【不正疑惑Lv2】部下からの経費不正疑惑に関する内部告発

【不正疑惑Lv2】部下からの経費不正疑惑に関する内部告発 インバスケット演習

あなたは、食品メーカー「アジワイフーズ株式会社」の営業企画課で、1ヶ月前に課長に昇進したばかりです。メンバーはあなたを含めて8名。現在、チームのメンバーとの関係構築を進めている最中です。

今日は金曜日の午後2時30分。30分後の午後3時からは、あなたが担当する新商品の販売戦略について、役員も出席する重要な会議が控えています。あなたは今、自席でその会議の最終準備をしていたところ、PCに1通のメールが届きました。差出人は匿名です。

【あなたの立場】
・役職:アジワイフーズ株式会社 営業企画課 課長
・状況:課長就任1ヶ月目
・制限時間:次の役員会議が始まるまでの3分間

差出人: 営業企画課の者です <anonymous@社内イントラネット>
日時: 20XX年10月27日(金) 14:30
件名: 少しご相談したいことがあります


山田課長

新任でお忙しいところ、このようなメールで失礼いたします。
匿名でのご連絡をお許しください。

本日は、同じ課の鈴木さんの経費申請について、少し気になることがありご連絡いたしました。
鈴木さんは、ここ数ヶ月、取引先との「深夜の打ち合わせ」という名目で、高額なタクシー代や交際費を頻繁に申請しているようです。

不審に思う点として、

  • 申請されている日付には、土日や祝日が含まれていることがあります。
  • 相手先の企業名が記載されていない申請がいくつか見受けられます。

もちろん、私の勘違いであれば大変申し訳ないのですが、もし不適切な利用が事実であれば、チームの士気にも関わる問題かと思います。
鈴木さんは営業成績も優秀な先輩ですが、だからこそ、一部のメンバーからは不満の声も聞こえ始めています。

大変恐縮ですが、課長として一度、客観的な事実をご確認いただけないでしょうか。
この件、私が通報したことは、どうかご内密にお願いいたします。

お忙しいところ申し訳ございませんが、よろしくお願いいたします。

A

まずは鈴木さん本人には接触せず、自分自身の権限でアクセスできる経費申請システムを確認し、メールで指摘されている期間の申請履歴や添付書類を客観的に確認する。
B

疑惑を持たれている鈴木さんを会議室に呼び、「君の経費の使い方について懸念の声が届いている」とメールの内容を伝え、直接事実関係を問いただす。
C

匿名の情報であり信憑性が低いため、現時点では静観する。今後、同様の報告が複数寄せられたり、具体的な証拠が提示されたりした場合に、改めて対応を検討する。
回答と解説を見る

正解:A

選択肢Aがベストです。

選択肢Aがベスト

この選択肢が最も優れている理由は、管理職としての初動対応における基本原則を忠実に守っている点にあります。

  • 客観的な事実確認の優先: 憶測や感情、匿名の告発という不確かな情報だけで行動を起こすのは非常に危険です。まずは、自身の権限で確認できる客観的なデータ(経費申請記録)にあたり、告発内容に信憑性があるかどうかを冷静に判断する姿勢が重要です。これは、無実の部下を傷つける冤罪リスクを避けるための鉄則です。
  • リスクマネジメント: いきなり本人に問いただす(選択肢B)のは、もし不正が事実だった場合に証拠隠滅の機会を与えたり、無実だった場合に信頼関係を完全に破壊したりするリスクがあります。また、何もしない(選択肢C)のは、問題を放置して事態を悪化させ、管理職としての責任を問われるリスクがあります。選択肢Aは、これらのリスクを最小限に抑えつつ、次の一手を打つための情報を収集する最も堅実な方法です。
  • 組織としての対応準備: 事実確認の結果、不正の可能性が高いと判断した場合でも、一人で解決しようとするべきではありません。客観的なデータを揃えた上で、速やかにあなたの上長や、人事・コンプライアンス部門といった専門部署に報告・相談することが、組織的な対応の第一歩となります。選択肢Aの行動は、そのための準備段階として極めて適切です。

重要度:高 / 緊急度:低

この案件は「重要度:高」「緊急度:低」に位置づけられます。

  • 重要度(高)の理由:
    コンプライアンス違反の可能性があり、仮に事実であれば個人の問題に留まらず、チームの規律や士気の低下、ひいては会社全体の信用問題に発展しかねません。不正行為を放置することは、組織の健全性を損なう重大なリスクであり、管理職として断固として対応すべき重要案件です。
  • 緊急度(低)の理由:
    メールは今届いたばかりであり、現時点で事業継続を脅かすような、あるいは人命に関わるような切迫した事態は発生していません。30分後の重要な役員会議を欠席してまで、直ちに関係者に接触する必要はありません。むしろ、このようなデリケートな問題は、拙速に動くことで状況を悪化させる危険性が高いです。まずは冷静に情報を整理し、客観的な事実を確認するための時間(数時間〜1日程度)を確保することが賢明です。

管理職として不正疑惑のようなデリケートな問題に直面した際、冷静かつ論理的な対応が求められます。アセスメント試験では、以下の行動原則が評価されます。

  • 1. 憶測で動かない(事実確認の徹底):
    噂や匿名の告発を鵜呑みにせず、まずは客観的なデータや記録(勤怠記録、経費申請、PCログなど)を確認し、事実の裏付けを取る姿勢が最も重要です。「告発があったので、本人に聞きました」では、あまりに短絡的です。
  • 2. 秘密の厳守:
    調査中であること自体が機密情報です。告発者のプライバシー保護はもちろんのこと、被疑者の人権にも配慮し、調査に関わる情報を安易に第三者に漏らしてはいけません。相談相手は、直属の上司や人事・コンプライアンス部門など、正規のルートに限定すべきです。
  • 3. 一人で抱え込まない(組織的対応):
    不正の調査や処分は、一個人の課長の権限や能力を超える場合がほとんどです。事実を客観的に整理した後は、速やかに上長に報告し、人事やコンプライアンス部門と連携して対応方針を決定するのが組織人としての正しい行動です。自分の判断だけで全てを解決しようとすることは、かえってリスクを増大させます。

試験では、「なぜその行動を選択したのか」という思考のプロセスと、コンプライアンスやリスクマネジメントの観点を踏まえた判断基準を明確に説明できることが高評価に繋がります。

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