あなたは、ITソリューション企業「株式会社ネクストギア・ソリューションズ」のソリューション開発部 第2課の課長です。課長に着任してまだ1ヶ月です。
あなたの課では現在、最重要クライアント向けの業務効率化ツール「Project Phoenix」の新機能開発に取り組んでいます。リリース日は3週間後に迫っており、プロジェクトは佳境を迎えています。
今日は月曜日の午前10時。あなたは午後から終日、別件の重要な経営会議に出席するため、外出する予定です。出発前にメールをチェックしていたところ、チームの若手エンジニアであるメンバーから以下のメールが届きました。あなたは、会議に出発するまでの3分で、この案件への初動対応を判断し、指示を出す必要があります。
差出人: 鈴木 誠 (suzuki.makoto@nextgear-solutions.co.jp)
日時: 20XX年10月30日(月) 09:55
件名: 【ご報告】Project Phoenix・データ連携モジュールの進捗について
山田課長
おはようございます。
第2課の鈴木です。
ご報告があり、メールいたしました。
私が担当しております「Project Phoenix」のデータ連携モジュールについて、現在開発に遅れが生じております。
原因は、外部システムのAPI仕様書に記載のないエラーが稀に発生しており、その解析と対応に想定以上の時間がかかっているためです。
このままだと、本日中に完了予定だった単体テストが、1〜2日ほど遅延する見込みです。
後工程への影響を最小限にすべく、本日中には原因を特定し、リカバリー策を立てる所存です。ご心配をおかけして申し訳ありませんが、何とか巻き返しますので、引き続きよろしくお願いいたします。
鈴木 誠
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正解:A
選択肢Aがベストです。
選択肢Aがベスト
このケースでは、まず迅速かつ正確に状況を把握することが管理職の最初の責務です。難易度1のインバスケット問題では、この「初動における事実確認の重要性」が最も評価されるポイントとなります。
- 事実確認の優先: 部下からの報告はあくまで一次情報です。管理職はそれを鵜呑みにせず、①問題の具体的な内容、②後工程や全体スケジュールへの影響度、③部下が考えている対策の妥当性、を直接確認する必要があります。選択肢Aは、この基本を忠実に実行する行動です。
- 問題の拡大防止: 「1〜2日の遅れ」が本当にその範囲で収まるのか、現時点では不確実です。問題を放置したり、部下に丸投げしたり(選択肢B, C)すると、気づいた時には手遅れになる可能性があります。問題は小さいうちに対応するのが管理の鉄則です。
- 部下へのサポート姿勢: 直接話を聞くことで、部下は「上司が気にかけてくれている」と感じ、心理的な安心感を得られます。また、管理職が一緒に考える姿勢を示すことで、より良い解決策が見つかる可能性も高まります。部下に丸投げするのではなく、組織として問題解決にあたるというスタンスを示すことが重要です。
選択肢Bは部下の自主性を尊重しているように見えますが、実態は状況把握を怠る「丸投げ」です。選択肢Cは対応を先送りにしており、危機管理意識が低いと判断されます。
重要度:高 / 緊急度:高
この案件の重要度と緊急度は以下の通りです。
- 重要度: 高
最重要クライアント向けのプロジェクトであり、納期遅延は会社の信用問題に直結する可能性があるため。たとえ軽微な遅延報告であっても、プロジェクトの成功を左右する重要案件と位置づけるべきです。 - 緊急度: 高
問題が発生した直後であり、すぐに対応しなければ影響範囲が拡大する恐れがあるため。また、報告者であるあなた自身が「午後から終日外出」という制約を抱えており、出発前に最低限の状況把握と指示を済ませておく必要があるため、緊急度は高いと判断します。
したがって、この案件は「重要度:高、緊急度:高」の領域に分類され、最優先で着手すべき課題です。
管理職として、プロジェクトの進捗遅延やトラブル報告に直面することは日常茶飯事です。このような状況で評価される行動原則とマインドセットを身につけておきましょう。
マインドセット
- 悪い報告を歓迎する文化を作る: 部下が遅延を報告してきた際、決して責めたり、詰問したりしてはいけません。まずは「報告してくれてありがとう。助かるよ」と伝え、問題をオープンに話せる心理的安全性を作ることが最も重要です。悪い報告が上がってこない組織が一番危険です。
- 「どうすれば解決できるか」を常に考える: 犯人探しや原因追及に終始するのではなく、「では、この状況を打開するために、我々(チーム)に何ができるか?」という未来志向の視点で対話を進めることが、建設的な解決に繋がります。
アセスメントで加点されやすい行動原則
- 事実の確認(Fact Finding): 思い込みや伝聞で判断せず、当事者から直接、具体的な状況(5W1H)をヒアリングする。
- 影響範囲の特定: その問題が、他のメンバーのタスク、後工程、プロジェクト全体のスケジュール、そして最終的に顧客にどのような影響を与えるのかを冷静に分析・予測する。
- 解決策の指示と支援: 部下に丸投げせず、管理職として解決策の方向性を示し、必要であれば他メンバーからのヘルプやリソースの再配分など、具体的な支援を行う。
- 報告・連絡・相談(ホウレンソウ): 状況の重要度に応じて、自身の上司や関係部署へ速やかに状況を報告し、組織として対応する体制を整える。
これらの基本動作を、迅速かつ的確に行うことが、管理職としての信頼を築く第一歩となります。

