【納期遅延Lv1】部下からの報告にどう対応する?

【納期遅延Lv1】部下からの報告にどう対応する? インバスケット演習

あなたは、食品メーカー「株式会社みらいフーズ」で新設されたDX推進部の課長に就任して1ヶ月です。あなたのミッションは、社内の様々な業務をデジタル化し、生産性を向上させることです。

現在、あなたの課では複数のプロジェクトが進行していますが、今回はその中の一つ、「営業部向け 経費申請補助ツールの開発」に関する案件です。

あなたは本日、午後から終日、他部署との合同研修に参加するため、午前中の1時間しかメール処理や部下への指示出しができません。以下のメールに対応してください。

  • あなたの役職: 株式会社みらいフーズ DX推進部 課長
  • 制限時間: 3分
  • 部下の人数: 5名

差出人: 鈴木 誠 <m.suzuki@mirai-foods.co.jp>
日時: 20XX年10月27日 09:15
件名: 【ご報告】経費申請補助ツールの開発進捗について

課長

お疲れ様です。
DX推進部の鈴木です。

私が担当しております「営業部向け 経費申請補助ツール」の件でご報告です。

現在、基本機能の実装に取り組んでおりますが、一部の処理で想定よりも実装に時間がかかっており、当初の内部スケジュールから2日ほど遅れが出ております。
原因は私の調査不足と技術的な検討漏れです。大変申し訳ございません。

来週末の内部レビューまでには何とか巻き返せるよう、本日より少し残業して対応したいと考えております。最終的な営業部へのリリース納期(1ヶ月後)には影響ない見込みですが、念のためご報告させていただきます。

引き続き、よろしくお願いいたします。

—
株式会社みらいフーズ
DX推進部
鈴木 誠
内線: 1234
—

A

鈴木の自主性を尊重し、「報告ありがとう。まずは自分で巻き返しを図ってみてください。難しい場合はまた相談してください」と返信する。
B

「状況は理解しました。今日の午後、研修が終わる17時過ぎに15分ほど時間をもらえますか?そこで改めて話を聞かせてください」と返信する。
C

すぐに鈴木を自席に呼び、遅延の原因となっている箇所を具体的にヒアリングし、技術的な解決策をその場で指示する。
回答と解説を見る

正解:B

選択肢Bがベストです。

選択肢Bがベスト

この案件は、部下の育成とプロジェクトのリスク管理という2つの側面から考える必要があります。難易度1の問題として、マネジメントの基本である「状況把握」と「対話による支援」の姿勢が最も評価されます。

  • 選択肢Aの課題: 部下の自主性を尊重するのは良いですが、丸投げに近く、マネージャーとしての管理責任を果たしているとは言えません。「難しい場合は相談して」では、部下が一人で抱え込み、さらに状況が悪化するリスクがあります。
  • 選択肢Cの課題: 迅速な対応ですが、すぐに直接的な指示を出すのはマイクロマネジメントに陥る危険性があります。部下自身が考え、解決策を見出す成長の機会を奪ってしまいます。また、マネージャーがプレイングに時間を使いすぎる弊害もあります。
  • 選択肢Bの優れた点: まず報告を受け止めた上で、「対話の時間」を設定している点が最も優れています。これにより、①部下に安心感を与え、②マネージャーは一方的な憶測ではなく事実に基づいた判断ができ、③部下自身に状況と対策を整理させる機会を与えることができます。すぐに介入するのではなく、まずは本人の考えを聞くというプロセスが、育成とリスク管理を両立させる上で極めて重要です。

重要度:低 / 緊急度:高

この案件は、重要度と緊急度のマトリクスにおいて以下の通り評価されます。

  • 重要度: 低
    社内向けの補助ツールであり、会社の売上や顧客満足度に直接的な影響を与えるものではありません。万が一リリースが多少遅れても、経営上のインパクトは軽微です。
  • 緊急度: 高
    既に「遅延」という問題が発生しており、放置すれば拡大する可能性があります。部下が一人で抱え込んでしまう前に、マネージャーとして早期に状況を把握し、適切な手を打つ必要があります。問題が小さいうちに対処するのが管理職の鉄則です。

したがって、この案件は「すぐに対応すべきだが、リソースを過剰に割く必要はない」領域に位置づけられます。選択肢Bのように、短時間で効果的なコミュニケーションを取るアクションが最適です。

管理職として、部下からの進捗遅れの報告は避けて通れない事案です。この種の報告を受けた際の初動が、あなたのマネジメントスタイルやチームの文化を方向づけます。

1. 「悪い報告」を歓迎する文化を作る
進捗遅れを報告した部下を詰問したり、すぐに叱責したりしてはいけません。むしろ「正直に早く報告してくれてありがとう。それが一番助かる」というメッセージを伝えることが重要です。これにより、チーム内に心理的安全性が醸成され、問題が小さいうちに共有されるようになります。

2. Why(なぜ)よりWhat(何が)とHow(どうする)を問う
「なぜ遅れたんだ?」という過去を問う詰問は、部下を萎縮させるだけです。「今、何に困っている?」「どうすれば前に進めそう?」といった、現状把握と未来に向けた質問を心がけましょう。原因究明は必要ですが、それは対策を立てるための冷静な分析として行うべきです。

3. 介入と静観のバランスを取る
すべてをマネージャーが解決する必要はありません。部下に考えさせ、行動させることで人は育ちます。今回のケースのように、まずは対話の場を設け、本人の考えを聞き、必要な支援(アドバイス、他メンバーの協力、スケジュールの調整など)は何かを見極める姿勢が、最も再現性の高い成功パターンと言えるでしょう。

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