?(What)」という事実確認から冷静に始めましょう。原因究明は、事実を客観的に把握した後に行います。 - 個人ではなく「チームの課題」として捉える:
「君のスキル不足が原因だ」と個人を責めるのは最悪の対応です。管理職は、その問題を「チームとしてどう解決し、再発を防ぐか」という視点で捉え、必要なリソース(人員、時間、情報)を配分する役割を担っていることを忘れてはいけません。
これらの原則に基づいた冷静かつ建設的な初動対応は、管理職としての器の大きさを示す上で非常に効果的です。

